バブル崩壊以降、企業の福利厚生策は大きく転換。社員の個を重視し、より生産性に結びつく実効のある福利厚生へと転換してきた。さらに近年は健康・家族といった関心に応えるメニューも増えている。エンジニアにとっての福利厚生は何が最適かを500人のアンケートから考えてみた

バブル時代の福利厚生が懐かしい?
企業への忠誠心と働きがいを支えたのは、給与や地位よりも、案外、福利厚生の充実だったかもしれない。かつては自前の保養施設で大宴会というのが、福利厚生の象徴だった。さかのぼれば、バブル時代は就職戦線も今とはかなり違っていた。とりわけ新卒採用活動の騒々しさは今の比ではない。企業訪問での交通費支給は当たり前、夜は飲ませてもらったうえに、手みやげをもたされたという学生もいる。他社面接を阻止するための身柄拘束旅行なんてものもあった。

■「持たざる福利厚生」が広がる■
バブル崩壊以降、日本企業が向かったのは福利厚生の削減または「持たざる福利厚生」という考え方だった。社員寮や保養施設を自前で抱えるほどの余裕はなく、他の遊休施設と一緒に手放した企業も多い。現在は、「社員寮」とは名ばかりで、実質は民間アパートを会社が借り上げる、あるいは一部家賃を負担するというケースのほうが多いだろう。保養施設も健康保険組合などがかろうじて維持する施設を複数の企業が共同で利用するという仕組みのほうが一般的だと思われる。

■住宅手当は平均約2万3000円■
ざっくりとバブル崩壊以降の日本企業の福利厚生の流れをみてきた。その実態、とりわけエンジニアにとっての実態に触れるべく試みたのが、今回のアンケート調査だ。年齢は25〜44歳のソフトウェア系、ハードウェア系のエンジニアを対象にしている。有効サンプル数は500件だ。

今回の調査では福利厚生を、手当、休暇、残業代などより広い視点でとらえている。まず福利厚生を「手当」という給与的側面から知るために「会社で支給されている諸手当」を尋ねた。実施されている手当給付で最も多いのが住宅手当(42%)だった。しかし「手当はない」とする回答も35%に上る。住宅手当の支給額平均は 2万2849円だった。これは先に挙げた経団連の2005年度調査の1万3962円(全産業平均)を大きく上回る数字だ。

■休日が少なく残業が多ければ、せっかくの制度も形無し■
キャリア支援制度は、福利厚生というよりは人事政策の一環としての色彩が強いが、こうした制度が整っているかどうかは、給与以外のベネフィットとして働く側にとっては大きな関心を寄せるところである。

社内の教育研修カリキュラムや社外の技術セミナーへの参加などを通して、専門職を要請したり、社内資格として認定する仕組みも、キャリア支援制度の一つと考えられる。最近、システム・プロバイダなどIT業界では、ITスペシャリストなどの専門職については、業界標準に準拠した職種認定制度を設け、目標とする職種に向けた段階的な能力開発が可能になっていることを、採用時のPRポイントにしているところも増えてきた。
また広い目でみれば、社内公募制度や早期退職優遇制度、転職先開拓支援制度などもキャリア支援制度の一つということができる。直接の福利厚生ではないものの、従業員の能力開発に熱心な企業であるかどうかは、会社の“住み心地”の良さにかかわってくる重要なポイントだ。


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