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「戦う」のか。「逃げる」のか。ジャーナリストの覚悟。

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「戦う」のか。「逃げる」のか。ジャーナリストの覚悟。
"It Judges the artery and the vein" (制作:池野 徹)
【PJ 2008年03月23日】− いまは「曖昧(あいまい)の時代」なのか。過去と比べれば明らかに違うのは「情報の時代」になり、好むと好まざるかかわらず、情報の中に埋められている。その結果、人は自己を失い、判断ができず、見かけの民主主義を唱(とな)え、崩れかけた常識にしがみついて、聖人ぶって、すり減った正義を振り回している。恐ろしいのは、頭の混乱したヤツが、権力と金力の行き着く所、人を踏み越えて殺傷に走る戦争時へとなだれ込んで行く事だ。

 だからこそ、権力の踏み外しをウオッチングする、情報を正確に理解する、メディアが全知全能のパワーを備えて、一般庶民を正しい方向へ示唆して行かなくてはならない。メディアと言われるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、そしてネットは、そのための情報システムの役目を果たしているだろうか。メディアに携わっている、構成しているジャーナリストは、その伝え手として重要な役目を持って来るのである。

 ジャーナリストは一般民衆の正義を地獄でも天国でもない、人の暮らしやすい、人間らしい世界へポジショニングしてくれる風潮を養う事ができるのだ。

 しかるに、今の大手メディアの「ジャーナリスト」は、その天職の意義と使命を置き忘れているのではないだろうか。メジャーのテレビや新聞の仕事をしている「ジャーナリスト」が、腐って来ている。それは、ジャーナリストであるより以前に、サラリーマン化して、お役人化して、組織の言うなりになっている。ジャーナリストをカネ儲(もう)けの職業としている。そこには、ジャーナリスト・スピリットは、分かっていても影を潜める事態になっている。

 「安倍元首相秘書らのテレビ朝日の番組における朝日新聞とその記者への名誉棄損事件」は、日本国の首相と大新聞社の記者という特異な裁判であったにもかかわらず、裁判官と弁護士により「和解」と言う結果で幕引きされた。「ジャーナリスト」側が「言論の自由への侵犯」を許さじと標榜(ひょうぼう)していた注目の裁判にもかかわらず、消滅してしまった。

 取り巻きの評論家も、自己矛盾を曝(さら)け出しただけで、権力者に弄(もてあそ)ばれた大新聞の「ジャーナリスト」で終わってしまったのは、「言論弾圧が権力者の遊び道具」にされるリスクが、今後起こりえる事を示唆している。追訴して権力者の遊びを制しなくてはならんかったし、できるチャンスでもあったのにだ。

 いやしくも、人前で言葉を並べ、声を高めて正義を説くなら、己の発する聴視覚が人に与える影響に、確信と責任を持たねばならない。それは、確固たる自負の正義で貫かれていなければ説得力を持たないであろう。いざ権力に対応したときに敢然とリスクを冒しても、前に進んで行かねばならない運命線上にあるのだ。

 時の独裁者が、人民を嬲(なぶ)る時に、ジャーナリストの武器である、「コトバとペン」「シャベリとプレゼンテーション」「テキストとキイボード」で立ち向かうのが仕事である。自由と生命を奪う暴挙に、リスクを冒したジャーナリストは過去にも何人もいた。その精神を受け継ぎ進まなくてはならない。

 人は「カネとヨク」に眼のくらみやすい動物だから、F-1の選手並みのブレーキングとアクセルの使い方を、ジャーナリストは持たねばならない。命のリスクを「覚悟」していてこそだ。

♪カッコいい、ニンゲンだから。カッコわるい、ニンゲンだから。♪

【了】

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パブリック・ジャーナリスト 池野 徹【 千葉県 】
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