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インテル奇跡の大逆転へ。故会長が残した遺言

「100年前、インテルの旗の下に集ったのはたった40人だけだった。今日、それが何百万人となってクラブを支えている。
 創設者たちは、大空の青と夜の黒をかつて選んだ。私はこのクラブカラーとともに、これからも生きていくでしょう」

 8日に行われた、100周年を祝うインテルの盛大な式典は、昨季開幕前に急逝したジャチント・ファッケッティ前会長の子息の言葉で始められた。ジャチントはインテルのシンボル・プレーヤーとして17年間にわたって634試合に出場し、4回のスクデット、2回のチャンピオンズ・カップなどを制し、のちに経営陣入りしてからもそのクリーンなイメージと紳士ぶりで誰からも愛された。

 ジャチントの忘れ形見ジャンフェリーチェがピッチの中央で、43年前に書かれた一片の紙切れを取り出したとき、サン・シーロを埋めた5万人のインテリスタたちは一様に静まり返りながら涙にむせび、そしてこれ以上ないほどの咆哮を上げた。そのノートの切れ端こそ、ジャチントが主将としてサン・シーロでリバプールを破ったときに書き記した大逆転のレシピだった。

 1965年のチャンピオンズ・カップ準決勝。敵地アンフィールドで1対3の敗戦後、インテルはホームで3対0の奇跡を起こした。自身も3点目のゴールを決めたジャチントのチームは、その後欧州の頂をつかんだ。ジャチントは、大逆転を可能にする秘訣を書き連ねていた。

“すべての栄光の秘密とは、己を信じる力のことだ”、
“勇気ある者とは、憂うべきを憂い、恐れるべきでないものを恐れない者のことだ”……

 そのメモは、単なる精神論か根性論にすぎないかもしれない。43年前に書かれた紙片にすがりつきたいほど、2点のリードを持つリバプールを迎えるインテルの置かれた状況は厳しい。しかしその言葉が、選手として奇跡を起こし、会長としてもつねに模範であった故会長のものであったなら、現プレイヤーとサポーターたちはどれほど勇気付けられただろうか。
 ターゲットは43年前と同じ、3点を奪っての勝利。11日のCL決勝トーナメント1回戦セカンドレグに、インテルはジャチントの言葉を胸に挑む。


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