ゲストさんログイン

ウェブ検索

最新ニュース! クリックするほどよく分かる

livedoor ニュース

今週のお役立ち情報

小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘

小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘
手作りの小さな音楽会。会場はいっぱいで、立ち席も出ていた。東京・自由が丘グリーンホールA&Dで。(撮影:穂高健一、4月29日) 写真一覧(5)
【PJ 2008年04月30日】− ゴールデンウィークのさなか、ギター教室の生徒16人による演奏会が29日、東京・自由が丘グリーンホールA&Dで行われた。主催は川瀬のり子ギター教室。年1回の演奏会で、今回は5回目。市民による手作りのコンサートだった。

 出演者は地主奈々子さん(ちぬしななこ 8)の曲目『きらきら星・おもちゃのチャチャチャ』の小学校2年生から、リタイア後にギターを習いはじめた60歳、70歳代までと幅広かった。つめかけた観客は約70人。習いはじめて歳月の浅い人がほとんどだ。演奏者たちは緊張感から、弦に触れる指先が震えている。演奏が途中で止まったり、楽譜と違っていたり、ミスが連発する。それでも懸命に演じる。その熱意が十二分に観客に伝わってきた。

 主催者の川瀬のり子さん(51)の説明によると、同演奏会の1回目は5年前で、下高井戸・東京の貸しフォールだった。発表者は5人。2回目からは自由が丘の同会場となった。他方で、出演者の数が年々増えてきた。レベルは年々、上がってきました、と話す。

 川瀬さんには、ギター演奏の魅力について聞いてみた。「他の楽器と比べ、ギターには音量がありません。しかし、奏でる曲には哀愁があります」と特徴を述べた。そのうえで、「ギターは独りでも練習ができるし、大人になってからでも始められます。幼い子はピアノ、バイオリンと同様に楽譜がおぼえます」と教えてくれた。

 出演者からも話を聞くことができた。野口一雄さんの曲目は『ブーべの恋人』で、同教室に通いはじめてから約1年。教室は1人・30分間で、月4回だという。「55歳で、ハードだった仕事にも多少のゆとりがでました。それでギターをはじめました」と話す。野口さんは30年前にギターを購入し、ドレミを弾(ひ)くていどで止めてしまった。ギターはハードケースに入れていたので、保管状態が良く、当時の弦が使えた。「きょうの演奏は、30年前の弦です」と教えてくれた。

 荒木恵子さんはギターの演奏会は3回目で、曲目は『タンゴ第3番』だった。「家族はだれも聴きにこないと言いながらも、娘が最前列に座っていました。それだけで、緊張しました。練習では難なく弾けるところが、間違えて、もう頭が真っ白になりました」と話す。技術よりも、精神力を鍛えなくてはいけない、とつけ加えていた。

 古荘朝子さんは、小学生の娘の綾子さんと二重奏で、『人生のメリーゴーラウンド』だった。「長いような、短いような一日でした」と話す。小学生時代にギターを習っていた。そんな背景から、娘の綾子さんにも習わせたという。親子演奏は、今回で3回目。「娘の技術が、もはや自分を越えそうです」と語る。さらには、演奏会を前にして、「お母さん、もっと自主トレしてよね」と、ハッパをかけられたと話す。

 安藤十一子(といこ)さんは、大正琴は15年のキャリアを持つ。5年前に同教室がはじまった1回生だ。大正琴の演奏会で、何度も舞台に立った経験がある安藤さんだが、「ギター演奏会のほうがむずかしく、緊張します」と話す。演奏曲は昨年の暮れに、川瀬さんから3曲を提示され、自らが『道化師の踊り』を選んだという。

 鈴木康平さんは高校一年生。中学二年のときに学校の自由選択科目でギターに触れた。「しっかり学びたいと思い、教室に通いはじめました」と話す。毎日、学校から帰ると、ギターを弾くという。「グループで行う、ロックバンドなど、個人が制約を受けます。ギターは独りで自由に弾けます」と語る。弾けなかった曲が、他の曲を練習して、もどってくると、数ヵ月後に弾けるようになる。「それがとてもうれしい」と話す。

 関根稔さん(51)の曲目は『11月のある日』だ。長年、独学で勉強していたが、8ヶ月前から教室に通いはじめた。同演奏会では、小中学生の3人の実娘がじっと聞き入っていた。「緊張しましたね。指先が硬直しました」と関根さんは話す。妻子や友人から大きな花束を受け取り、笑みを浮かべていた。

 同演奏会は、日ごろ練習するギターの発表で、庶民による、庶民の手で作られたものだ。大ホールによるプロ演奏会にはとても及ばない。だが、演奏者の熱意が聴く側に伝わり、心を打つ。ギターを奏でる庶民の、小さな幸せがここにある。それが発見された、小さな演奏会だった。【了】

■関連情報
川瀬のり子ギター教室
記者HP:穂高健一ワールド
PJニュース.net
PJ募集中!
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【 東京都 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘
出演者は舞台の演奏を聴きながら、自分の曲目の楽譜をみている。
小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘
控え室では、出演者たちは直前まで、練習に余念がない。(撮影:
小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘
音楽会が終わって、安堵の漂う、笑顔の記念撮影会。(撮影:穂高
小さな演奏会、小さな幸福を見つけた=東京・自由が丘
10分間の休憩中でも、演奏者は会場の一角で、直前練習をしていた
コメントするにはログインが必要です
ログインしてください
投稿

前後の記事

PJニュースアクセスランキング

注目の情報
アメリカン・エキスプレス
アメックスのカードは充実した人生を、心から楽しむ人の一枚。
旅や日常に存在するストレスや手間を取り除いてくれる心強い
サービスたちが、このうえない心地よさを届けてくれます。


あなたの世界が広がっていく。