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当たり前のことをする、当たり前のことが出来る/猪熊 篤史

「当たり前のこと」とは、「忘れられていた重要なこと」と同義語として使われる場合が多いようである。当り前のことについて考えてみたい。

そんなの当たり前だ!

当たり前なことを言うな!

こんな言葉を耳にすることがある。

年長者や特定分野の経験が長い年功者に言われると、言われた方は思慮の浅さ、分析の甘さに不安を感じて、引き下がってしまうことも多いことだろう。

「当たり前のこと」とは一体なんなのか?本当に誰もが「当たり前のこと」として認識していて、あえて説明したり、検討する必要がないものなのだろうか?

「暴力を振ってはいけない」、「嘘をついてはいけない」、「人のモノを盗んではいけない」など良識の確認以外の場面で使われる「当たり前のこと」という言葉は、特に職場などで使われる場合は、注意が必要だろう。

「当たり前のこと」とは、「忘れられていた重要なこと」と同義語として使われる場合が多いようである。また、このような忘れられていた重要なことを「当たり前のこと」と表現する時、大切な検討課題に対して正面から向き合うことを避けていることが多いようである。

「企業が利益を上げるためにどうしたら良いか?」という重要な質問に対して2つの「当たり前」の方法がある。

・売上を増やす
・費用を減らす

「そんなの当たり前じゃないか、他の方法はないのか?」では話しにならない。

「そうだな!では、売上を増やすためにどうするか、費用を減らすためにどうするかを考えよう」というのなら話しは進む。あるいは、「そんなの当たり前だろう!売上を増やすためにどうするか、費用を減らすためにどうするかを考えろ!」なら、少しずるい論点のすり替えではあるが、前進が見込める。「当たり前のこと」を正面から受け止めることなしに問題の分析は進まない。問題が解決することもない。


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