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光市母子殺害事件。「それでも生きたい」元少年が初めて見せた「人」の姿。
2008年04月25日23時00分 / 提供:Techinsight Japan
「生きたいとは言えない。でも生きたい。」
山口県光市母子殺害事件で、22日広島高裁での差し戻し控訴審判決で死刑が言い渡された元少年。弁護側は、判決を不服として即日控訴したが、元少年は判決前日弁護人に対し、「どのような判決が出ても、謝罪と贖罪(しょくざい)の人生を歩む」と語っていたという。命の瀬戸際に立たされた元少年から発せられたこの言葉。そこに真実を見出すことはできるのだろうか。
22日の死刑判決後、元少年の弁護団は「きわめて不当な判決」と即日控訴をしたが、いまだ元少年本人のコメントは発表されていない。
1994年4月の事件当時、逮捕されたのが18歳になったばかりの少年であったことに社会は大きな衝撃を受けた。その後、加害者が未成年であったことによるさまざまな不条理、さらには加害者本人のそのことを自覚した上での「死刑にはならない」とたかをくくったような言動に、「衝撃」は司法へのやりきれない怒りに変わった。
「犬がある日かわいい犬と出会った。そのまま『やっちゃった』、これは罪でしょうか」
「無期(懲役)でほぼ決まり。7年そこそこで地上にひょっこり芽を出す」
「僕をなめないでいただきたい」
塀の向こうや法廷から一方的に聞こえてくる元少年の言葉に、多くの人が怒りを通り越し、自らの無力さに苛立ちを覚えただろう。むろん被害者遺族である本村さんの心中は容易には計り知れない。
しかし2006年、最高裁から広島高裁へ審理が差し戻されたことを受け、元少年は自分が命の瀬戸際に立たされていることをついに自覚しはじめる。
その後は、主任弁護士による弁論遅延や、「母性を求めた末の傷害致死」主張など小賢しいとも言える「命乞い」工作が展開されることになる。
「生きていたいということが本村さんをどれだけ苦しめているかを知ってしまったぼくは、身の置き所がない」
「命尽き果てるまで謝罪を続けていきたい」
これは、審理差し戻し決定後、2007年12月に元少年が本村さんに送った手紙に書かれていた一文だ。この時点では元少年のなかでの「死に対するイメージ」がまだ漠然としている印象を受ける。あくまでも彼のなかでは「この先も生きている」ことが前提なのだ。
しかし、審理が進むにつれ、そんな元少年の胸のうちにかすかな変化が見て取れるようになる。
「おこがましいかもしれないが、僕自身も幸せになりたい」
「(亡くなった)2人のことを思うと、生きたいとは言えない。でもよければ生かしていただきたい。生きたいです」
ここにきてやっと元少年は、自分が置かれた立場が「死」を前提にしたものであり、「生きるため」に現実と向き合わなければならないことを悟ったのではないだろうか。それはもっとも「人間らしい姿」=「死の恐怖におびえる姿」をさらけ出すことに他ならない。
弁護人によると、現在元少年は
「死刑の恐怖は感じているはずだが、精神のバランスを保っている」
「自分自身の命を失うかもしれないと考え、人の命を奪った重みを理解した。反省は深まっている」状態だという。
事件から9年の歳月が流れ、すでに「元少年」と呼ぶには違和感を覚える年齢になった27歳の被告。彼に「人の命を奪う重み」を理解させるために費やした年月はあまりにも長すぎた。
(編集部 村上 あい)
山口県光市母子殺害事件で、22日広島高裁での差し戻し控訴審判決で死刑が言い渡された元少年。弁護側は、判決を不服として即日控訴したが、元少年は判決前日弁護人に対し、「どのような判決が出ても、謝罪と贖罪(しょくざい)の人生を歩む」と語っていたという。命の瀬戸際に立たされた元少年から発せられたこの言葉。そこに真実を見出すことはできるのだろうか。
22日の死刑判決後、元少年の弁護団は「きわめて不当な判決」と即日控訴をしたが、いまだ元少年本人のコメントは発表されていない。
1994年4月の事件当時、逮捕されたのが18歳になったばかりの少年であったことに社会は大きな衝撃を受けた。その後、加害者が未成年であったことによるさまざまな不条理、さらには加害者本人のそのことを自覚した上での「死刑にはならない」とたかをくくったような言動に、「衝撃」は司法へのやりきれない怒りに変わった。
「犬がある日かわいい犬と出会った。そのまま『やっちゃった』、これは罪でしょうか」
「無期(懲役)でほぼ決まり。7年そこそこで地上にひょっこり芽を出す」
「僕をなめないでいただきたい」
塀の向こうや法廷から一方的に聞こえてくる元少年の言葉に、多くの人が怒りを通り越し、自らの無力さに苛立ちを覚えただろう。むろん被害者遺族である本村さんの心中は容易には計り知れない。
しかし2006年、最高裁から広島高裁へ審理が差し戻されたことを受け、元少年は自分が命の瀬戸際に立たされていることをついに自覚しはじめる。
その後は、主任弁護士による弁論遅延や、「母性を求めた末の傷害致死」主張など小賢しいとも言える「命乞い」工作が展開されることになる。
「生きていたいということが本村さんをどれだけ苦しめているかを知ってしまったぼくは、身の置き所がない」
「命尽き果てるまで謝罪を続けていきたい」
これは、審理差し戻し決定後、2007年12月に元少年が本村さんに送った手紙に書かれていた一文だ。この時点では元少年のなかでの「死に対するイメージ」がまだ漠然としている印象を受ける。あくまでも彼のなかでは「この先も生きている」ことが前提なのだ。
しかし、審理が進むにつれ、そんな元少年の胸のうちにかすかな変化が見て取れるようになる。
「おこがましいかもしれないが、僕自身も幸せになりたい」
「(亡くなった)2人のことを思うと、生きたいとは言えない。でもよければ生かしていただきたい。生きたいです」
ここにきてやっと元少年は、自分が置かれた立場が「死」を前提にしたものであり、「生きるため」に現実と向き合わなければならないことを悟ったのではないだろうか。それはもっとも「人間らしい姿」=「死の恐怖におびえる姿」をさらけ出すことに他ならない。
弁護人によると、現在元少年は
「死刑の恐怖は感じているはずだが、精神のバランスを保っている」
「自分自身の命を失うかもしれないと考え、人の命を奪った重みを理解した。反省は深まっている」状態だという。
事件から9年の歳月が流れ、すでに「元少年」と呼ぶには違和感を覚える年齢になった27歳の被告。彼に「人の命を奪う重み」を理解させるために費やした年月はあまりにも長すぎた。
(編集部 村上 あい)
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