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信藤健仁の浦和レッズ解体信書 連載11

信藤健仁の浦和レッズ解体信書 連載11

構成●堀江篤史
写真●兼子愼一郎

「浦和レッズマガジン3月号(2月12日発売)より」

 レッズがリーグ王座を奪還すべく新シーズンのスタートを切った。新加入選手を迎え、新たなサッカーを目指すチームの態勢は磐石なのか。そして、現在行われているキャンプで取り組むべきこととは?

世界の舞台で戦うために不安な2つのポジション

 レッズの今年のテーマは「挑戦」、この一言に尽きる。昨年までのレッズは、選手、サポーター、クラブが一体となってつくり出しているクラブの空気感や雰囲気から言えば、ピッチ上で展開されているサッカーがあまりにもアトラクティブ(魅力的)でなかった。確かにレッズはACLを制覇し、アジアを代表するクラブになった。だが、その雰囲気や選手の個人能力を考慮すればもっと魅力的なサッカーができるはずである。

 クラブもそういったサッカーを目指し、高原直泰、エジミウソン、梅崎司、三都主アレサンドロらを獲得したはずである。だが、ワシントンを放出して獲得したFWの2人。彼らがワシントンを超える選手かと問われれば、現時点で「YES」とは言えない。ワシントンは独力で局面を打開できる稀有な存在だった。そんな高い能力を持ったストライカーを放出したのだからこそ、それを超える選手、すなわち欧州のトップクラブで活躍するようなワールドクラスのFWを取ってほしかった。欧州から選手を獲得するには、欧州リーグがシーズンの真っただ中で時期も悪かった。しかし、レッズの視線はいまや世界に向いている。アジアを連覇したいのならば、クラブW杯でミランを脅かす試合をしたいのならば、ワシントンを明らかに超えるストライカーが必要なのだ。

 FW以上に私がウィークポイントになるかもしれないと感じているのは右サイドだ。第1候補に挙がる山田暢久は、ポテンシャルも高く、万能であるが故に右サイドをそつなくこなすが、サイドのスペシャリストではない。細貝萌ら守備的な選手を配置して耐え凌ぐこともできるが、それでは昨年からの進化はないだろう。

 サイドアタッカーには守備はもちろん、攻撃時の鋭さが要求される。攻撃的な姿勢を保って相手陣内へ攻め込むからこそ対面する相手は守備的になり、そのエリアで主導権を握れる。自陣に構えているときにも、いつ攻め込んでくるか分からないという恐怖心を相手に与えなければ真のサイドアタッカーとは言えないのだ。

 現有戦力でもレッズは十分に強い。だが、世界の舞台を見据えるクラブだからこそ、そこで頂点を目指せる選手をそろえてほしかった。
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