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<連載コラム>心声天語(12)東西南北

 最近の世の中、最低限の矜持も倫理観も持ち合わせていない、同情の余地がないと思わずにはいられない事件や疑惑ばかり目立ち過ぎます。まったくというほど、「心潤うようなこと」に出会いません。
 そこで本紙ではこれから1週間に2回を目処に、このコラムを開始することにしました。
 人間にとって、最も大切なものは何なのか……。
 読者の方は始め、「?」との印象を持たれるかも知れません。でも、この連載が続けば、そのうちこの行間からきっと何かを感じてもらえることを信じてます。(これから毎週月・木に掲載します)



 ニュース(NEWS)の語源は、ノース(北)のN、イースト(東)のE、ウエスト(西)のW、サウス(南)のS、つまり「北東西南」から集まった情報…という説がある。また東洋では「東西南北」と東から始まるが、西洋では「北」を最初にもってくる。地図に北の方角を指す「N」が印されているのもそのためだ◆西洋が北を軸に据えたのは、遊牧民族たちの北極星信仰に由来する。彼ら遊牧民族たちにとって星は、方角を知る大切な道標であった。とくに、いつも同じ位置から自分たちを見守ってくれる北極星は、神の星、希望の星でもあった。星占いや星座の神話が西洋からきたのも頷ける◆農耕民族に属する日本人は、「お天道様」が昇る東を軸に据え、北を縁起の悪い方角としてきた。これは、西洋から入ってくる「北極星信仰」を拒絶した名残であろう。ところが、暗くて寂しい北のイメージは、演歌に似合いすぎだ。北の宿、北酒場、北国の春…「北」のつく歌は大ヒットする、とのジンクスさえある◆私の母は、私が三歳の時に他界し、京都にあるお墓で眠っている。東京からみると京都は「西」の方角だ。だからか、母に何か話しかけたい時には無意識のうちに、西の方角を向いてしまう。すると母も、私のいる東京の方を向いて「○○や、誰からも好かれる人間になるんだぞ。健康に気をつけて一生懸命に生きていくんだぞ!」との念にて励ましてくれていると信じている◆東と西から母子の情を託し合えるのも、「東西南北」という方角があるからだ。テレパシーは、方角と向き合うことで通じるという。誰かに願い伝えたい時には、その人がいる方角と向き合ったらいい。(和光)

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