フルカワミキ(撮影:野原誠治)

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 スーパーカー解散から1年4ヶ月、2006年6月にシングル「Coffee & SingingGirl!!!」でソロ活動を開始したフルカワミキ。今年2月には、女性から絶大なる支持を得ているファッション・ブランド「Candy Stripper」との全面コラボレーションによるサードシングル「Candy Girl」を発表した彼女が今月23日、前作「Mirrors」より1年9ヶ月ぶりとなるセカンドアルバム「Bondage Heart」を発表した。

■「Coffee & SingingGirl!!!」のミュージックビデオに始まり、今年2月に発表されたシングル「CandyGirl」ではCandy Stripperとコラボレーションされたりと、音楽以外の分野でも感度の高さを感じさせますが、映像やファッションなどには以前から興味があったんですか?

フルカワミキ(以降、フルカワ):そうですね。絵を描くのも好きだったし、映像を見るのもすごく好きで、洋服も好きだし結構、色々と好きですね。音楽以外の人と会うこともすごく欲していたり、楽しいなと思うので。音楽以外から影響を受けて、音楽をやっているという節もあったりするので、創ること自体は好きですね。

■前作のファーストアルバム「Mirrors」から1年9ヶ月ほど空いていますが、ご自身としては割と思い通りのぺースで制作作業が進められている感じでしょうか?

フルカワ:いや、本当は自分の方から早く出したかったんです。1枚目以降は早いテンポで出したいというのもあって、制作期間をもうちょっとタイトで、簡潔なものができるバンドの手法に絞ってやっていったんですよ。ツアー以降の流れもあって、今5人のメンバーでやっているんですけど、メンバーとのコミュニケーション自体も良くなってきたので、その5人である程度完結できるものというか。もっとソロのフルカワミキとしての、私好みのノリだったり音の出方だったりを突き詰めたいというのも、都合良く兼ね合っていたんですけど。間が空いてしまったのは、色々な都合で(笑)。

■最初の「Coffee & SingingGirl!!!」のイメージが強かったせいか、あのエレクトロな雰囲気が、今作では先程言われていたようなライブでそのまま再現できるようなライブ感だったり、よりロックなサウンドに仕上がっていますよね。

フルカワ:そうですね。曲自体は結構アレンジ次第で打ち込みだったり、もっとエレクトロな要素を入れ込めるような作りにはしているんですけど。それを敢えて、できるだけ生音でできるものに絞ってやりたかったというのはありますね。

■その時々のライブによってアレンジを変えていったり。

フルカワ:うん。意外と1回1回違ったりするので(笑)。そういう所もあると思います。

■観る側にはそれが面白かったり、ライブの良さだったりすると思いますね。先程言われていたツアーを踏まえてバンドの手法を採用した他に、1作目の「Mirrors」を作り終えて、2作目はどのようなアルバムにしたいなど事前に考えていたことはありますか?

フルカワ:最初から大枠を決めるということは無かったですね。手法だけ絞って、録りためていくという感じで。1枚目で出来なかったこととして、もうちょっとバンドのグルーヴ感というか、現場の雰囲気も含めた上で音楽としてパッケージしたかったから、演奏もそうですけど歌自体も家でリラックスして歌っている感じだったり、そういう盤を作りたかったというのもあります。

■各曲のタイトルを見ていて気になったのですが、8曲目の「Oct.24」というのは何か特別な日なんですか?

フルカワ:これは最初アルバムに入れるつもりもなく、普段の音楽の記録として録っておいたもので。雷が家の中まで響く位とても強かった日に、「ちょっと雷と一緒に歌ってみよう」というノリで(笑)。マイク1本を用意して、雷の音とボーカルとギターの音が一緒に入るように記録しておいたものですね。

■特別に深い意味はなく、たまたまその日は雷がすごかったという。

フルカワ:そうですね、本当に記録だったから、ノートの隅の方に日にちを書くような感覚で。それをアルバムの真ん中辺りに、箸休めみたいに置いて、前半と後半に分かれるような感じにしたかったという。