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北京オリンピックマラソン選考 有効に機能したのか?(1)

北京オリンピックマラソン選考 有効に機能したのか?(1)
代表に選出された尾方剛(中国電力)07年大阪世界陸上にて
【PJ 2008年03月12日】− 実りの多かった男子
実は私個人は、マラソンはどちらかというと男子の方に軸足をおいて見ているつもりだったが、個人的にそれなりの結果を出したとは思っている。よく男子は低迷とよく言われているが、復活まであと少しと思っている。ただその少しと言うのがとてつもないほど、の一歩なのだが・・・。

 それでも03年パリ、07年大阪と男子はマラソン団体で金メダルを獲得している。マラソン団体の結果だけ見ると女子より上なのである。ただ、マラソン団体はメダルとして計上されないメダルなのだ。これはその国のマラソンのレベルの平均値の高さを示すものだと思っている。あと一歩出られないだけなのだ。

 また、今回のマラソン代表は全員が「箱根駅伝」経験者で占められていることだ。現在の男子マラソンを語るときよく箱根がマラソンをだめにしたよく言われる。確かに、マラソン日本記録保持者の高岡寿成(カネボウ)は関西の龍谷大出身、03パリ世界陸上、04年アテネオリンピックで連続入賞した油谷繁(中国電力)は高卒である。男子マラソントップランカーで箱根経験者はそんなに多くない。

 しかし、今回箱根出身者がオリンピックマラソン代表を独占できた理由は、選手を箱根だけで終わらせず、マラソンへつなげさせる指導者が多く出た事かもしれない。先日、大崎悟史(NTT西日本)の代表選出会見で指導する清水康次監督(大東文化大で箱根を経験)にそのことを聞いたら「たまたまだと、思いますが・・・」と語ってはいた。

  ここで男子で2人の代表を出した中国電力と坂口泰監督について説明する必要がある。中国電力の陸上部は89年に社内の同好会を昇格させる形で創部された。初めは駅伝で高校生に負けるありさまだったと言う。そして90年、坂口氏がコーチとして同社に入社する。坂口泰氏は駅伝の名門、広島の世羅高校から早稲田大学に進学する。学生時代は箱根駅伝で活躍、主将にもなった。その後当時最強と言われたヱスビー食品に入社するが大学上級生頃から故障がちとなり、不整脈もでた。

 目立った成績は87年のびわ湖マラソンで2位をとったぐらいだった。そして89年ヱスビーを退職した坂口氏は指導者になるべく地元に帰っていたが高校時代の恩師の紹介で中国電力入りとなった。彼は瀬古利彦(ヱスビー食品)を育てた中村清(故人)の影響を最も受けているといわれ中村の教え子の中で最も結果を出している指導者である。

 中国電力では苦労の連続だったという。しかし、油谷繁 や尾方剛といった埋もれかかった選手を一流に育て上げた。そして01年、佐藤敦之が同社に就職する。坂口氏の出身の早稲田の後輩という引きで入社となったが、今までは地元の広島とその周辺の選手だけだったがこれはスカウトが攻めに入ったと意味していいだろう。彼もそれなりの覚悟で入社したはずだ。 今や全日本実業団駅伝の優勝候補の常連となりオリンピックは2大会、世界陸上は4大会の代表を送り出すまでとなった。【つづく】

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パブリック・ジャーナリスト 鈴木 義哉【 兵庫県 】
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