撮影:野原誠治
 2006年12月に発表したシングル「心のリズム飛び散るバタフライ」が、2007年度のUSEN総合チャートで2位を記録したdoa。今月2日に発表した約1年ぶりとなるシングル「ガラスのハイウェイ」は、4月1日付のオリコン・デイリーランキングで初登場7位を記録した。ヴォーカリストであると共に、レーシングドライバーとしての顔を持つ吉本大樹は、アジア地域からF1に通じるカテゴリーとして注目を集める「GP2アジアシリーズ」に参戦し、開幕ラウンドでダブル入賞を記録。数多くのヒット曲を生み出し続けている作・編曲家であり、ベーシストとしても活躍する徳永暁人(Vo&Ba)と、スタジオミュージシャンとして多くの活動を行い、驚異的なハイトーンヴォイスを持つ大田紳一郎(Vo&Gt)の二人に話を聞いた。

■2006年の12月に発表したシングル「心のリズム飛び散るバタフライ」が、昨年度のUSEN年間総合チャート2位となりましたが、実感は?

徳永:全く無いです(笑)。でも、ありがたいことですよね。リクエストして頂いたからそうなったっていうことで。「今、音楽業界はこうだ!」とか言われたりするじゃないですか。でも、僕らはただ好きでやって、ずっと続けていると、本当に伝わる時は伝わるんだなぁとか、「音楽って捨てたもんじゃないじゃん!」みたいなことは感じますね。

■昨年9月にアルバム「3」を挟みつつも、シングルとしては約1年ぶりということで、この1年はどのような活動を?

徳永:前のシングルを作ってから、すぐにアルバムを作っていて。アルバムが出て、その後はライブやったり、インストアで全国を回ったりして。それで去年の暮れにはこの曲ができていたので。結果として1年ぶりのシングルになったんですけど、そんなに間を空けていた気は無くて、ずっと何かをやっていた感じですね。

大田:去年は、インストアライブとかそういうイベントを25本やっていたんですよ。

徳永:アコギ1本を背負って歌いに行く、みたいな。

■それは3人で?

徳永:吉本くんがシーズン中は2人で行ったり、3人で行けない時もありましたね。ただ、もうバンドはナシですね。とにかくアコースティックでやる、というのが結構スタイルになっていて。

■3人それぞれがリード・ヴォーカルを担当できるのがdoaの強みですよね。

徳永:3人ヴォーカルで始めた面白みですよね。やっぱりイーグルスみたいなものを最初にイメージして作ったバンドなので。例えばドン・ヘンリーがソロで出てきて「Hotel California」を歌っても。、レン・フライが一人で出てきて歌っても別にカッコイイじゃん、みたいな、そういうバンドになれたら本当にいいですよね。ビートルズもそうじゃないですか、みんな歌って、ポールが歌ってもジョンが歌っても、でもみんな4人が揃うと「うわぁ!すげぇ」みたいな。それが夢ですね。

■今作の「ガラスのハイウェイ」の歌詞は、年齢や社会経験をある程度積み重ねた方だと、誰もが共感してしまう内容だと思いますが、歌詞のテーマはいつ頃から考えられていたのですか?

徳永:これはもうメロディーを考えた段階から、働く男の歌にしたかったんですよ、女の人でもいいんですけど。僕の同世代の30代の働いている友達とかに会って話したりすると、自分も同じですけど、本当に危なっかしい毎日をね(笑)、でも一生懸命に頑張っているんですよ。ちょっとずつ頑張っている姿があったり、それはガラスで出来ているような日々で。ただ、今はハイウェイのように急がされて、時間や人や色々な時代に流されざるをえないんだけど、やんなきゃいけないみたいなね。そういうテーマが最初にちょっと頭に浮かんで、それで作った曲ですね。

■そういう風に感じ始めていたのは前々からですか?

徳永:やっぱり前からよく思ってることなんですよ。例えば、昨日のヒーローが今日の悪役みたいなニュースとかね、本当に世の中の色々な展開が、インターネットとかが普及し始めてからものすごく早いし、それに一生懸命ついていって。携帯の機種を変えるのだってメチャメチャ早くなって(笑)、「もうそんな変えなくたって、変わらないよ!」みたいなこととかがあっても。そういう周りから急かされていると、自分が色々なハイウェイにポンッと乗っかっちゃって行っているような気がしてね。それは良い悪いじゃないんだけど、仕事の面も「オレはもうちょっとこの仕事をじっくりやりたいんだよ!」とか思っても、当然時間なり何なりの制約があったり。ただ、それは失敗できない、「ガラスが割れちゃったらもうダメだから」っていうのとか、すごく大事にして。僕の周りの友達とかが特にそういう生き方をしているので、「歌にしてみたいな」って思っていましたね。