【石井紘人コラム】「死ね」発言、処罰ありきではなく議論を
2008年05月02日11時56分 / 提供:FOOTBALL WEEKLY
「言った」「言ってない」という議論は非常に難しい。これはサッカーだけでなく社会でもそうだ。だからこそ、契約書が存在するし、ホテルや百貨店などのサービス業はこの問題に頭を悩ませる。
「言った」と主張する客に対しては「クレーマーか」という気持ちになるし、「言ってない」と主張する企業には「隠蔽する気だな」と言う気持ちになる。この逆もしかりだ。
この問題の難しいところは、互いに嘘をついていないことがあり、終わりが見えなくなることだ。言葉というのは、シチュエーションによって変わる。「結構です」という言葉も、「いる」のか「いらない」のかが、そのときの状況により変わってくる。
つまり、互いの受け取り方によって、言葉は変わってしまうのだ。そして、互いに不信感を持っていればなおさら発言を疑いたくなる。
今回、問題となったJ1第9節の大分対FC東京戦で、西村雄一主審がある選手に対して「死ね」と発言したと言われていることも、同じだと思う。互いに不信感を持っていたために起きた出来事だし、互いに嘘をついていない可能性もある。
だからと言って、この問題を「互いへの不信感」や「互いに嘘をついていない」だけで終わりにはできない。こういった出来事のとき、嫌な思いをするのは当事者だけではなく、周りにいる人たちもだからだ。
審判とうまく向き合っている選手もいるし、選手と向き合っている審判もいる。彼らまで疑いの目を向けられてしまう。そして、ファンもサッカーとどう向き合っていいのかわからなくなってしまい、結果的に皆が嫌な思いをしてしまう。それはあってはならない。
では、どうすればいいのか。まずは二度と「言った。言わない」問題を起こさないようにすることだ。そのためにはコミュニケーションシステムの導入をしてほしい。
コミュニケーションシステムとはW杯やUEFAチャンピオンズリーグなどで審判団がつけているマイクのことだ。コミュニケーションシステムがあれば審判団の会話をマッチコミッショナーが聞くことも可能だという。
今回の問題も、そういったチェック機関があれば、すぐに白黒ついたはずだ。とはいえ、審判団も導入をためらっているわけではない。今シーズン開幕前に審判団に話を聞く機会があったので、コミュニケーションシステムをなぜ導入しないのか? と聞くと、「できるなら導入したいです」と口を揃えていた。
ただ、私もよくわからないのだが、通信規制などのいわゆる政治的問題もあり、「じゃあ導入しよう」とは簡単にいかないらしい。しかし、このような問題が起きた今、信頼を回復させるためにそんなことは言っていられない。
審判団だけでの力だけでは難しいだろうから、日本サッカー協会など一丸となって導入に向け取り組んでほしい。
そして、もう一つは根本的なことで、審判が選手に侮辱的発言をする問題が二度と起こらないようにすることだ。そのためには、家本政明主審の問題が起きたときのように処罰ありきにするのではなく、議論をしてほしい。
一人の審判を処罰し、政治家のように臭いものには蓋をして、うやむやにするのではなく、なぜ、このような状況になってしまったのか、というのをしっかりと議論するべきだ。
西村氏の試合のレフェリングはどうだったのか。選手は執拗な異議をしていなかったのか。今回、西村氏の発言が問題となっているが、審判に侮辱的な発言をする選手もいるという。大きな侮辱的発言には処罰が与えられるが、例えば試合中に主審とぶつかりそうになったときに、選手が「どけよ」と言ったことなどは問題にはならない。
だからといって、西村氏の発言が許されるわけではない。なぜ、西村氏がこういった発言をしてしまったのか。精神的に不安定ではなかったか。選手に対する先入観があったのではないか。考えられることはあるはずだ。
「言った」と主張する客に対しては「クレーマーか」という気持ちになるし、「言ってない」と主張する企業には「隠蔽する気だな」と言う気持ちになる。この逆もしかりだ。
この問題の難しいところは、互いに嘘をついていないことがあり、終わりが見えなくなることだ。言葉というのは、シチュエーションによって変わる。「結構です」という言葉も、「いる」のか「いらない」のかが、そのときの状況により変わってくる。
つまり、互いの受け取り方によって、言葉は変わってしまうのだ。そして、互いに不信感を持っていればなおさら発言を疑いたくなる。
今回、問題となったJ1第9節の大分対FC東京戦で、西村雄一主審がある選手に対して「死ね」と発言したと言われていることも、同じだと思う。互いに不信感を持っていたために起きた出来事だし、互いに嘘をついていない可能性もある。
だからと言って、この問題を「互いへの不信感」や「互いに嘘をついていない」だけで終わりにはできない。こういった出来事のとき、嫌な思いをするのは当事者だけではなく、周りにいる人たちもだからだ。
審判とうまく向き合っている選手もいるし、選手と向き合っている審判もいる。彼らまで疑いの目を向けられてしまう。そして、ファンもサッカーとどう向き合っていいのかわからなくなってしまい、結果的に皆が嫌な思いをしてしまう。それはあってはならない。
では、どうすればいいのか。まずは二度と「言った。言わない」問題を起こさないようにすることだ。そのためにはコミュニケーションシステムの導入をしてほしい。
コミュニケーションシステムとはW杯やUEFAチャンピオンズリーグなどで審判団がつけているマイクのことだ。コミュニケーションシステムがあれば審判団の会話をマッチコミッショナーが聞くことも可能だという。
今回の問題も、そういったチェック機関があれば、すぐに白黒ついたはずだ。とはいえ、審判団も導入をためらっているわけではない。今シーズン開幕前に審判団に話を聞く機会があったので、コミュニケーションシステムをなぜ導入しないのか? と聞くと、「できるなら導入したいです」と口を揃えていた。
ただ、私もよくわからないのだが、通信規制などのいわゆる政治的問題もあり、「じゃあ導入しよう」とは簡単にいかないらしい。しかし、このような問題が起きた今、信頼を回復させるためにそんなことは言っていられない。
審判団だけでの力だけでは難しいだろうから、日本サッカー協会など一丸となって導入に向け取り組んでほしい。
そして、もう一つは根本的なことで、審判が選手に侮辱的発言をする問題が二度と起こらないようにすることだ。そのためには、家本政明主審の問題が起きたときのように処罰ありきにするのではなく、議論をしてほしい。
一人の審判を処罰し、政治家のように臭いものには蓋をして、うやむやにするのではなく、なぜ、このような状況になってしまったのか、というのをしっかりと議論するべきだ。
西村氏の試合のレフェリングはどうだったのか。選手は執拗な異議をしていなかったのか。今回、西村氏の発言が問題となっているが、審判に侮辱的な発言をする選手もいるという。大きな侮辱的発言には処罰が与えられるが、例えば試合中に主審とぶつかりそうになったときに、選手が「どけよ」と言ったことなどは問題にはならない。
だからといって、西村氏の発言が許されるわけではない。なぜ、西村氏がこういった発言をしてしまったのか。精神的に不安定ではなかったか。選手に対する先入観があったのではないか。考えられることはあるはずだ。
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