今週のお役立ち情報
ニューウエイズの勧誘者たち(1)=経産省が業務停止命令
2008年03月14日07時25分 / 提供:PJ
【PJ 2008年03月14日】−
今年2月、経済産業省はニューウエイズジャパンに対して業務停止命令を出した。ニューウエイズとはMLM(マルチレベルマーケティング)という形態で商品を販売し、世界30ヵ国に事業を展開しているアメリカ企業で、日本では「ニューウェイズ」ではなく「ニューウエイズ」と表記される。
業務停止命令の理由は、ディストリビューターと呼ばれる勧誘者において以下のような違反行為があったというもの。
1.勧誘目的等不明示
2.商品についての不実告知
3.特定利益に係る不実告知
4.目的を告げずに公衆の出入りする場所以外における勧誘
5.利益が確実と誤解させるべき断定的判断の提供
6.迷惑勧誘
不肖PJ平藤は過去において、たびたびニューウエイズの勧誘を受けた経験がある。執拗(しつよう)な勧誘と何ら裏づけのない「確実な利益ばなし」の押し付けに辟易(へきえき)し、またMLMという商法に関して多少の知識を有していたことが幸いして拒絶してきた。行政から業務停止命令が出るということは、利益よりも被害が広がり深刻化していることを意味する。
ここで過去に私が関(かか)わった勧誘員たちとのやり取りや経緯を紹介することで、被害の防止に繋(つな)げたいとの願いを持って、これから6回にわたり自らの体験談を綴(つづ)りたいと思う。
なお、本文中に登場するニューウエイズ社のシステムおよび説明会の状況等は、私が経験した当時のものであり、現在は「変更されている」、もしくは「存在しない」可能性があること、ならびに私が直接関わった会員に限定したエピソードであることを申し添えておく。
新しいビジネスのお話があるんです
15年ほど前、知人を介して知り合った女性ライターがいる。その場で名刺を交換しただけで別れた、いわば「挨拶(あいさつ)を交わした」程度の知り合いだ。その彼女から突然、電話がかかってきた。名刺を交換した翌日のことである。
「新しいビジネスの話があるんです」と彼女は言った。お互いに物書きを生業にしているので、当然に出版に関連する仕事の話だと思われた。それにしてもいきなり「新しいビジネスの話」と言われたって、彼女がふだんどんな媒体にどんな原稿を書いているのかまだよく知らないし、人となりもわかっていないので対応に困ってしまった。
「仕事が立て込んでまして」と言葉を濁し、暗に拒否の意志を示したつもりだった。しかし、彼女は「今度いつあるか分からない話なので、今夜にでもお時間いただけますか」と食い下がってくる。
「締め切りが近いんですか」と尋ねると「まぁ、そんなもんです」とはっきり答えない。まぁいい、少々うさんくさいものは感じるが、命までは取られまい。私はその夜、彼女が待ち合わせ場所に指定した近鉄・あべの橋駅へ行った。
午後8時、指定した時間ぴったりに彼女は現れた。
「わざわざすみません」と頭を下げられたが、それも儀礼的なもので「時間がないので、急ぎます」と、そのまま一緒に電車に乗せられた。着いたのは近鉄南大阪線の「恵我之荘(えがのしょう)」という駅。大阪府南部の郊外にある典型的なベッドタウンだ。
彼女に案内されるまま、駅から10分ほど歩いてある民家に着いた。本当に人がふつうに生活している一戸建ての家だった。入ってみると、ふすまなど部屋の間仕切りがすべて取り外されて、そこに20人ほどの人が集まっていた。年齢は20代ぐらいが多く、中には頭に白いものが混じったスーツ姿の男性や、そろそろ老齢にさしかかろうとおぼしき婦人の姿もある。
部屋の正面(と呼ぶのだろうか)にはホワイトボードが用意され、マイクとスピーカーまで置いてあった。「何の集まりですか?」。小声で彼女に尋ねるが、「これから説明が始まります」と言うだけで、自分の言葉で答えようとはしなかった。
私はのこの女性について来たことを後悔しはじめる一方で、物書きとして、ことの成り行きを見届けてやろうという好奇心がわいてくるのを覚えた。程なくして、ホワイトボードの前に一人の青年が立った。司会らしき女性が「皆さん、こんばんは。それでは説明会を始めたいと思います。今日は○○さんに大変お忙しい中をわざわざお時間をいただいてお越しいただきました」と言うと、一斉に拍手が起こった。
青年が司会の女性からマイクを受け取り、集まった人たちに向かって「皆さん、1ヶ月ぶりぐらいですかね。お元気でした?」と問いかける。どうやらこの集まりは定期的に開かれているようだ。青年に問いかけられた「皆さん」が一斉に「元気でしたー」と声をそろえる。まるで幼稚園か保育園の教室みたいだ。私は背中に寒いものを感じながら、ことの展開を見守っていた。「それでは前回のおさらいから始めましょう」。青年が話し始めた。【つづく】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 平藤 清刀【 大阪府 】
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業務停止命令の理由は、ディストリビューターと呼ばれる勧誘者において以下のような違反行為があったというもの。
1.勧誘目的等不明示
2.商品についての不実告知
3.特定利益に係る不実告知
4.目的を告げずに公衆の出入りする場所以外における勧誘
5.利益が確実と誤解させるべき断定的判断の提供
6.迷惑勧誘
不肖PJ平藤は過去において、たびたびニューウエイズの勧誘を受けた経験がある。執拗(しつよう)な勧誘と何ら裏づけのない「確実な利益ばなし」の押し付けに辟易(へきえき)し、またMLMという商法に関して多少の知識を有していたことが幸いして拒絶してきた。行政から業務停止命令が出るということは、利益よりも被害が広がり深刻化していることを意味する。
ここで過去に私が関(かか)わった勧誘員たちとのやり取りや経緯を紹介することで、被害の防止に繋(つな)げたいとの願いを持って、これから6回にわたり自らの体験談を綴(つづ)りたいと思う。
なお、本文中に登場するニューウエイズ社のシステムおよび説明会の状況等は、私が経験した当時のものであり、現在は「変更されている」、もしくは「存在しない」可能性があること、ならびに私が直接関わった会員に限定したエピソードであることを申し添えておく。
新しいビジネスのお話があるんです
15年ほど前、知人を介して知り合った女性ライターがいる。その場で名刺を交換しただけで別れた、いわば「挨拶(あいさつ)を交わした」程度の知り合いだ。その彼女から突然、電話がかかってきた。名刺を交換した翌日のことである。
「新しいビジネスの話があるんです」と彼女は言った。お互いに物書きを生業にしているので、当然に出版に関連する仕事の話だと思われた。それにしてもいきなり「新しいビジネスの話」と言われたって、彼女がふだんどんな媒体にどんな原稿を書いているのかまだよく知らないし、人となりもわかっていないので対応に困ってしまった。
「仕事が立て込んでまして」と言葉を濁し、暗に拒否の意志を示したつもりだった。しかし、彼女は「今度いつあるか分からない話なので、今夜にでもお時間いただけますか」と食い下がってくる。
「締め切りが近いんですか」と尋ねると「まぁ、そんなもんです」とはっきり答えない。まぁいい、少々うさんくさいものは感じるが、命までは取られまい。私はその夜、彼女が待ち合わせ場所に指定した近鉄・あべの橋駅へ行った。
午後8時、指定した時間ぴったりに彼女は現れた。
「わざわざすみません」と頭を下げられたが、それも儀礼的なもので「時間がないので、急ぎます」と、そのまま一緒に電車に乗せられた。着いたのは近鉄南大阪線の「恵我之荘(えがのしょう)」という駅。大阪府南部の郊外にある典型的なベッドタウンだ。
彼女に案内されるまま、駅から10分ほど歩いてある民家に着いた。本当に人がふつうに生活している一戸建ての家だった。入ってみると、ふすまなど部屋の間仕切りがすべて取り外されて、そこに20人ほどの人が集まっていた。年齢は20代ぐらいが多く、中には頭に白いものが混じったスーツ姿の男性や、そろそろ老齢にさしかかろうとおぼしき婦人の姿もある。
部屋の正面(と呼ぶのだろうか)にはホワイトボードが用意され、マイクとスピーカーまで置いてあった。「何の集まりですか?」。小声で彼女に尋ねるが、「これから説明が始まります」と言うだけで、自分の言葉で答えようとはしなかった。
私はのこの女性について来たことを後悔しはじめる一方で、物書きとして、ことの成り行きを見届けてやろうという好奇心がわいてくるのを覚えた。程なくして、ホワイトボードの前に一人の青年が立った。司会らしき女性が「皆さん、こんばんは。それでは説明会を始めたいと思います。今日は○○さんに大変お忙しい中をわざわざお時間をいただいてお越しいただきました」と言うと、一斉に拍手が起こった。
青年が司会の女性からマイクを受け取り、集まった人たちに向かって「皆さん、1ヶ月ぶりぐらいですかね。お元気でした?」と問いかける。どうやらこの集まりは定期的に開かれているようだ。青年に問いかけられた「皆さん」が一斉に「元気でしたー」と声をそろえる。まるで幼稚園か保育園の教室みたいだ。私は背中に寒いものを感じながら、ことの展開を見守っていた。「それでは前回のおさらいから始めましょう」。青年が話し始めた。【つづく】
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