【地域WiMAX:機器ベンダーに聞く】商用契約数世界No.1の実績を強みに――アルカテル・ルーセント
2008年04月14日23時38分 / 提供:RBB TODAY
BWA Sales and Marketing アカウントマネージャーの鈴木春菜氏 写真一覧(5件)
海外ですでに多くのWiMAX導入実績をもち、豊富な製品ラインアップをもつ同社は、いよいよ動き出した日本の地域WiMAXにおいて、どのような製品・サービスを投入してくるのか。同社の日本法人である日本アルカテル・ルーセントのBWA Sales and Marketing アカウントマネージャーの鈴木春菜氏、ワイヤレスグループ カスタマーソリューションズ技術本部 シニアシステムエンジニアの吉岡敦史氏、マーケティング・コミュニケーション部シニアマネージャーの内田篤志氏に話を聞いた。
――まず、海外での実績について教えてください。
鈴木氏:私たちは現在、70以上のモバイルWiMAXのトライアルとパイロット・ネットワークを、ヨーロッパ、アジア、北米、中南米、アフリカそして日本と、ほぼすべての地域で展開しています。商用契約については、3月18日(フランス時間)に発表したクロアチア初のWiMAXネットワークの契約で23件となり、契約数および契約見込み数で現在、全世界でトップです。
吉岡氏:現在は、PCMCIAカードとCPE(Customer Premises Equipment)を使ったノーマディック用途でのサービスが中心となっています。これは、発展途上国などにおいて、有線でカバーできない地域への無線技術として、WiMAXがコスト的に導入しやすいということがあるからです。しかし今年あたりから、ようやくUSBドングルやコンパクトフラッシュカード型の端末、内蔵型チップセットが登場し、モバイル用途も加速してくるのではないでしょうか。
――全世界でWiMAX商用契約トップとなっている理由は何だとお考えですか?
鈴木氏:いくつかの要因がありますが、1つに、ソリューションの準備状況が他社よりも進んでいることがあげられます。私たちは2.3GHz、2.5GHz、3.5GHzのいずれの周波数帯域にも対応した製品をもっていますし、ビームフォーミング、MIMO(Multiple Input Multiple Output)、ハンドオーバーといったモバイルWiMAXの機能をカバーできている点も、他社との優位性となっています。
内田氏:高速道路でのWiMAXサービスを想定している台湾の遠伝電信(FET)では、時速100kmまでのハンドオーバーが可能ということで弊社製品が採用されました。
吉岡氏:ほかにも、弊社のビームフォーミング技術によってサイト数を40%減らすことができた事例や、MIMOによってセルレンジを44%拡大できた事例もあり、事業者さんにとって費用対効果の高いソリューションをご提供できる状態にすでにあります。
――端末は提供されていませんね。
鈴木氏:そうですね。競合他社は自社端末をもっていますが、弊社はもっていません。その代わりに弊社では、多くの端末ベンダーさんとの相互接続環境を形成してWiMAXをブレイクさせる活動を進めています。この「オープンCPE」プログラムによって、私たちの製品ラインナップはもっとも多彩なものとなっています。
――日本ではどのような地域WiMAX戦略を展開されるのでしょうか?
鈴木氏:弊社の製品は商用化されていますし、複数の端末ベンダーさんの製品との相互接続に成功していますので、事業者さんはすぐにでもサービスをスタートしていただけます。弊社には、WiMAX基地局の最適配置を測定するアプリケーション「Radio Network Planning」などもありますので、こうした製品を効果的に利用し、TCO削減のためのコンサルティングサービスもご提供させていただけるという強みがあります。
内田氏:地域WiMAXということで、ネットワークの規模が小さくなることが予想されますので、「オープンCPE」プログラムによって、いろんな端末がいろんなネットワークとつながることは、モバイルWiMAXの必須条件になってくるのではと考えています。UQコミュニケーションズさんがモバイルWiMAX事業を全国展開されると思うので、そちらのWiMAXネットワークでも利用可能な端末への対応を、弊社でもさせていただきたいと思います。
また、免許申請はCATV事業者が中心になってくるものと思われますが、我々が各地の免許を取得した事業者さんを個々に回って直接お話させていただくのは時間的また物理的に難しいので、そうした事業者さんとすでにビジネスされているパートナーさんや販売代理店を通じてサービスを提供させていただける体制を、サポートも含めて現在検討しているところです。
―― 一昨年からアッカ・ネットワークスと共同でWiMAXの実証実験をされていましたね。
鈴木氏:2006年夏より、横須賀市のYRP(横須賀リサーチパーク)内に基地局を2台設置して実験を開始しました。その後、横浜市のみなとみらい地区において3サイト8基地局を設置し、ハンドオーバーやビームフォーミングなど、都市環境におけるWiMAXの特性を実験しました。また山間地域での実験として、新潟県魚沼市での実証実験も行いました。国内でこれほど本格的な実証実験を行ったのは弊社が初めてでしょう。
――日本の地域WiMAXに何を期待しますか? また、アルカテル・ルーセントは何を目指しますか?
内田氏:日本では2010年度までの目標に掲げているデジタルデバイド解消をどういう形でサポートしていくのか、その動向に注目しています。そのデジタルデバイド解消に、WiMAXは当然ながら大きく寄与していくと思います。
2006年12月のアルカテルとルーセント・テクノロジーの合併以降(日本法人は2007年4月)、無線、IP、光、NGNを統合したソリューションを全範囲でカバーし、あらゆるネットワークをエンド・ツー・エンドで提供できるようになりました。日本の地域WiMAXの“Always on”(いつでもつながっている)もまた、弊社でサポートしていければと思います。
鈴木氏:私がWiMAXに従事するようになって以来、日本の端末ベンダーさんを、WiMAXというオープンな標準規格で弊社とともに世界中で製品展開していただくことを推進してきました。今月、米国ラスベガスで開催された「CTIA WIRELESS 2008」(4月1日〜3日)でも、京セラさん、沖電気さんとの共同デモを出展しましたし、多種多様な端末ベンダーさんとのオープン・エコシステムによってWiMAXをブレイクさせ、日本の、そして世界のWiMAX市場を活性化させたいですね。
ただ、日本の地域WiMAXの免許取得を検討されている事業者さんに、WiMAXのことがまだまだ正しく伝わっていないという印象があります。技術的、サービス的、コスト的にもきちんとWiMAXを理解していただいて、リアリティのあるビジネスプランを立案していただけるよう、弊社がお手伝いさせていただきたいと思っています。
――ありがとうございました。
◆アルカテル・ルーセントのWiMAX製品(2008年4月現在)
WiMAX Forumの認定に関しては、当初から認定テストシステムの検証に協力しており、早い段階でWave2の認定を取得する予定という。
・Alcatel-Lucent 9710 Compact WiMAX Base Station
RF、ベースバンド一体型で818(高)×450(幅)×190(奥行き)mm、30kg(カバー付き)と、3Gと比較して小型化、軽量化されている。2×2MIMO、4×1ビームフォーミングに対応済み。
・Alcatel-Lucent 9715 Light2 WiMAX Base Station
RF、ベースバンド一体型で786(高)×330(幅)×207(幅)mm、15kg(カバー付き)。2×2MIMO対応で、2台のL2-WBSでビームフォーミングを実現。
・Alcatel-Lucent 9740 WiMAX Access Controller
汎用1UサーバとOMNIスイッチによるASN-GW。1台で最大200台の基地局を収容可能。オプションとしてHA機能を搭載可能。
・Alcatel-Lucent 9753 WiMAX Operation & Maintenance Center
トポロジー/システム管理、アラーム管理、QoS管理、パフォーマンス/トレース管理、ソフトウェア管理を一体化。無線設計ツールとインテグレーション可能。
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