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生命を懸けるフリージャーナリストたちが、大手メディアを語る。(上)

2008年03月21日05時51分 / 提供:PJ

pj
生命を懸けるフリージャーナリストたちが、大手メディアを語る。(上)
山本宗補さんはビルマ取材で、アウン・サン・スーチーさんと4度目のインタビュー後、ビルマ秘密警察に身柄を拘束され、国外退去処分になった。日本プレスセンターホールで。(撮影:穂高健一、3月14日) 写真一覧(2件)
夫馬基彦(ふま・もとひこ、作家)さんが司会・進行役として、3人のパネリストを紹介した。江川紹子(フリージャーナリスト)さん、山本宗補(フォトジャーナリスト)さん、綿井健陽(ビデオジャーナリスト)さんの3人だった。TVでおなじみの顔だ。

 『(ビルマ報道とジャーナリストの目)のテーマで、ジャーナリストを探していましたら、3人ともフリーの方になりました。大手メディアの方は(現地取材に)あまりかかわっていない。それを含めた、微妙な問題があるかと思います』と前段で話した。

 日本ペンクラブ主催による、Wip(ライターズ・イン・プリズン)の日、3月14日、日本プレスセンターホール(東京・千代田区、定員200人)で、『なぜ、この国を伝えたいのか』(ビルマ報道とジャーナリストの目)という、シンポジウムが開催された。第二部では、タイトル「ジャーナリストの志」という、パネルディスカッションだった。

 夫馬基彦さん(同クラブWip・人権委員会副委員長)が、まず紹介したのは、ビルマに精通する山本宗補(フォトジャーナリスト、1953年・長野県生まれ)だった。山本さんはビルマに数回出掛け、その都度、アウン・サン・スーチーさんと会っている。4度目の彼女とのインタビューがおこなわれた直後、山本さんはビルマの秘密警察に身柄を拘束された。そして、国外退去処分になったのだ。 その後も、フィリピン、ビルマの少数民族と民主化闘争の取材を精力的におこなっている。

 山本さんは、長井健司さん(映像ジャーナリスト)がビルマで射殺された日を語る。当夜は池袋にいた山本さんに、『殺害されたのは、山本さんではないか』と、新聞社や通信社からケイタイ電話が数多く入ってきたという。翌日、自宅で朝日新聞をみた。銃弾に倒れた長井さんの写真はカットされていた。他社の朝刊には、射殺された写真が大きく載る。

 この射殺写真をみたとき、「これはビルマ人のカメラマンが撮った写真じゃない、外国人だと、私の経験からわかりました。あれだけの瞬間をストップさせ、アングル的にも市民の逃げ惑う表情をしっかり撮っている。ビルマ人には公然と、デモを撮影できる、取材の自由がないからです」と話す。

 「長井さんの1枚の射殺写真から、日本のTVや新聞はビルマ軍事政権が突然、牙をむいたかのように反応を示しました。あの軍事政権は20年前に、民主化運動をつぶすために、各地で3000人余りの市民を無差別に殺害した。こうしたビルマ軍事政権を、先進国のなかで、真っ先に承認したのが日本政府だった。そうした根本的な報道がほとんどありませんでした」と指摘した。

 ビルマ軍事政権はここ20年間、少数民族に対してエスニック・クレンジング(静かな民族浄化作戦)をやってきた。軍事政権は、停戦しない少数民族にたいして、激しい攻撃をやってきたのだと、山本さんは語る。タイ領内に逃げだしている難民は15万人あまり。日本政府はこの難民に対して、一度も人道援助をやったことがない。そこが問題だとする。

 日本政府は過去からビルマ軍事政権と、どんなかかわりを持ってきたのか。
「長井さんが射殺されたとき、日本政府は一時的には、『とんでもない軍事政権だな』と思ったのはまちがいない」。いまの日本政府は長井さん射殺事件の「怒り」を忘れている。

 「ビルマ軍事政権には、思想信条や報道の自由がない。民衆に対して弾圧、抑圧する政権なのだ。日本政府は、そんな軍事政権とフレンドリーな外交を取りつづけている」と山本さんは批判した。他方で、日本の大手メディアは、こういう本質的な問題を報道していないと語る。【了】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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