今週のお役立ち情報
【眼光紙背】木曜日にディスコ満員の北京:やはりバブルなのか
保田隆明の眼光紙背:第23回
現在仕事で訪問中の中国の北京で、最近若者の間で人気だというMIXというディスコを案内してもらった。彼らはディスコを呼ぶが、日本で言うところのクラブである。訪問したのは木曜日。金曜日、土曜日という週末のみならず、水曜日、木曜日でも結構込んでいるという事前案内があったが、まさかまさかの超満員。夜中を過ぎても人の減る気配はなく、むしろどんどん増えていく。ディスコは結構な大きさで、東京で六本木や西麻布に存在する大きめのクラブと同じぐらい、あるいはそれらの1.5倍ぐらいの広さである。その場所が木曜日の夜中を過ぎても人であふれかえっているのである。日本のメジャーなクラブですら、週末でさえあれほどの賑わいを獲得するのは最近は容易ではないと思うぐらいに盛り上がっていた。入場料は男性が30元(約450円)、女性は無料。エントリーフィーは低いことがにぎわいの一つの要因ではあると思うが、ドリンクはメニューを見せてもらったところ1杯1,200円程度。二杯も飲めば3,000円程度となり、日本のクラブと変わらない値段になる。奥のスペースにあったVIPシートも満員であった。
かつてバブル時代の日本では、花の金曜日の「花金」ならぬ「花木」という言葉も登場した。木曜日から威勢よく社会人が遊んでいたのである。一方、ジュリアナでは月曜日から人が大勢入っていたとのこと。私はその時代をリアルで体験していないので、聞いた話との比較でしかないが、今回北京で観察した木曜日の超満員ディスコは、一つ上の世代から聞いた日本のバブル時代の夜の過ごし方そのものかと思える。
さて、このディスコで遊ぶ北京の若者であるが、いったいどういう存在なのであろうか?外資系金融機関などに勤務するニューリッチ層であれば、「花木現象」は理解できるのであるが、ディスコに集っていた若者はスーツを着ている人は一人もおらず、ファッションから判断しても、企業でバリバリ働いているという感じではなく、「ちょっとオシャレな普通の若者」という言葉が似合う群衆であった。見た印象では平均年齢は20代前半ぐらい。ジャケットを着た30代半ばの私は明らかに浮いていた。普通の若者が木曜日の夜中までディスコで大盛り上がりをしている現状をどう理解すればよいのだろうか。
中国経済がバブルかバブルでないか諸説存在する。どの経済レポートでも様々なデータで理論の裏付けを行っているが、今回見たディスコでの若者の旺盛な遊び欲は、今まで見てきたどんなデータよりも現在の北京の消費力の状況を表しているのではないかと思った。これをバブルと呼ばずして何と呼ぶ、そう思わざるには得ない一夜であった。
プロフィール:
保田隆明(ほうだ・たかあき)…1974年生まれ。投資銀行などの勤務を経て、ワクワク経済研究所代表。金融、ビジネストレンドについて、書籍・テレビ・ラジオ・ブログを通じてわかりやすく解説している。公式サイト:http://wkwk.tv/
近著:「デキる人は皆やっている 一流のキャリアメイク術」、「投資銀行時代、ニッポン企業の何が変わったのか?」
眼光紙背[がんこうしはい]とは:
「眼光紙背に徹する」で、行間にひそむ深い意味までよく理解すること。
本コラムは、livedoor ニュースが選んだ気鋭の寄稿者が、ユーザが生活や仕事の中で直面する様々な課題に対し、「気付き」となるような情報を提供し、世の中に溢れるニュースの行間を読んで行くシリーズ。バックナンバー一覧
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