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富士経済、一般用医薬品市場の調査、2008年は整腸薬市場で乳酸菌含有製品の認知が拡大し107億円へ
総合マーケティングビジネスの富士経済は、08年2月、登録販売者制度の内容が明らかになり環境激化が注目される一般用医薬品(大衆薬)市場の調査を行い、4分野21品目の医薬品と医薬部外品について、07年まで7年間の市場データを基に08年〜11年までの動向を予測した。2008年の注目市場として、整腸薬では乳酸菌含有製品の認知が拡大し107億円(07年比102%)に達する見通しだ。また、アレルギー用点眼薬では新成分の新薬登場で45億円(07年比107%)が見込まれる、などが明らかになった。なお、詳細は報告書「一般用医薬品データブック2008 No.1」にまとめた。
08年の薬局・薬店環境は厳しく、注目の年になると見込まれる。今年2月、厚生労働省が「薬事法の一部を改正する法律の一部の施行について」を通知し、登録販売者制度について試験の実施方法、受験資格、販売従事登録など7項目を公表した。受験資格として実務経験が必須要件となったため、異業種から参入する各社は登録販売者の確保が一つのハードルになると見込まれる。4月施行にあたり、薬剤師に加えて医薬品販売経験者も確保する競争が激化する。
国民の健康に対する意識、関心の高まりから薬局・薬店で身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の考え方が見られるようになっている。この流れに沿い薬剤師や登録販売者制度が整備されるとともに、昨年4月、「一般用医薬品の成分リスト」でリスク分類区分が明確にされ、医療用医薬品から3つの区分の内リスクの高い第一類成分への移管が続いている。今回、目薬のフマル酸ケトチフェン、皮膚治療薬のアシクロビルが解禁され、目薬ではノバルティス ファーマ「ザジテンAL点眼薬」や大正製薬「アイリスアレスト」が08年の花粉シーズンに向け順調に配荷され、皮膚治療薬では口唇ヘルペス再発治療薬としてグラクソ・スミスクライン「アクチビア軟膏」や大正製薬「ヘルペシア軟膏」が順調だ。
昨年から好調な整腸薬市場では、大腸訴求製品のヒットに続き、便秘薬だけでなく胃腸薬にも乳酸菌を配合した新製品「新三共胃腸薬プラス」(第一三共ヘルスケア)が登場した。乳酸菌配合による胃腸・消化用薬の領域が広がって腸内環境訴求製品にさらに注目が集まっている。これらの製品は体感効能に比べ予防ケア訴求の面が強いが、医薬品扱いが品質面への信頼性・優位性を高めており、今後の一般用医薬品市場の成長に向け新しい流れを創り出している。将来は便秘薬などを含めより広範囲の腸内環境訴求製品の新しい提案が期待される。
腸内環境訴求製品市場(一般用医薬品+医薬部外品)は2008年が333億円(07年比99%)に達する見通しだ。整腸薬、便秘薬、止瀉薬を対象とする。市場規模は一般用医薬品と医薬部外品の合算値とした。
この市場は、05年から整腸薬の主力製品が医薬部外品へ移行後、新たに誕生した興和新薬「ザ・ガードコーワ整腸錠」などの大腸訴求製品が注目され、便秘薬、止瀉薬を含めた関連販売コーナーの展開が行われ好調に推移した。07年には、腸内環境訴求製品の中でも整腸薬の需要が高まった。しかし、価格訴求に苦しみ便秘薬の落ち込みもあって全体はほぼ横ばいとなり、08年以降もこの傾向がさらに強まると見込まれる。武田薬品工業では、整腸薬「新ビオフェルミンS」、便秘薬「タケダ漢方便秘薬」を展開し、07年は「新ビオフェルミンS」の牽引によって順調に推移。大正製薬は、便秘薬「コーラック」ブランドを展開し、整腸薬市場での位置付けは低かったが、08年はビオフェルミン製薬のTOB(株式公開買い付け)を実施し、腸内環境訴求製品市場での存在感が高まると見込まれる。大幸薬品は、携行を訴求した「セイロガン糖衣A」の伸びが下支えして07年は前年実績を維持しているが主力の「正露丸」の拡販が課題となっている。
一般用医薬品による腸内環境訴求を巡っては、便秘薬だけでなく胃腸薬にも乳酸菌を配合することで胃腸・消化器官用薬として提案する傾向が強まり、さらには整腸薬の大腸訴求も加わって薬局・薬店側の積極的なコーナー展開の取り組みが期待される。また、薬局・薬店で始まったこうした腸内環境訴求をさらに広げるためにもチャネルを拡大する医薬部外品への期待は大きいが、現状の実績はわずかに留まり参入意欲は低くなっている。その中で、小林製薬が医薬品で展開している「ガスピタン」シリーズの医薬部外品「ガスピタンα」をCVS向けに投入したことは、腸内環境訴求製品の広がりに向けたケーススタディとして注目される。
整腸薬(医薬部外品+一般用医薬品)の2008年は107億円(07年比102%)に達するものと見込まれる。
04〜05年は新範囲医薬部外品分野が登場し大半の医薬品整腸薬が医薬部外品へ移行したが見込みに反してドリンク剤のようにチャネルが広がらなかった。移行を契機に腸内環境の改善を訴求した大腸医薬品として興和新薬「ザ・ガードコーワ整腸錠」が登場し、大腸に特化した訴求分野が生まれた。これによって医薬品整腸薬は再びプラスに転じ、06年にはロート製薬が、07年には太田胃散、ライオンがそれぞれ参入し市場を拡大した。一方、医薬部外品は医薬品扱いから外れたことで薬局・薬店が取扱いを敬遠する傾向が強まった。しかし「新ビオフェルミンS」は圧倒的なブランド力を持つためこうした影響を受けず、医薬部外品「新ビオフェルミンS」の位置付けが年々高まっている。整腸薬は、大腸訴求による新分野の開拓もあって保健薬の中でもプラスイメージが高まっており、08年も安定した推移が見込まれる。胃腸薬では乳酸菌を配合することで胃腸・消化用薬として胃腸薬の落ち込みをカバーする動きが出ており、整腸薬でも整腸をベースに胃腸・消化薬領域を取り込んで差別化した製品の投入が見込まれる。
目薬市場(一般用医薬品)の2008年は、422億円(07年比103%)に達する見通しだ。なお、一般用点眼薬、抗菌性点眼薬、人工涙液、アレルギー用点眼薬等の点眼薬と洗眼薬の5分野を対象とした。
06年はコンタクトレンズ用目薬に代表されるドライアイ訴求も伸びが鈍化し、さらに花粉の飛散量が全国的に少なかったことでアレルギー用点眼薬が落ち込み市場が縮小した。07年はドライアイ訴求に続いて一般用点眼薬に有効成分の含有量を高めた高価格帯製品が投入されて、価格訴求の強かった市場環境の中でプラス要因となっている。携帯電話、PCなどのデジタル機器が普及してアイケアニーズは年々高まっており、こうした機能訴求、高価格訴求製品によって潜在需要が顕在化され、08年も市場は伸びが続くと見込まれる。一般用点眼薬は、主に清涼感と年齢層を組み合わせた展開が行なわれて来たが、人工涙液によるドライアイ訴求が広がり症状面の差別化を図った製品が06、07年と続いて投入され、中高年層を中心とする疲れ眼需要を開拓し順調に伸びた。また、こうした高機能型製品が投入されて価格訴求が落ち着きを見せ始めている。今後、一般用点眼薬の中でも価格訴求と機能訴求のすみ分けが見込まれる。また、空調などのオフィス環境、デジタル機器の普及もあって目の乾きによる弊害が広まっており、08年もドライアイを巡る需要はさらに高まると見込まれる。洗眼薬は小林製薬「アイボン」に依存する市場となり、積極的な広告投下によって洗眼薬の習慣化を提案しているものの、小林製薬を除く参入各社で相対的に位置付けが低下し07年も価格訴求を受けて市場はマイナス推移が続いている。
アレルギー用点眼薬の2008年市場は、45億円(07年比107%)になる見込みだ。
06年は、花粉の飛散量が影響し市場を縮小した。この市場は完全に花粉の飛散量によって左右される。08年は花粉の飛散時期の前倒しが予測されるとともに、新たなスイッチOTC成分として解禁されたフマル酸ケトチフェン含有製品の登場で店頭は活況を呈している。ノバルティスファーマ「ザジテンAL点眼薬」、大正製薬「アイリスアレスト」はスイッチOTC成分のフマル酸ケトチフェンを配合しており、販売は最終的に花粉の飛散量に左右されるものの、花粉症対策製品として位置づけが高まると見込まれる。
水虫薬市場(一般用医薬品)の2008年は137億円(07年比103%)に達する見通しだ。
水虫薬は、ブランドスイッチの激しい市場で、新成分配合による差別化製品が主流となっている。03年に塩酸ブテナフィンが解禁され市場は活性化されたが、参入増加で市場の混乱を招き高機能ながらも価格訴求を誘発し、市場はその後低迷した。08年は指定医薬品の解除によって、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィンなどの成分の複合タイプへと機能を強化した新製品投入が相次ぎ、参入各社とも積極的な宣伝活動を行っている。久光製薬「ブテナロック」は、殺菌力訴求を主体とした広告投下もあって07年もトップブランドとしての地位を維持したものの、発売以来続いた新規需要の獲得が一服し、08年は女性層を新規需要ターゲットとし、さらには継続利用を取り込んで巻き返す方針だ。大正製薬「ダマリン」は、第三世代製品の展開で後手に回ったが08年は第三世代成分塩酸テルビナフィンの複合タイプ「ダマリングランデ」を投入し、巻き返しを図る。ノバルティス ファーマ「ラミシールAT」は、08年は複合タイプ「ラミシールプラス」を投入し、広告投下を行い注力度を高めている。
[小売価格]
A4判 245頁:9万4500円(税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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