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【気になるトレンド用語】テレビでは論じられないB-CASタブーってなに

2008年03月27日10時00分 / 提供:ITライフハック

ITライフハック
地上アナログ放送の終了まで後3年と迫ってきました。地上デジタル放送に対応したテレビやレコーダーに買い換えようと思っている人も少なくないでしょう。ところで、これらの地上デジタル放送の対応機器にはB-CASカードというものが必要です。なぜこのようなカードが必要なのか、カードが無ければどうなるのか気になるところですね。

■B-CASカードとは
B-CASは、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社(B-CAS社)の略称です。また、この会社が提供する限定受信方式のことを指す場合もあります(B-CAS方式)。
B-CASカードは、デジタル放送受信機に同梱されているICカードで、台紙から開封すると同時にB-CAS社との契約関係が発生します。BS・110度CS・地上デジタル共用受信機には赤色のB-CASカードが、地上デジタル専用受信機には青色のB-CASカードが同梱されています。
このカードは、デジタル放送の有料放送、自動表示メッセージ、番組の著作権保護、データ放送の双方向サービスなどで利用されます。

・有料放送:契約期間や視聴可能な番組の種類などの電気的な情報がB-CASカードに書き込まれます。
・自動表示メッセージ:ユーザー登録を行わない状態でBSデジタル放送を視聴した場合、一定期間経過後に「ユーザー登録のお知らせ」が表示されます。なお、地上デジタル放送では表示されることはありません。
・番組の著作権保護:地上デジタル放送では、NHKや無料の民間放送であってもデータが暗号化されており視聴するためにはB-CASカードを使用して暗号を解除しなければなりません。つまり、B-CASカードが無ければ地上デジタル放送を視聴することはできないのです。
・データ放送の双方向サービス:データ放送の双方向サービスに加入しても、B-CASカードには双方向サービス関係の情報は一切書き込まれませんが、データ放送局では加入者の管理のためにB-CASカード番号を利用する場合もあります。

B-CASカードの所有権はB-CAS社にあり、視聴者はカードを同社から借りる形となります。

■B-CAS社とDRM
B-CAS社は、2000年2月22日に設立されたBSデジタル放送用の限定受信システムを運用管理維持する目的を持った会社です。主な出資元はNHKなどのデジタルテレビ事業者、東芝、松下電器産業、日立製作所、NTT東日本等です。
2004年にBSデジタル放送、地上デジタル放送、110度CSデジタル放送のデジタル著作権管理(DRM)の一部として採用されました。B-CASでのDRMはコピー制限がもうけられています。

B-CASカードによる視聴の可否および利用者の個人情報を一元管理する日本で唯一の会社がB-CAS社となります。そのため、その独占的な立場が問題視されています。独占禁止法や個人情報保護、放送視聴の自由を侵害するという意見もあります。

ちなみに、B-CAS社の所在地や連絡先は、B-CASカスタマーセンター以外は公表されていません。この点も事業を独占する会社として視聴者から疑心暗鬼の目で見られる原因でもあります。

■得をするのは誰か
まずNHKが挙げられます。受信料を徴収するために必要な利用者の個人情報はB-CAS社が持っていますから、大株主であるNHKが開示を要求しないとは限りません。また、視聴していることをNHKに連絡しなければ自動表示メッセージが表示され、正常な状態での視聴ができなくなります。

ほかの民放各局は番組の著作権を保護するという利点がありますが、地上デジタル放送へ移行する利用者が少ないためにテレビコマーシャルの広告効果が低くなりスポンサーが撤退するというデメリットも出ています。広告料を主な収入源としている民放にとって現状はあまり好ましいとはいえないでしょう。アナログ放送の終了時期が決まっている限り、デジタル放送への移行をはかることで視聴者を増やすしか生き残る手段はないのです。

B-CAS方式で使用するデジタル放送受信機は、全てB-CAS社の審査を受けて合格する必要があります。このためにかかるコストの負担や同梱するB-CASカードの購入にも費用がかかりますが、それでもデジタル放送受信機メーカーにはメリットがあるのです。無料放送まで暗号化してコピー制限属性を付加しているのは日本だけとなっており、海外メーカーはリスクを払ってまでB-CAS方式に参入してこないといった非関税障壁ともなっているのです。

このように放送業界、受信機メーカーの思惑や権利が絡んでいるため、様々な批判がありながらもB-CASについて議論されることが少ないという現状が生まれています。

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