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桜散る中「存在/Existence」を考えるシンポジウム=東京・世田谷美術館

2008年04月15日09時48分 / 提供:PJ

pj
桜散る中「存在/Existence」を考えるシンポジウム=東京・世田谷美術館
"Existence" (制作/撮影:池野 徹) 写真一覧(4件)
いきなり「存在」についてと聞かれたら、あなたは何と応えるであろうか。余りにもブロードであるが故に、具体的に、抽象的に、現実的に、哲学的にと考えを廻(めぐ)らして、自分なりの考えで独善的に応えるしか無いだろう。そんな、シンポジウム「パーソナルストラクチャーズ/Personal Structures」における「存在/Existence」を考えるシンポジウムが、世界のアーティストが集まって、桜の花散る東京世田谷美術館で4月2日と3日の2日間、開かれた。このシンポジウムは、テーマを「Time-Space-Existence」と変えて、アムステルダム、ニューヨーク、桜の時期の東京で開いたのである。オノヨーコ展で知り合いのGALLERY「360°」の菅谷幸さんのご紹介である。

 桜は、日本において非公式の国花である。何世紀にも渡って祝われて来た日本の文化において、非常に重要な意味を持っている。雨、風、そして気温が開花の時期の過程に強い影響を受けるが、一番確率の高い桜の開花時期が4月の最初の週である。桜は見事に一斉に花開くが、その散り際も美しい。そこには、桜の花とともにある種の存在感がある。

 テーマである「存在/Existence」、厳密に言えば、哲学的センス(例を挙げると、ハイデガー(Heidegger)とサルトル(Sartre) によって引用された)、実在のあり方であり、もっぱら人間に適合をする。「存在すること」とは、 実存だけでなく、「自己設計」でもあり、可能性のため、自由意志のためにドアを開放する。私たちは、完全に組織された、絶え間ない圧力下の世界で生活をしている。遂行するための圧力、時間と画一性への圧力、同様に、報道機関の影響から起こる圧力。これらの状況を考えると、アートは、可能性を持ち得、効果を気にせず、存在に関係する主題をはっきりと述べることができ、自己意識の激しい瞬間を創作することを可能とする。その結果、それぞれ、己の存在は、個々特定の表現、様相を持ち、それは、芸術的主題であるため、視聴者の自己遭遇のための参考となり得る。

 1日目は、太田三郎、ピーター・ローダーマイヤー/Peter lodermeyer、サンナ・マランダ/Sanna Marander、遠藤利克、川俣正、小河朋司、岡部昌生さん等の講演があった。2日目のシンポジウムは、アーティストの桜井由子さんのイントロで始まった。自分自身の育った環境から、産出された、アーティストとしての自分の存在を、過去の絆との感動の出会いを語りながら、時に涙して語った。つづいて、オランダのアーティスト、ルネ・リートマイヤー/Rene Rietmeyerさんから、出席者に語りかけるように、会場の皆さんが今いる事で自分がここに存在する事をパントマイム風に語った。

 そして、ランチタイムに入り、美術館の庭に出て、大きな桜の木の下で緑色のシートの上で、初めての出会いのアーティストと寿司弁当を食べた。ちょうど桜吹雪が舞いその美しさに皆感動していた。タウンアートのアートディレクター渡辺真理さんに企画意図を聞き、キューレーターのサラ・プッショル/Sarah Puschelさんや、カライン・ドウ・ヨング/Karlijin De Jonghさんが、日本茶を入れてくれたのは感激だった。

 午後からは、コンセプチュアル・アートで世界的アーティストのジョセフ・コスース/Joseph Kosuthさんからの「存在」についての講演があった。コスースさんは、1960年代からのコンセプチュアルアートで、アート&ランゲージにおけるコトバの概念文字を使った作品を展開している。その他、「One_and_Three_Chairs」椅子と写真を使った作品がある。そもそもコンセプチュアルアートとは、作品を見たときにそのもの中に示される意味や内容こそが重要であるという考えに至ったアートの事である。

 最後に、日本のアーティスト、Heartbeat Drawing Sasakiの、佐々木誠さんが、会場のリートマイヤーさんに心音マイクを付けてそのラウドを聞きながら黒板にピンクのチョークで心音にシンクロして波形を手書きで黒板がいっぱいになるまでのパフォーマンスアートを100分近くかけて行った。それは、人間とアートの「存在」を意味してるものだった。このインスタレーションアートは、続けば、永遠となるものだったが、今盛りの桜、そして散りゆく桜との対照さを感じさせてエフェクティブであった。

 「存在/Existence」とは、人間にあるのか、人間の創造した作品にあるのか、はたまた、人間をプロデュースした自然の環境にあるのか、神のクリエイチュアに存するのか。フィロソフィカルに突き詰めると永遠の彼方にぶっ飛んでしまいそうだが、個人的人間として狭義に考えれば、自分自身に確信を持てる事だと思えた。やはり、「美しく咲き、美しく散る」のは日本人の根源にあると思うのだが。

「Winter has gone, Spring has come.....」

【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 池野 徹

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