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「長い」裁判に「真実」はあるのか。

「長い」裁判に「真実」はあるのか。
"Truth is lost sight of" (制作:池野 徹)
【PJ 2008年04月24日】− あなたは、9年前の4月24日の日の出来事を、明確に覚えているだろうか。3000日以上前の出来事である。考えたあげく、朧(おぼろ)げながら何か思い出す事があるだろう。しかし、正確に述べる事はできないだろう。それが普通の人間である。よく国会で証人喚問された証人が、「記憶にございません」というが、これは、この人間心理の逆手を使い、事実を隠ぺいして言うのである。裁判と言うのは、人間が人間を裁く事であり、その犯罪の事実を裁き、白黒つける事である。真実は一つであるはずだが、あらゆる事を事実認定して、立証せねばならない。しかし、その一つの真実が、長い過程を経ることで、より浮かび上がってくるのか、より忘れ去られて行くのか。人間の裁く裁判は、その記憶が薄れないうちに裁定されるのが真実に近いのではないだろうか。

 1999年4月14日に起きた山口県光市の母子殺害強姦事件で、2008年4月22日、広島高裁は「死刑」の判決を出した。9年目の判決である。事件当時犯人の被告は18歳の少年であった事であるが、その犯行を全て認めていた訳である。事件立証もされていた訳である。母子二人の強姦殺人の罪状は事実である。それが、時を経ることで、自白を回避したり、死刑廃止の弁護団に囲まれ、意思返上、罪状逃れをはじめ、ここ9年目まで来たのである。被告元少年は18歳から27歳へ、被害者の夫、本村洋さんは、23歳から32歳へ成長した。人間としては、その間に考え方、感情が変わって来たとしても当然だろう。従って、裁判の度に、述べる事が揺れ動いて変わるのである。裁判官も、弁護士も、支援者も変わってくるのである。しかしそれと、事件当時の犯罪の事実は事実であり変わるべきものでないはずである。

 長い裁判で一番の被害に遭ったのは家族の、夫の本村さんだろう。本村さんの述べて来た事は変遷を経ながらも、理性的に、論理的に分析して、感情を抑え、精一杯の答えをして来たが、だからこそ、長い間の時間は、本村さんを苦しめて来ただろう。しかし、被告の裁判は、裁判所と、弁護士との、職権争いの証明を行っているのだ。本村さんを冷静な人間に仕上げてしまう立場になり、本村さんの、真の苦渋、苦難、の真実の叫びを奪っているのだ。

 時代が違っていたら、自分の妻と子供を殺され強姦されたら、犯人が少年だろうと何だろうと、一太刀で斬殺して、八つ裂きにしても認められる仇(あだ)討ちだ。時代が変わったからと言って、この残された被害者、夫の、本村さんを誰が救えるのか。他人(ひと)事で、もて遊ばれる長い裁判は許しがたい。過去の判例だとか、今後の判例への影響とか、死刑制度の問題とか、裁判員制度への影響とか、長期裁判をする事で、実験台にしながら進める事は、真実に対しての厳正さを希薄にして行く、恐怖を忘れてはならない。

♪サツキバレ オヨグヤ マゴイヤ ヒゴイ コゴイ イトタカク♪

【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【 千葉県 】
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