今週のお役立ち情報
【独女通信】モラハラ男と独女の泥沼恋愛(前編)
2008年03月15日14時00分 / 提供:独女通信
「俺より先に箸をつけるなよ。行儀悪いなあ」
31歳の会社員、ケイコさんは恋人よりも先に大皿料理に手を伸ばした時、こう言われたそうだ。
声は穏やかだったが、目は笑っていなかった。しかしケイコさんが「あれ?」と思ったのは、実はこの時が初めてではなかった。
商社に勤める友人を介して出会った彼は、3歳年上の34歳。MBAホルダーで、同期の中では一目置かれる存在だと友人が教えてくれた。人当たりはソフトで、いつも皆の聞き役。トラッド系ブランドで身を固め、さわやかな印象。なのに結婚はおろか、彼女すらいないという。
「なぜこんな素敵な人が、まだフリーなんだろう?」
もしかしたらこれは、神様が与えてくれたチャンスなのかもしれない。ケイコさんはその後すぐにデートに誘い、告白。すんなり付き合うことになった。
毎日がバラ色になるはずだった。しかし――
「告白した1週間後にデートに行くことになったんですが、彼は当日、ほとんど口をきかなかった。理由を聞くと「体調が悪い」の一点張りで、会話が全然弾まなかったんです。初デートだったのに」
一緒にいて楽しいと思えなかったが、別れた後に「今日はごめん」と書かれた謝罪メールが届いたので、また会うことにした。しかしそのデートの際、食事の席で彼が言ったのが「俺より先に箸をつけるな」だった。なのにケイコさんは反論するどころか「ごめんね」と謝り、その言葉を軽く受け流してしまった。
それからというもの、彼は何かにつけケイコさんを罵るようになった。
「例えばドアを閉める時に音を立てると『うるさいなあ。親にどういうしつけされてきたの?』と言い、レストランが満員だったら『ケイコがこんなところ選ぶから悪いんだ。早く違う店探して』と、いちいち文句を言うんです。でも彼は仕事のストレスが溜まっていて、きっと私に甘えているんだとしか思っていませんでした」
時には「明日早いから」と、彼女を1人残して家に帰ってしまうこともあった。しかしケイコさんは「彼がわがままを言える相手は、私しかいない」と、すべて許したそうだ。それどころか「私は次女で親に甘やかされて育ってきたので、彼は私にあえて厳しくして、正しい方向に導いてくれていると思っていました」と思っていたそうだ。
そんな彼女が決定的な違和感を覚えたのは1ヵ月後。彼と初めてセックスした時だった。彼はケイコさんの服を脱がせる前に自分の服を脱ぎ、こう言ったそうだ。
「俺さあ、女性が言いなりにならないと嫌なんだ。だからケイコは俺の言うこと、何でも聞かなきゃダメだからな」
言うや否やケイコさんの髪をつかみ、彼は自分の股間に服を着たままの彼女の顔を押し付けた。
「そう言えばさっき会った時、ブスッとしてただろ」
やにわに彼女の顔を持ち上げ、頬を叩いたのだ。
「お前が生意気な態度を取るから、いけないんだよ」
軽いビンタだったがあまりの出来事にびっくりしたケイコさんは、思わず声をあげて泣いてしまった。すると彼はケイコさんを抱きしめ、優しくキスをしたのだ。
「泣いている私を見る顔は、さっきと同じ人とは思えないほど満足そうでした。彼のことが怖くなったけれど、『この人は私がいないとダメなんだ。私が我慢すればいいんだ』と思って、自分を納得させました」
その後もケイコさんは彼のわがままや不機嫌、そして殴打を受け入れた。なぜなら友人達に「素敵な彼氏がいてうらやましい」と言われ、羨望の眼差しで見られるのが気持ち良かったから。そして「この人と結婚すれば、経済的な心配をしなくて済む」と考えていたから。責められるたびに自分を恥じ、「そしてもっといい人間にならなくては。でないと彼は私と結婚してくれない」と思ったそうだ。
「私が至らないせいで、すぐに彼を不機嫌にさせてしまう」
ある日彼を紹介してくれた友人に、軽い気持ちでケイコさんは恋愛相談を持ちかけた。すべてを受け入れたいのになかなかできないと悩む彼女を見て、友人は真顔でこう言ったそうだ。
「……それって典型的なモラハラ男。人間的に問題があるから別れた方がいい」と。(久保木りん)
*後編 に続く
31歳の会社員、ケイコさんは恋人よりも先に大皿料理に手を伸ばした時、こう言われたそうだ。
声は穏やかだったが、目は笑っていなかった。しかしケイコさんが「あれ?」と思ったのは、実はこの時が初めてではなかった。
商社に勤める友人を介して出会った彼は、3歳年上の34歳。MBAホルダーで、同期の中では一目置かれる存在だと友人が教えてくれた。人当たりはソフトで、いつも皆の聞き役。トラッド系ブランドで身を固め、さわやかな印象。なのに結婚はおろか、彼女すらいないという。
「なぜこんな素敵な人が、まだフリーなんだろう?」
もしかしたらこれは、神様が与えてくれたチャンスなのかもしれない。ケイコさんはその後すぐにデートに誘い、告白。すんなり付き合うことになった。
毎日がバラ色になるはずだった。しかし――
「告白した1週間後にデートに行くことになったんですが、彼は当日、ほとんど口をきかなかった。理由を聞くと「体調が悪い」の一点張りで、会話が全然弾まなかったんです。初デートだったのに」
一緒にいて楽しいと思えなかったが、別れた後に「今日はごめん」と書かれた謝罪メールが届いたので、また会うことにした。しかしそのデートの際、食事の席で彼が言ったのが「俺より先に箸をつけるな」だった。なのにケイコさんは反論するどころか「ごめんね」と謝り、その言葉を軽く受け流してしまった。
それからというもの、彼は何かにつけケイコさんを罵るようになった。
「例えばドアを閉める時に音を立てると『うるさいなあ。親にどういうしつけされてきたの?』と言い、レストランが満員だったら『ケイコがこんなところ選ぶから悪いんだ。早く違う店探して』と、いちいち文句を言うんです。でも彼は仕事のストレスが溜まっていて、きっと私に甘えているんだとしか思っていませんでした」
時には「明日早いから」と、彼女を1人残して家に帰ってしまうこともあった。しかしケイコさんは「彼がわがままを言える相手は、私しかいない」と、すべて許したそうだ。それどころか「私は次女で親に甘やかされて育ってきたので、彼は私にあえて厳しくして、正しい方向に導いてくれていると思っていました」と思っていたそうだ。
そんな彼女が決定的な違和感を覚えたのは1ヵ月後。彼と初めてセックスした時だった。彼はケイコさんの服を脱がせる前に自分の服を脱ぎ、こう言ったそうだ。
「俺さあ、女性が言いなりにならないと嫌なんだ。だからケイコは俺の言うこと、何でも聞かなきゃダメだからな」
言うや否やケイコさんの髪をつかみ、彼は自分の股間に服を着たままの彼女の顔を押し付けた。
「そう言えばさっき会った時、ブスッとしてただろ」
やにわに彼女の顔を持ち上げ、頬を叩いたのだ。
「お前が生意気な態度を取るから、いけないんだよ」
軽いビンタだったがあまりの出来事にびっくりしたケイコさんは、思わず声をあげて泣いてしまった。すると彼はケイコさんを抱きしめ、優しくキスをしたのだ。
「泣いている私を見る顔は、さっきと同じ人とは思えないほど満足そうでした。彼のことが怖くなったけれど、『この人は私がいないとダメなんだ。私が我慢すればいいんだ』と思って、自分を納得させました」
その後もケイコさんは彼のわがままや不機嫌、そして殴打を受け入れた。なぜなら友人達に「素敵な彼氏がいてうらやましい」と言われ、羨望の眼差しで見られるのが気持ち良かったから。そして「この人と結婚すれば、経済的な心配をしなくて済む」と考えていたから。責められるたびに自分を恥じ、「そしてもっといい人間にならなくては。でないと彼は私と結婚してくれない」と思ったそうだ。
「私が至らないせいで、すぐに彼を不機嫌にさせてしまう」
ある日彼を紹介してくれた友人に、軽い気持ちでケイコさんは恋愛相談を持ちかけた。すべてを受け入れたいのになかなかできないと悩む彼女を見て、友人は真顔でこう言ったそうだ。
「……それって典型的なモラハラ男。人間的に問題があるから別れた方がいい」と。(久保木りん)
*後編 に続く
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