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チベットの声に耳を塞ぐ“親中”福田政権の過剰な配慮【週刊・上杉隆】 


 どうやら、北京には「西」からの強烈な逆風が吹き始めているようだ。胡錦濤国家主席は、西蔵(チベット)のみならず、さらにその先の西洋からの非難の嵐に直面している。北京の街も、ひどい黄砂以上に、そうした風に翻弄されている。

 聖火リレーへの妨害行為が世界中に広がっている。3月10日、チベットで発生した暴動に端を発した中国政府への批判は、世界各地に飛び火し、北京オリンピックの開催をも揺るがしている。

 先頭を切って中国批判の狼煙を上げたのは英国のチャールズ皇太子だ。ダライ・ラマ14世と長く交友関係にあるチャールズ皇太子は、中国からの招待状に明確に「ノー」を突きつけたのだ。

 以降、米映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏、アイスランドの国民的歌姫ビョーク氏らが続き、かねてよりチベットの人権活動を行ってきた米俳優のリチャード・ギア氏やブラッド・ピット氏らもその流れに与した。

 さらに、世界各国の首脳らも次々と五輪開会式へのボイコットを表明している。とりわけ人権問題に鈍感だというレッテル貼りを何よりも恐れる欧州の政治家たちは、先を争うようにして中国批判を展開している。

 大統領予備選の真っ只中にある米国も例外ではない。クリントン、オバマ、マケインの3候補がそろって、ブッシュ米大統領の開会式への欠席を求めている。

 ところが、こうした動きの一方で、「東」からは、優しいそよ風が吹いているようだ。4月9日付の中国『人民日報』は次のように書いている。

〈日本の町村信孝官房長官は8日の記者会見で「北京五輪はスポーツの祭典であり、全世界の人々が北京五輪の成功を期待している。この意味から言って、暴力的活動を伴う抗議行動は断じて好ましいものではない」と述べた。

高村正彦外相も同日、別の会見で「暴力は良くない」「いかなる理由であれ、聖火リレーを暴力で阻止する行為には賛同できない」と述べた〉(『人民日報』電子版)

 5月に胡錦濤主席の訪日を控える福田政権の中国への気の遣いようは尋常ではない。


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