■ネットとライフスタイル : セカンドライフの持つインターネット上の歴史的意味 その3
2008年05月02日10時18分 / 提供:FPNニュースコミュニティ
さて2008年4月初のVirtual Worlds Conference2008を通じて、仮想社会サービスは、どんな時代が終わり、どんな時代が始まったとされているのでしょうか。またセカンドライフブームはインターネットの歴史の中で一体、どんな意味を持っていたのでしょうか。
参考文献は以下の通りです。
★ The Making of Second Life: Notes from the New World (Hardcover)
by Wagner James Au (Author)
http://www.amazon.co.uk/Making-Second-Life-Notes-World/dp/0061353205/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1209533025&sr=1-1
この本は、セカンドライフの歴史を書くため、嘗てリンデンラボと契約していたライター(Wagner James Au)独立後書き上げたものであり、Virtual Worlds Conference2008で筆者自身が即売会を行っていたほどの人気です。ほんとに面白い本です。
★ AVASTAR ISSUE 70
http://www.the-avastar.com/epaper/archive/2008/TheAvaStar_Issue70.pdf
記事: Metaverse will keep expanding
「セカンドライフは単なる始まりに過ぎない」とする記事は面白いですね。
引用
引用:
SL is only the beginning ? metaverse will continue to grow.
That was the unconscious conclusion of Virtual Worlds Conference earlier this month in New York.
引用終わり
★ Web2.0をゲームとシミュレーションの世界に戦略的に導入したセカンドライフ
それではセカンドライフが何故、あれだけ注目されたのでしょうか。理由は上記の書籍にも書いてある通り実に明白です。セカンドライフを運営するリンデンラボ社は、戦後の発展途上国やベルリンの壁崩壊後の共産圏の経済が「何ゆえ大混乱しているのか」を検討し、私有財産権の確立が必要だと気がつきました。
また同時にクリエーティブ・コモンズを提唱するローレンス・レシグや嘗てサンフランシスコ・ベイエリアで電子コミュニティを立ち上げた有名なハワード・ラインゴールドらをコンサルタントとして活用し「Web2.0」を徹底的に研究しました。
その結果、参加者のもの作りを解禁すると共に知的財産権を認め、取引も自由とし、更に仮想通貨リンデンドルとUSドルとの交換も実質的に保証しました。
ネットコミュニティにおいて資本制生産様式の基本である、私有財産権の確立=「知的所有権の確立と取引の自由な制度」をライフゲームの参加者に認めた事でバーチャルリアリティ版の「大衆表現=CGM」が可能になったと言う訳です。
こうしてブログ、SNS、写真や動画投稿など全世界的なソーシャルメディアの流れにセカンドライフが業界で始めて乗りました。セカンドライフはゲームやバーチャルリアリティの世界を始めて「Web2.0」の中に引き込んだと言う大きな貢献があったわけです。
▲ マイクロトランザクション方式の持つ意味
その為、参加者とのサービス契約もこれまでのゲームなどでは常識であった、新聞などのような購読料支払い型では無く、土地の取引料や税金などの形式=マイクロトランザクション方式が導入されました。仮想と言われるネット社会において必要なのは、私有財産権の確立と言う訳です。
参加者はリンデンラボから購入する土地もお店で買うアバター用の衣装も全てマイクロペイメントでなされた訳です。一方、広告費もまた企業シムの購入と建築と言うマイクロトランザクション方式に近い形で流れ込んできました。
この方式によりバーチャルリアリティ版の「大衆表現=CGM」が可能になった訳ですね。これがセカンドライフのインターネット上の歴史的な貢献と言えるでしょう。
★ 主婦や学生の大衆表現に敗れて敗退した企業シム
面白いのはこのようなセカンドライフの私有財産制度によって解き放たれた参加者の創造性や想像性が、進出企業のマーケティングを上回り、それにX印(ばってん)を付けた点でしょう。その結果、多くの企業が「セカンドライフはマーケティングに無用」と見なして撤退しました。これはほんとに面白い現象でした。
既にSNSに投稿される音楽や動投稿や写真投稿の中から草の根投稿が一部のプロの作品よりも優れているものが現れている点は読者の皆さんもご存知の通りです。Web2.0のソーシャルメディアの活用は新人やインディーズの登竜門になり始めているわけですね。CGCM(消費者作成コマーシャル)などがその代表例ですが。
我が国でもSNSやネットコミュニティ、携帯電話サービスの中から「素人の書いたヒット小説」がゾクゾク出てきています。
その現象がもっと激しく現れたのが「セカンドライフに進出した企業のマーケティング」でした。3Dでシミュレーションの可能なセカンドライフで企業が展示した「アバター用の衣装や車などの消費財商品」などは、ことごとく主婦や学生が自由にデザインした「アバター用の衣装や車など」に敗れてしまいました。
アメリカンアパレルが撤退したり、GMが撤退した裏にはそう言った事情がありました。確かにプロによる商品のデザインは工場における実際のもの作りに制約される為、どうしても奇抜なデザインは現実社会では難しい面が確かにあります。
でも面白いのは未来の車と銘打った乗り物のイメージ(プロが作成)ですら、主婦や学生が自由にデザインしたものに適わなかったと言う点でしょう。
こうして多くの企業のシムには閑古鳥が鳴きました。
一方、成功した草の根的なショッピンクセンターやクラブは大流行でした。これは企業が大衆表現(CGM)を十分理解できなかった為に他なりません。
何故ならフランスのロレアルなどはシムなど持たないでセカンドライフのお店を代理店に使い、素人のクリエーターと組んで十分成功しています。
★ セカンドライフは単なる始まりに過ぎない
大型汎用機のオープン化の議論や政府の電子申請の議論でも明らかな通り、一定の技術的な確立とその普及=社会の手に馴染むと言うこととは全く別問題です。
3Dの場合にはFFXIよりも美しいセカンドライフなどの現在の画面を見れば判るとおり、技術的には一定程度、既に確立しています。しかしVISTA版のパソコンの普及遅れ、光回線の普及がこれから、携帯電話サービス対応がまだと言う技術面での問題を除いても社会環境的には「アバターライフスタイル」がまだ日本では普及、確立していません。仮想の人形劇が文楽人形のように社会にまだまだ馴染んでいない訳ですね。
筆者はテレビの完全デジタル移行のプロセスをきっかけとして、まず参加型テレビと言う形態で「アバターライフスタイル」は普及していくと考えています。シェークスピアの戯曲、マクベスの中に合った「森が動く時、王様が危ない」と言う表現に従えば、日本では「モバゲータウンやGREEなどのアバターが動き出す時」が、「最初に歴史が動く時」かもしれません。
進化心理学をより処に考えれば「人類の心の仕組みは進化の産物であり、物理的な現実社会にもっとも適応」しています。物理的な現実社会が3Dである限り、3Dのインターネットはもっとも心地のよいもの、自然なものであると言えましょう。
続きはFPNニュースコミュニティで
参考文献は以下の通りです。
★ The Making of Second Life: Notes from the New World (Hardcover)
by Wagner James Au (Author)
http://www.amazon.co.uk/Making-Second-Life-Notes-World/dp/0061353205/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1209533025&sr=1-1
この本は、セカンドライフの歴史を書くため、嘗てリンデンラボと契約していたライター(Wagner James Au)独立後書き上げたものであり、Virtual Worlds Conference2008で筆者自身が即売会を行っていたほどの人気です。ほんとに面白い本です。
★ AVASTAR ISSUE 70
http://www.the-avastar.com/epaper/archive/2008/TheAvaStar_Issue70.pdf
記事: Metaverse will keep expanding
「セカンドライフは単なる始まりに過ぎない」とする記事は面白いですね。
引用
引用:
SL is only the beginning ? metaverse will continue to grow.
That was the unconscious conclusion of Virtual Worlds Conference earlier this month in New York.
引用終わり
★ Web2.0をゲームとシミュレーションの世界に戦略的に導入したセカンドライフ
それではセカンドライフが何故、あれだけ注目されたのでしょうか。理由は上記の書籍にも書いてある通り実に明白です。セカンドライフを運営するリンデンラボ社は、戦後の発展途上国やベルリンの壁崩壊後の共産圏の経済が「何ゆえ大混乱しているのか」を検討し、私有財産権の確立が必要だと気がつきました。
また同時にクリエーティブ・コモンズを提唱するローレンス・レシグや嘗てサンフランシスコ・ベイエリアで電子コミュニティを立ち上げた有名なハワード・ラインゴールドらをコンサルタントとして活用し「Web2.0」を徹底的に研究しました。
その結果、参加者のもの作りを解禁すると共に知的財産権を認め、取引も自由とし、更に仮想通貨リンデンドルとUSドルとの交換も実質的に保証しました。
ネットコミュニティにおいて資本制生産様式の基本である、私有財産権の確立=「知的所有権の確立と取引の自由な制度」をライフゲームの参加者に認めた事でバーチャルリアリティ版の「大衆表現=CGM」が可能になったと言う訳です。
こうしてブログ、SNS、写真や動画投稿など全世界的なソーシャルメディアの流れにセカンドライフが業界で始めて乗りました。セカンドライフはゲームやバーチャルリアリティの世界を始めて「Web2.0」の中に引き込んだと言う大きな貢献があったわけです。
▲ マイクロトランザクション方式の持つ意味
その為、参加者とのサービス契約もこれまでのゲームなどでは常識であった、新聞などのような購読料支払い型では無く、土地の取引料や税金などの形式=マイクロトランザクション方式が導入されました。仮想と言われるネット社会において必要なのは、私有財産権の確立と言う訳です。
参加者はリンデンラボから購入する土地もお店で買うアバター用の衣装も全てマイクロペイメントでなされた訳です。一方、広告費もまた企業シムの購入と建築と言うマイクロトランザクション方式に近い形で流れ込んできました。
この方式によりバーチャルリアリティ版の「大衆表現=CGM」が可能になった訳ですね。これがセカンドライフのインターネット上の歴史的な貢献と言えるでしょう。
★ 主婦や学生の大衆表現に敗れて敗退した企業シム
面白いのはこのようなセカンドライフの私有財産制度によって解き放たれた参加者の創造性や想像性が、進出企業のマーケティングを上回り、それにX印(ばってん)を付けた点でしょう。その結果、多くの企業が「セカンドライフはマーケティングに無用」と見なして撤退しました。これはほんとに面白い現象でした。
既にSNSに投稿される音楽や動投稿や写真投稿の中から草の根投稿が一部のプロの作品よりも優れているものが現れている点は読者の皆さんもご存知の通りです。Web2.0のソーシャルメディアの活用は新人やインディーズの登竜門になり始めているわけですね。CGCM(消費者作成コマーシャル)などがその代表例ですが。
我が国でもSNSやネットコミュニティ、携帯電話サービスの中から「素人の書いたヒット小説」がゾクゾク出てきています。
その現象がもっと激しく現れたのが「セカンドライフに進出した企業のマーケティング」でした。3Dでシミュレーションの可能なセカンドライフで企業が展示した「アバター用の衣装や車などの消費財商品」などは、ことごとく主婦や学生が自由にデザインした「アバター用の衣装や車など」に敗れてしまいました。
アメリカンアパレルが撤退したり、GMが撤退した裏にはそう言った事情がありました。確かにプロによる商品のデザインは工場における実際のもの作りに制約される為、どうしても奇抜なデザインは現実社会では難しい面が確かにあります。
でも面白いのは未来の車と銘打った乗り物のイメージ(プロが作成)ですら、主婦や学生が自由にデザインしたものに適わなかったと言う点でしょう。
こうして多くの企業のシムには閑古鳥が鳴きました。
一方、成功した草の根的なショッピンクセンターやクラブは大流行でした。これは企業が大衆表現(CGM)を十分理解できなかった為に他なりません。
何故ならフランスのロレアルなどはシムなど持たないでセカンドライフのお店を代理店に使い、素人のクリエーターと組んで十分成功しています。
★ セカンドライフは単なる始まりに過ぎない
大型汎用機のオープン化の議論や政府の電子申請の議論でも明らかな通り、一定の技術的な確立とその普及=社会の手に馴染むと言うこととは全く別問題です。
3Dの場合にはFFXIよりも美しいセカンドライフなどの現在の画面を見れば判るとおり、技術的には一定程度、既に確立しています。しかしVISTA版のパソコンの普及遅れ、光回線の普及がこれから、携帯電話サービス対応がまだと言う技術面での問題を除いても社会環境的には「アバターライフスタイル」がまだ日本では普及、確立していません。仮想の人形劇が文楽人形のように社会にまだまだ馴染んでいない訳ですね。
筆者はテレビの完全デジタル移行のプロセスをきっかけとして、まず参加型テレビと言う形態で「アバターライフスタイル」は普及していくと考えています。シェークスピアの戯曲、マクベスの中に合った「森が動く時、王様が危ない」と言う表現に従えば、日本では「モバゲータウンやGREEなどのアバターが動き出す時」が、「最初に歴史が動く時」かもしれません。
進化心理学をより処に考えれば「人類の心の仕組みは進化の産物であり、物理的な現実社会にもっとも適応」しています。物理的な現実社会が3Dである限り、3Dのインターネットはもっとも心地のよいもの、自然なものであると言えましょう。
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