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テレビ批判の朝日社説、ご立派な主張だが身内を他人事のように言うとは・・・
2008年04月23日07時40分 / 提供:PJ
【PJ 2008年04月23日】−
4月20日の朝日社説は「裁判番組―放送局は知識と冷静さを」と題する、大変まともな主張です。紹介したい意味もあるので、初めの部分を引用します。
『法廷のイラストが映し出される。殺意を否認し、遺体をドラえもんが何とかしてくれると思った、などとする被告の元少年の主張が伝えられる。被害者の遺族が憤りを語る。そして、司会者らが「笑わせんじゃないよ」「世も末」と被告と弁護団を非難する。
山口県光市で起きた母子殺害事件の裁判をこんな風に取り上げたテレビ番組を見た人は少なくあるまい。
こうした番組作りは、公正性、正確性、公平性の原則からはずれ、視聴者の不利益になる。そう批判した意見書が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会から出た。(中略)
今回検証したのは、昨年5〜9月に放送された情報番組などで、NHKと民放計8局の33本。一部のニュースを除くほぼすべてが「〈奇異な被告・弁護団〉対〈遺族〉という図式を作り、その映像を見たコメンテーターらが感情的な言葉を口にする」とされた』
同社説は、このような報道は裁判員制度の裁判員に予断を与えかねないので、報道規制を招く恐れがあるとし、現在のテレビ番組のあり方に懸念を示しています。
BPOの指摘はもっともなものであり、それを受けたこの社説は、このようなテレビの姿勢によってやがて報道の自由が制限されるかもしれないという危機感を訴えるものです。社説の主張は大変重要であり、かつ納得できるものであります。
しかしながら不思議なことに、この社説はなぜか他人事のように書かれています。朝日新聞はテレビ朝日の株の3分の1以上を保有する筆頭株主であり支配権を持つ立場ですから、他人事で済ませるのは不可解です。テレビ朝日だけBPOの指摘を受けなかったなのなら別ですが、そうでなければこの社説は当事者の自覚が足りないと思わざるを得ません。
傘下のテレビ局の作った番組の問題点が指摘されたのなら、それを認めてきた親会社としての意思表示があってもよいのではないでしょうか。
一方、翌日(4月21日)の天声人語には次の言葉が載っています。
「前橋では今月上旬、目抜き通りのチューリップ約千本が切られた」「他人を信じにくい世の中になりつつあるのか」「かくて、おおらかさの灯(ひ)は一つ、二つと消え、人を見たら泥棒と思えとばかりに、世は息苦しさを増していく」「疑心暗鬼の影さす中に、皮肉な金言だけがてらてら光っている」
これらの言葉のように「治安が悪い方向に向かっている」と考える人は増えているようです。事実、朝日新聞の殺人記事数は増加し、85年に比べ03年には5倍近くになっています。ところがこの間、実際の殺人事件数は増えるどころか、減少しています(参照)。
朝日新聞をはじめとするメディアが殺人事件や凶悪事件を大きく、多く報道するという努力の結果、「他人を信じにくい」「疑心暗鬼」の世の中が出来上がり、天声人語でそれを嘆いているのです。かつてこういうやり方をマッチポンプと呼びました。もし意識的でなければ、これも自らが世相を作り上げたという当事者の自覚が足りないと思わざるを得ません。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏【 京都府 】
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『法廷のイラストが映し出される。殺意を否認し、遺体をドラえもんが何とかしてくれると思った、などとする被告の元少年の主張が伝えられる。被害者の遺族が憤りを語る。そして、司会者らが「笑わせんじゃないよ」「世も末」と被告と弁護団を非難する。
山口県光市で起きた母子殺害事件の裁判をこんな風に取り上げたテレビ番組を見た人は少なくあるまい。
こうした番組作りは、公正性、正確性、公平性の原則からはずれ、視聴者の不利益になる。そう批判した意見書が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会から出た。(中略)
今回検証したのは、昨年5〜9月に放送された情報番組などで、NHKと民放計8局の33本。一部のニュースを除くほぼすべてが「〈奇異な被告・弁護団〉対〈遺族〉という図式を作り、その映像を見たコメンテーターらが感情的な言葉を口にする」とされた』
同社説は、このような報道は裁判員制度の裁判員に予断を与えかねないので、報道規制を招く恐れがあるとし、現在のテレビ番組のあり方に懸念を示しています。
BPOの指摘はもっともなものであり、それを受けたこの社説は、このようなテレビの姿勢によってやがて報道の自由が制限されるかもしれないという危機感を訴えるものです。社説の主張は大変重要であり、かつ納得できるものであります。
しかしながら不思議なことに、この社説はなぜか他人事のように書かれています。朝日新聞はテレビ朝日の株の3分の1以上を保有する筆頭株主であり支配権を持つ立場ですから、他人事で済ませるのは不可解です。テレビ朝日だけBPOの指摘を受けなかったなのなら別ですが、そうでなければこの社説は当事者の自覚が足りないと思わざるを得ません。
傘下のテレビ局の作った番組の問題点が指摘されたのなら、それを認めてきた親会社としての意思表示があってもよいのではないでしょうか。
一方、翌日(4月21日)の天声人語には次の言葉が載っています。
「前橋では今月上旬、目抜き通りのチューリップ約千本が切られた」「他人を信じにくい世の中になりつつあるのか」「かくて、おおらかさの灯(ひ)は一つ、二つと消え、人を見たら泥棒と思えとばかりに、世は息苦しさを増していく」「疑心暗鬼の影さす中に、皮肉な金言だけがてらてら光っている」
これらの言葉のように「治安が悪い方向に向かっている」と考える人は増えているようです。事実、朝日新聞の殺人記事数は増加し、85年に比べ03年には5倍近くになっています。ところがこの間、実際の殺人事件数は増えるどころか、減少しています(参照)。
朝日新聞をはじめとするメディアが殺人事件や凶悪事件を大きく、多く報道するという努力の結果、「他人を信じにくい」「疑心暗鬼」の世の中が出来上がり、天声人語でそれを嘆いているのです。かつてこういうやり方をマッチポンプと呼びました。もし意識的でなければ、これも自らが世相を作り上げたという当事者の自覚が足りないと思わざるを得ません。【了】
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