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北京オリンピック特集

【サムライ通信】中田浩二、欧州でしか味わえない経験

■肋骨の骨折から復帰

 3月22日スイスリーグ第27節、中田浩二の所属するバーゼルは、7位のルツェルンをホームに迎えた。ウィンターブレイク明けの2月3日の試合で、肋骨を骨折した中田。折れた骨が肺を圧迫し、一時は肺が元に戻らず、入院するという重症を負った。3月19日の試合で復帰し、この日も4バックの左サイドバックで先発2試合目となった。

 「約一カ月以上戦列から離れて上に、90分試合を戦って、中2日での試合だったので、僕自身コンディション的には良い状態ではなかった。チームも19日の試合がグラスホッパーという厳しい相手とタフな試合を戦ったあとだったので疲労感があった」

 またピッチの状態も悪く、パスの精度は低下。さらに軽率なミスが続き、シュートで終わるシーンもわずかのみ。首位を快走するバーゼルは、格下のルツェルンの攻勢に苦しめられた。

 「相手は中3日間で今日の試合を迎えていたし、勢いもあった。バーゼルは故障者などで主力を欠いた状態。前線でタメを作れず、ボールをキープできなくて」と中田はチームの現状を分析した。

 それでも前半の終了間際に、イバンの個人技から、相手がペナルティエリア内でファールを犯し、PKをマイストロビッチが決めて、1−0でリードして試合を折り返す。

 しかし後半52分、相手選手と接触した際、痛めていた肋骨を蹴られた中田が、ピッチに倒れ込む。

 「骨折していたのと同じ場所だったから、ヤバイと思った。でも息ができたので、ホッとした。前は息もできなかったからね。痛みはあったけど、息ができたから試合を続けた」

 痛みも影響したのか、その後1対1でも積極的に行けず、ミスパスで観客からブーイングされることもあったが、90分間を戦いきった。

 80分以降は、ルツェルンに押し込まれたバーゼルだったが、なんとか無失点で試合を終え、1−0で勝利を飾った。しかし、2万人あまりの観客の大半が、試合に内容には納得できなかったのか、試合終了の笛と同時にスタジアムにはブーイングが起きていた。

 中田が移籍した06−07シーズン、バーゼルは勝ち点差4で27節を終えながらも、最終節2位との直接対決ロスタイムの失点で敗れて、得失点差で優勝を逃した。翌07−08シーズンは、27節終了時勝ち点差6で首位を追う2位だったが、29節直接対決で首位を叩いたものの、勝ち点1差で、2連連続2位となった。今季は開幕から首位を走り、27節終了時点で、2位ヤングボーイズと勝ち点差3の1位に立っている。

 「スイスリーグは10チームが4回対戦する。次の28節からまた9チームとすべて対戦することになる。5月10日(もしくは9日)の最終節まで残り9試合、もうひとつも落とせないという気持ちは強い。確かにチームに疲労感はあるけれど、そういう難しい状況のなかで、今日みたいに攻められた試合を無失点で勝ちきれたことが大きい。この時期は内容よりも結果。ここのところ無失点試合がなかったから、今日の試合をいいきっかけにできればいいと思う。4月6日にスイスカップの決勝もある。昨シーズンに続き、スイスカップを獲って、勢いがつけば嬉しい。けが人も戻ってくるだろうし、チームの状態もよくなってくるはず」

 2シーズン連続で逃したリーグタイトル。今シーズンでバーゼルとの契約が満了する中田にとって、リーグタイトル獲得はひとつの区切りとなる大きな目標だ。
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