「NOD32」と「ESET Smart Security」比較使用体験記 (2) NOD32とESET、ESETとノートンを比較
2008年03月19日17時30分 / 提供:ネットセキュリティ
軽快さを売りにしていたアンチウイルスソフトが、総合セキュリティソフト化されることで、スパイウェアやスパム対策などの追加機能でがんじがらめになって、激重ソフトに変貌し、ユーザーを落胆させることは多い。
「NOD32アンチウイルス(以下、NOD32)」といえば軽快さに定評のある最右翼ともいえるアンチウイルスソフトだが、「NOD32」の総合化された後継ソフトである「ESET Smart Security」は果たしてどうなのか?
先々週までのインタビューでは「ESET Smart Security は NOD32 の軽快さを受け継いでいる」と、販売元企業が激しく主張していたが、果たしてその言葉、鵜呑みにできるのか。その真相を探るべく「NOD32」と「ESET Smart Security」そして、より一般的な基準をはかるため業界標準とされている「Norton Internet Security 2008」との比較使用検証を実施した。(編集部)
---
●ESET Smart Security スキャン所要時間比較
同ESET製のアンチウイルスソフト「NOD32(Ver2.7)」と、シマンテック社の総合セキュリティ対策ソフト「Norton Internet Security 2008(試用版)」を、「ESET Smart Security」と比較する。HDDスキャンとメール受信時のリアルタイムスキャンを実施した。
検証の方法は、普段私が使っているパソコンのディスクイメージをバックアップしておき、各ソフトの検証を実施するたびにディスクイメージから元の状態に戻して次のソフトを検証するという方法を採った。各ソフトの設定はほぼインストールしたままの標準設定のままにしている。
測定はHDDスキャンは2度実施した平均値を取り、メール受信時のリアルタイムスキャンは3度実施した平均値を取っている。なお、時間は手元の時計で測定しているので、1秒程度の誤差があるかもしれない。
検証に使用したパソコンのスペック概要は以下の通りである。
◇OS:Windows XP Professional SP2
◇CPU:Intel Core2 Duo E6300 1.86GHz
◇メモリ:2.0GB
◇ハードディスク:SEAGATE ST3320620AS (320G SATA300 7200)
◇メールクライアント:Becky! Internet Mail 2.45.01
●NOD32とESET Smart Security
【HDDスキャンの所要時間比較】
Cドライブ(39GB中約14GB使用)のディスクスキャンを実施したところ、次のような結果となった。
◇NOD32:46分26秒
◇ESET Smart Security :40分32秒
【メール受信時のリアルタイムスキャン】
30MBのファイルを添付したメールの受信開始から終了までの時間を測定したところ、次のような結果となった。
◇NOD32:50秒
◇ESET Smart Security :1分21秒
ディスクスキャンを実施したところ、NOD32の46分26秒に比べて、ESET Smart Security の方が6分ほど早いという結果になった。ESET Smart Security のエンジンは、NOD32に搭載されているものを元に改良されている。それが速度向上に貢献しているようだ。
一方、メール受信時のリアルタイムスキャンは NOD32 の50秒に比べ、1分21秒と31秒も遅くなっている。これは推測であるが、ESET Smart Security にはパーソナルファイアウォール機能が搭載されているので、その動作が若干の速度低下を招いているのではないだろうかと推測する。
今回の検証の比較対象ではないが、体感的な挙動の軽さとしては NOD32 もESET Smart Security のどちらも同じぐらい軽いと感じた。アンチウイルスソフトと同様の軽さと感じるということは、総合セキュリティ対策ソフトとしてはかなり動作が軽快な部類に入るのではないだろうか。
●Norton Internet Security 2008(試用版)とESET Smart Security
【HDDスキャンの所要時間比較】
Cドライブ(使用量20GB)のディスクスキャンを実施したところ、次のような結果となった。
◇Norton Internet Security 2008 :62分34秒
◇ESET Smart Security :40分32秒
【メール受信時のリアルタイムスキャン】
30MBのファイルを添付したメールの受信開始から終了までの時間を測定したところ、次のような結果となった。
◇Norton Internet Security 2008 :1分32秒
◇ESET Smart Security :1分21秒
ディスクスキャンを実施したところ、Norton Internet Security 2008 (以下、NIS2008) の62分34秒に比べ、ESET Smart Security の方が22分ほど早いという結果になった。また、メール受信時のリアルタイムスキャンについても、NIS2008の1分32秒に比べ、ESET Smart Security の方が1分21秒と11秒早い。NOD32のエンジンを引き継いだ高い速度性能が現れているのが見て取れる。
それよりも気になったのが、インストール後のOSの起動速度や、他のアプリケーション操作時の動作速度の低下などの影響である。ESET Smart Securityの場合、NIS2008に比べて明らかに動作が軽快であった。
●私が気になった、NOD32からの変更点
私は業務でネットワークやサーバーの脆弱性診断を行うことがある。この診断を行う場合、さまざまなパケットデータを送受信するため、アンチウイルスソフトなどが異常として検知してしまい、診断の邪魔になってしまうことがある。このときばかりは、アンチウイルスソフトを終了させたいのだが、通常のアンチウイルスソフトは簡単に終了させることはできないようになっている。
ところが、NOD32は「閉じる」ボタンをクリックし、「確認」さえすれば簡単に終了できるようになっている。もちろん、簡単に閉じることができないように設定することもできるが、終了できることは個人的にメリットだった。しかし、残念ながら ESET Smart Security ではこの機能が見当たらない。
ただ、一般的な利用者はアンチウイルスソフトを終了させる必要などないので、ESET Smart Securityでは簡単に終了できなくなったのは良い点であるはずだ。
また、NOD32に比べてすべてのインタフェースが優しくなっている。NOD32は技術者向けという印象だったが、ESET Smart Security にはそれはなく、一般的なユーザーが誰でも使えるように仕上がっている。日本向けにローカライズする際に、わかりやすい日本語を選択するよう意識して努めているのではないだろうか。( ESET はスロバキアの会社)
●まとめ
私は2005年からNOD32のユーザーである。使い始めたきっかけは、2005年5月に起きた価格.comのWebサイトの改ざん事件についての記事を読んだときだった。
価格.comでは、Webサイトが改ざんされ、閲覧したユーザーがウイルスに感染してしまうという状況になっていたが、NOD32ユーザーだけは検知することができたという。これはNOD32が備えるヒューリスティックス機能によるもので、未知のコードを解析し、不審な挙動を検出することで未知のウイルスを検出することができるというものだ。この記事からNOD32に興味を持った私は、好奇心からとりあえず使ってみようといったところだった。
NOD32を使ってみての、最初の感想は「動作が軽い」。OSの起動が早い、ウイルス検査が早い、メール受信の際のウイルス検査も速い。ソフトウェアの体感的な動作速度を「重い」や「軽い」で表すことがあるが、明らかに他のセキュリティ対策ソフトに比べて動作が軽い。まるでアンチウイルスソフトをインストールしていないかのようだ。実際、導入当時は、ウイルス検出機能が本当に「有効」になっているのか確かめたものだ。
それまでは、他社製のアンチウイルスソフトや総合セキュリティソフトなどを利用していた。更新期限が来るたびに、いろいろな製品に浮気していたが、NOD32を使い始めてからはほぼ全ての環境をNOD32に統一した。会社(10数人規模)のネットワークを整備したときも、社内で使うアンチウイルスソフトもすべてNOD32を使うようにした。その決め手は動作の軽さだった。冒頭の価格.comのような事例はまだ体験していないが、今のところウイルス検出機能についての不満は一切ない。
今回、ESET Smart Security を検証のため導入してみて、その軽さが損なわれていないことに感心した。他の総合セキュリティ対策ソフトを導入した場合、大半のものが明らかに挙動が重くなるのにそれがまったくない。同社のアンチウイルスソフトNOD32と比べても、検証したスキャン速度はもちろん、OSの起動速度なども含めた挙動の軽さは遜色がない。
今後、アンチウイルスソフトの他に、パーソナルファイアウォールなどのセキュリティ対策を必要とする環境には、ESET Smart Security の導入を筆頭候補に据えたいと考えている。
【執筆:株式会社トライコーダ 上野 宣 ( http://www.tricorder.jp/ )】
【関連記事】
進化を続けるセキュリティソフト 第1回 NOD32の軽い動作を受け継ぐESET Smart Security
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11082.html
進化を続けるセキュリティソフト 第2回 NOD32の高検知率を受け継ぐESET Smart Security
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11134.html
「NOD32」と「ESET Smart Security」比較使用体験記 (1) 導入と運用
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11171.html
【関連リンク】
キヤノンシステムソリューションズ株式会社
http://canon-sol.jp/
「NOD32アンチウイルス(以下、NOD32)」といえば軽快さに定評のある最右翼ともいえるアンチウイルスソフトだが、「NOD32」の総合化された後継ソフトである「ESET Smart Security」は果たしてどうなのか?
先々週までのインタビューでは「ESET Smart Security は NOD32 の軽快さを受け継いでいる」と、販売元企業が激しく主張していたが、果たしてその言葉、鵜呑みにできるのか。その真相を探るべく「NOD32」と「ESET Smart Security」そして、より一般的な基準をはかるため業界標準とされている「Norton Internet Security 2008」との比較使用検証を実施した。(編集部)
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●ESET Smart Security スキャン所要時間比較
同ESET製のアンチウイルスソフト「NOD32(Ver2.7)」と、シマンテック社の総合セキュリティ対策ソフト「Norton Internet Security 2008(試用版)」を、「ESET Smart Security」と比較する。HDDスキャンとメール受信時のリアルタイムスキャンを実施した。
検証の方法は、普段私が使っているパソコンのディスクイメージをバックアップしておき、各ソフトの検証を実施するたびにディスクイメージから元の状態に戻して次のソフトを検証するという方法を採った。各ソフトの設定はほぼインストールしたままの標準設定のままにしている。
測定はHDDスキャンは2度実施した平均値を取り、メール受信時のリアルタイムスキャンは3度実施した平均値を取っている。なお、時間は手元の時計で測定しているので、1秒程度の誤差があるかもしれない。
検証に使用したパソコンのスペック概要は以下の通りである。
◇OS:Windows XP Professional SP2
◇CPU:Intel Core2 Duo E6300 1.86GHz
◇メモリ:2.0GB
◇ハードディスク:SEAGATE ST3320620AS (320G SATA300 7200)
◇メールクライアント:Becky! Internet Mail 2.45.01
●NOD32とESET Smart Security
【HDDスキャンの所要時間比較】
Cドライブ(39GB中約14GB使用)のディスクスキャンを実施したところ、次のような結果となった。
◇NOD32:46分26秒
◇ESET Smart Security :40分32秒
【メール受信時のリアルタイムスキャン】
30MBのファイルを添付したメールの受信開始から終了までの時間を測定したところ、次のような結果となった。
◇NOD32:50秒
◇ESET Smart Security :1分21秒
ディスクスキャンを実施したところ、NOD32の46分26秒に比べて、ESET Smart Security の方が6分ほど早いという結果になった。ESET Smart Security のエンジンは、NOD32に搭載されているものを元に改良されている。それが速度向上に貢献しているようだ。
一方、メール受信時のリアルタイムスキャンは NOD32 の50秒に比べ、1分21秒と31秒も遅くなっている。これは推測であるが、ESET Smart Security にはパーソナルファイアウォール機能が搭載されているので、その動作が若干の速度低下を招いているのではないだろうかと推測する。
今回の検証の比較対象ではないが、体感的な挙動の軽さとしては NOD32 もESET Smart Security のどちらも同じぐらい軽いと感じた。アンチウイルスソフトと同様の軽さと感じるということは、総合セキュリティ対策ソフトとしてはかなり動作が軽快な部類に入るのではないだろうか。
●Norton Internet Security 2008(試用版)とESET Smart Security
【HDDスキャンの所要時間比較】
Cドライブ(使用量20GB)のディスクスキャンを実施したところ、次のような結果となった。
◇Norton Internet Security 2008 :62分34秒
◇ESET Smart Security :40分32秒
【メール受信時のリアルタイムスキャン】
30MBのファイルを添付したメールの受信開始から終了までの時間を測定したところ、次のような結果となった。
◇Norton Internet Security 2008 :1分32秒
◇ESET Smart Security :1分21秒
ディスクスキャンを実施したところ、Norton Internet Security 2008 (以下、NIS2008) の62分34秒に比べ、ESET Smart Security の方が22分ほど早いという結果になった。また、メール受信時のリアルタイムスキャンについても、NIS2008の1分32秒に比べ、ESET Smart Security の方が1分21秒と11秒早い。NOD32のエンジンを引き継いだ高い速度性能が現れているのが見て取れる。
それよりも気になったのが、インストール後のOSの起動速度や、他のアプリケーション操作時の動作速度の低下などの影響である。ESET Smart Securityの場合、NIS2008に比べて明らかに動作が軽快であった。
●私が気になった、NOD32からの変更点
私は業務でネットワークやサーバーの脆弱性診断を行うことがある。この診断を行う場合、さまざまなパケットデータを送受信するため、アンチウイルスソフトなどが異常として検知してしまい、診断の邪魔になってしまうことがある。このときばかりは、アンチウイルスソフトを終了させたいのだが、通常のアンチウイルスソフトは簡単に終了させることはできないようになっている。
ところが、NOD32は「閉じる」ボタンをクリックし、「確認」さえすれば簡単に終了できるようになっている。もちろん、簡単に閉じることができないように設定することもできるが、終了できることは個人的にメリットだった。しかし、残念ながら ESET Smart Security ではこの機能が見当たらない。
ただ、一般的な利用者はアンチウイルスソフトを終了させる必要などないので、ESET Smart Securityでは簡単に終了できなくなったのは良い点であるはずだ。
また、NOD32に比べてすべてのインタフェースが優しくなっている。NOD32は技術者向けという印象だったが、ESET Smart Security にはそれはなく、一般的なユーザーが誰でも使えるように仕上がっている。日本向けにローカライズする際に、わかりやすい日本語を選択するよう意識して努めているのではないだろうか。( ESET はスロバキアの会社)
●まとめ
私は2005年からNOD32のユーザーである。使い始めたきっかけは、2005年5月に起きた価格.comのWebサイトの改ざん事件についての記事を読んだときだった。
価格.comでは、Webサイトが改ざんされ、閲覧したユーザーがウイルスに感染してしまうという状況になっていたが、NOD32ユーザーだけは検知することができたという。これはNOD32が備えるヒューリスティックス機能によるもので、未知のコードを解析し、不審な挙動を検出することで未知のウイルスを検出することができるというものだ。この記事からNOD32に興味を持った私は、好奇心からとりあえず使ってみようといったところだった。
NOD32を使ってみての、最初の感想は「動作が軽い」。OSの起動が早い、ウイルス検査が早い、メール受信の際のウイルス検査も速い。ソフトウェアの体感的な動作速度を「重い」や「軽い」で表すことがあるが、明らかに他のセキュリティ対策ソフトに比べて動作が軽い。まるでアンチウイルスソフトをインストールしていないかのようだ。実際、導入当時は、ウイルス検出機能が本当に「有効」になっているのか確かめたものだ。
それまでは、他社製のアンチウイルスソフトや総合セキュリティソフトなどを利用していた。更新期限が来るたびに、いろいろな製品に浮気していたが、NOD32を使い始めてからはほぼ全ての環境をNOD32に統一した。会社(10数人規模)のネットワークを整備したときも、社内で使うアンチウイルスソフトもすべてNOD32を使うようにした。その決め手は動作の軽さだった。冒頭の価格.comのような事例はまだ体験していないが、今のところウイルス検出機能についての不満は一切ない。
今回、ESET Smart Security を検証のため導入してみて、その軽さが損なわれていないことに感心した。他の総合セキュリティ対策ソフトを導入した場合、大半のものが明らかに挙動が重くなるのにそれがまったくない。同社のアンチウイルスソフトNOD32と比べても、検証したスキャン速度はもちろん、OSの起動速度なども含めた挙動の軽さは遜色がない。
今後、アンチウイルスソフトの他に、パーソナルファイアウォールなどのセキュリティ対策を必要とする環境には、ESET Smart Security の導入を筆頭候補に据えたいと考えている。
【執筆:株式会社トライコーダ 上野 宣 ( http://www.tricorder.jp/ )】
【関連記事】
進化を続けるセキュリティソフト 第1回 NOD32の軽い動作を受け継ぐESET Smart Security
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11082.html
進化を続けるセキュリティソフト 第2回 NOD32の高検知率を受け継ぐESET Smart Security
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11134.html
「NOD32」と「ESET Smart Security」比較使用体験記 (1) 導入と運用
https://www.netsecurity.ne.jp/3_11171.html
【関連リンク】
キヤノンシステムソリューションズ株式会社
http://canon-sol.jp/
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