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宝島社のファッション誌読本

宝島社のファッション誌読本
おしゃれ革命 [別冊宝島1504] (別冊宝島 1504 ホ-ム)
 宝島社の、宝島社による、宝島社ファンのための、ファッション誌読本です。宝島社のファッション誌と言えば、『CUTiE』『smart』『spring』『mini』といった、ストリート系雑誌が有名ですよね。

 『宝島』はサブカルチャーに強いので、『ストリートファッション(CUTiEの母体)』もその切り口で作ったところ、これが当たって、以降、『CUTiE』のメンズ版である『smart』が、『CUTiE』のお姉さん誌の『spring』が、『smart』のレディース版の『mini』が、という感じで、次々と新しいファッション誌を創刊していき、ファッション誌の一大帝国を作っていきます。本書『おしゃれ革命』では『CUTiE』『smart』『spring』『mini』『sweet』『inred』の6誌を取り上げ、創刊秘話、当たった企画、雑誌の柱となったショップやブランド、発行部数の増減など、主に雑誌の裏舞台が書かれています。スタッフや関係者の意見を交え、その当時のことが具体的に描かれているので、宝島社好きにはたまらないムックでしょう。宝島社のファンではなくても、宝島社のストリート雑誌はそのまま裏原系の歴史ともリンクするので、宝島社の雑誌からストリートの流れを読むという楽しみ方ができます。

 「CUTiEは挫折から生まれた雑誌だった」「smartがメンズファッションの土台を大変革」「シンプル&カジュアルの波はminiが起こした」という感じで、基本的にはサクセスストーリが中心です。『MEN'S ROSES(お兄系)』『steady.(OL層向け)』『MonoMAX(元smartMAX)』などの創刊して年数があまり経っていない雑誌や、こけた雑誌についての言及はほとんどありません。それが少し残念ですが、それを割り引いても、懐かしの写真(1996年のエイプ、1997年のアンダーカバー、 1998年のラングジーンズとか)、豪華なゲスト(NIGO氏が裏原について語ったり、土屋アンナさん・今宿麻美さんが miniを語ったり、ビームスの南馬越一義氏まで登場したり)、ちょっとしたブランド・ショップ・クリエーターの説明なんかもあるので、資料としても貴重だと思いますよ。


 最後に『smart』の章から気になった箇所を抜粋。

日本のメンズファッションにストリートを根付かせた smartは、いま再び堂々たる一番誌になった。10年間で、男の子にとってのファッションの意味は、「誰でもない自分を表現する」という意味合いが弱まり、「かっこよくてモテるアイテム」に変化している。



現在では40万台の大台まで巻き返しているそうですが、 文教堂のランキングを見る分には、『MEN'S NON-NO』には若干及ばないようです。それでも、かなり巻き返しているようです。

 そんなことよりも。「誰でもない自分を表現する」というのは「自分探しの旅」とニアリーイコールですよね。必然的にフリーターが多いので、そこに目をつけた三浦展氏は「 SMART男」とその著書『下流社会2』でネタにしていましたが、「今は、誰でもない自分を表現するという意味合いは弱っている」と三浦展氏に正面から反論しているように私は感じました。だからといって、『smart』が『LEON』のような物質主義な雑誌になったらビックリしますけど。でも、「ギャル男が流行れば、それもきっちりフォローする」と書いてあったので、「自己表現」のファッションからそういう「即物的」なファッションへとシフトしつつあるようです。言われてみれば、最近はカルチャー記事よりもハウツー記事の方が充実している気もします。『MonoMAX(元smartMAX)』なんてカルチャーゼロですし。


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