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パンダより、ピンポンより、見るべきものがあった。「紫禁城」写真展=東京・恵比寿

パンダより、ピンポンより、見るべきものがあった。「紫禁城」写真展=東京・恵比寿
"Secrets unveiled image from the forbidden city" (制作:池野 徹)
【PJ 2008年05月09日】− 中国の胡錦濤国家主席が来日して、それを取り巻く福田首相以下、日本政府は、対応に追われているが、長期的視野に立ち、お互いの発展を期すとの合言葉で、いかにも使命を果たしているような姿勢が、福田首相に見える。内閣支持率20%切って危うい土俵際を、日中親睦(しんぼく)と言う名に変えて、名目を保とうとしている。毒ギョーザ、ガス田、チベット問題、オリンピックと詰めるべき大問題を抱えているにもかかわらず、大義名分ですべてカバーして上滑り外交で終始している。一見平和なようだが、何も国民の前に見えてこないのは情け無い。目立つのはと言うより、利用されているのは、上野動物園にパンダ貸与する、早大生の福原愛チャンとピンポンをすることの話題を提供して、国民のご機嫌取りは見え見えである。

 どうせ見え見えなら、奈良法隆寺への観光見学なら分かりきった事であるのだから、もっと、日本と中国に貢献した人に会い、その業績を眼に焼き付けてもらったほうが有意義ではなかっただろうか。東京・恵比寿の東京都写真美術館で「紫禁城写真展」が、3月29日から5月18日まで開催されている。これは、百年の時を経て、今初めて明かされる中国高宮、最後の姿の写真展である。宇宙の中心と信じられ、世俗から隔離された聖域であった「紫禁城」を、明治の日本人写真師、小川一真が撮影していたのだ。清朝末期のオリジナルプリントが今、百年前の真実を物語る、貴重な写真展である。そして、その写真と現在の「故宮」を対比し撮影した写真を、中国の現代写真家、候元超により表現されている。日中両国の写真家が時を経て共演もしている写真展である。

 明清24人の皇帝が500年に亘り居住し、天下への政治を行った栄華を極め尽くした中国高宮「紫禁城」現在の「故宮博物館」は、一般人が立ち入り禁止にされていた聖域の写真が遂に一般公開されたのである。写真師、小川一真(かずまさ)(1860-1929)は、1901年建築家の伊東忠太の調査プロジェクトのもとで、ガラス乾板を使って撮影。300枚にも及ぶオリジナルプリントから70枚を厳選、太和殿、保和殿、乾清宮等を、終焉を迎えつつあった皇宮の写真を当時の姿を、独特のトーンで見る事ができる。

 現在のカメラと違い、大きな箱状のカメラをセッティングするだけでも大変なものであった。建物に対して真正面に構え、時間をかけて露出する。当時の人が写っている写真もある。時を経た写真を見るのだが、とにかく静けさが感じられる。悠久の時と空間が、暫時眺めていると、その空気までもが蘇って来る。写真の語る真実の歴史が、目前に展開している。時間倒錯に陥る。清朝滅亡の陰の歴史を、今此処で確認するチャンスがあったはずだ。見せかけの外交より、両国の人間が、為した文化の結果を胸に刻む事の方が、感銘を受ける事ができ、人間の心に残るであろう。福田さんよ、胡錦濤さんよ、ぜひ見るべきではなかっただろうか。

「一将功成りて万骨枯る」

【了】

■関連情報
●「紫禁城写真展」
3/29〜5/18 2008 AM10:00-PM6:00
東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)
問い合わせ先/03-5777-8600
http://www.syabi.com

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【 千葉県 】
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