■第9試合 ミドル級/5分3R
ネイト・クォーリー vs カリブ・スターンズ
○[3R終了/判定]×

脇を広げ、大幅のスタンスでフックを放つクォーリー。ケージ際を回るように、そのパンチをさけるスターンズ。リーチで上回るスターンズが、アウトボックスを繰り返す。が、ここは大陸の東西を分けてもブリティッシュ・コロンビアからやってきたカナダ人のスターンズにブーイングが浴びせられることはない。距離を詰められて、円を描くように左へ下がるスータンズにボディフックを見舞うクォーリー。距離を詰めて、首相撲から膝蹴りを突き上げる。前に出るクォーリーに対し、スターンズは距離を取り続けるのみ、前蹴りを放っても、逆に右ローからフックの連打を受けてしまう。そのままの展開で1Rが終了すると、さすがに観客席からブーイングが起こった。

2R、いきなり距離を詰めて打撃、さらにテイクダウンを狙ったスターンズだが、この試みが失敗すると、再び距離を取った組み立て方に戻ってしまう。対するクォーリーもローキック、距離を詰めながらのフックと同じような攻めで、スタンド膠着を打開できない。スターンズのミドルを掴んで、テイクダウンを狙ったクォーリーだが、すぐにスータンズが立ち上がり、二人の距離が近づくことはない。

最終ラウンドに入っても前に出ないスターンズ。判定で勝ち目がないのは本人も承知のことだろうが、勝利へ意欲が感じられない。ブーイングが響き渡るようになる館内だが、前に出てこないスターンズにクォーリーも困惑の表情を浮かべる。

ローキックから体がねじれ、フェンスに胸をぶつけたスターンズは、さらに後退を続ける。残り時間1分、腿上げ、腕を十字に組んで「来い、来い」とクォーリーが挑発しても、スターンズは最後まで前に出てこなかった。観客の大ブーイングを受け、30-24という目にしたことがないようなスコアを付けられ、当然のように判定負けを喫した。

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