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【独女通信】独女体験レポート 都心で“禅”の境地に浸る?!

【独女通信】独女体験レポート 都心で“禅”の境地に浸る?!
現代人が癒しを求め続ける中、坐禅スポットが登場したと言う。今年2月、有楽町にオープンした『スーハー東京』は、既に80名弱の個人会員登録があり、体験コースやビジター利用も後を絶たない人気ぶりなのだそうだ。坐禅と言えば、真っ先に思い浮かぶのは厳しい修行の風景。ブームに乗って都心で坐禅を組むなんて軽々し過ぎやしないだろうか?と疑問に思いつつ、百聞は一見にしかず! と言うわけで、人生初の坐禅を体験しに行ってみた。

無音状態に近い禅堂に足を踏み入れると、目の前には静かに佇むお坊さんの姿。こちらでは、禅宗の僧侶の方々が指導にあたられる。単純な私は、早くも非日常の香りにテンションが上がって行く。雑音から完全に解放される事自体が困難な世の中。私ほど単純ではない人も、この状況下では心地よい緊張感を覚えるのではないだろうか。

まずは作法の指導から。身体の動かし方一つを取っても意味があり、無駄のない美しい動作が基本。単に型にはめられるのとは訳が違うので、一連の動きを通して気持ちが落ち着いてくる。“作法”とは、本来そう言うものなのだろう。姿勢を正し、呼吸を整えれば、やがて心が整う「調心」の状態に。

波紋のように空気が揺れるのを感じさせる鐘の音を合図に坐禅が始まるのだが、呼吸を意識しなくなるのが結構難しい。禅堂に響き渡る自分の鼻息が妙に気になる。いけない、いけない、それではまだ何かにとらわれている証拠。そうこうするうちに静けさにも慣れ、時間の感覚が分からなくなった頃、終わりを知らせる鐘の音に呼び戻される。半開きにしていた眼を開け、今目覚めたような気分は爽快だ。

ここで行茶と呼ばれる休憩の時間。お茶をいただきながら、指導にあたられた山崎先生にいくつか質問をしてみた。
−宗教や宗派に関係なく、商業として坐禅を扱うことをどうお考えですか?
「確かに私たち僧侶にとっては修行の一環ですが、外国でも“禅”は注目されていて、例えばキリスト教を信仰する方でも坐禅を組まれる事はあります。このように宗派の違いや、修行か商業かと言う問題をも超越したものであると考えています。」

−坐禅を組むことで得られるものって何ですか?
「坐禅は何かを得るためにするものではありません。逆にご自身の中にあるものをそぎ落としていくものなのです。日常生活の中には、頭を悩ませる事も多いでしょう。一度そういったものを切り離して、生まれたままの姿に戻る時間を持つのです。」

−喝を入れられることってあるんですか?
「あれは眠気を感じたり、集中力が欠けてきたと感じた時、ご自身で合掌の合図を送られた方に行うものですので、いきなりバチンといったりはしないんですよ(笑)」

一つ一つの質問に、的確な答えを返してくれる穏やかな物腰。最近ここまで丁寧に向き合う対話の時間を持てていなかった事に気づかされる。あくまで付随的なものではあるが、こうしたお坊さんとのやり取りも、独女には大きな癒し効果をもたらしそうな気がする。

この後、二度目の坐禅を組んで全てが終了。坐禅に集中して無心になっている時の脳は、リラックス時の脳に酷似しているそうだ。東邦大学の有田秀穂教授による研究で、アルファ波やセロトニン神経との関係も解明されつつあるらしい。

大げさに構える必要もなく、意外と馴染みやすい禅の世界。個人的には、施設を出るとすぐに喧騒に飲み込まれてしまうのが少々もったいない気もするが、都会の真ん中にぽっかりと異空間への入り口が出来たようで、なかなか面白いのではないだろうか。(オフィスエムツー/矢島由紀子)

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