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三浦和義容疑者と直木賞作家・林真理子氏の意外な関係
「サイパンがアメリカの自治領とは知らなかった」と、間の抜けた理由で逮捕されてしまった三浦和義元輸入雑貨会社社長(60歳)。彼が「疑惑の銃弾」で世間を騒がせたのはもう30年近く前の話だが、実はこの三浦元社長と、直木賞作家・林真理子さんとは因縁浅からぬ仲だという事実を知る人は少ない。「都市伝説探偵団」では、今から28年前、1984年当時、このふたりを結びつけた小学館『CanCam』の元編集者、金田氏(仮名・50代)にインタビューを試みた。
「三浦和義元社長が『疑惑の銃弾』の中心人物として連日マスコミに追いかけられていた当時、林真理子さんが『CanCam』で連載ページを持っていたんです。当時の林真理子さんはまだ直木賞を取る前で、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』で作家デビューを果たし、やはりこちらもさまざまなメディアで注目されていました」と、金田さん。
1984年、林真理子さんは女子大生向けファッション雑誌『CanCam』で対談ページを持っていた。タイトルは『林真理子の二枚目コレクション』。タイトル通り当時人気だったイケメン俳優と、毎月対談をするという人気連載で2年間続いた。「当時の人気俳優は、ひと通りでましたね。草刈正雄、中井貴一、神田正輝、時任三郎などそうそうたるメンバーです。林さんはかなり忙しい方でしたので、毎月対談のスケジュールを組むのが非常に大変だったんです」。
そんなまっとうな対談のゲストに、なぜ三浦和義元社長が?とたずねると「それが、まったくの偶然である人から三浦和義元社長を紹介されたんです。そのときは現在の奥様であるY子さんもご一緒でした。いやー、初めて会った時は“これが三浦和義か”なんて、一般人みたいに興奮しましたね。ふたりとも背が高くモデルみたいにカッコいい。物腰も上品でしゃべり方もスマート。とても世間で騒がれている犯罪容疑者には見えませんでした」。
三浦和義元社長を紹介された金田さんは、自分が担当している『林真理子の二枚目コレクション』のゲストに登場してもらったらどうか、と考えさっそく交渉。三浦和義元社長は当時、テレビの取材は数百万、雑誌の取材は1回100万円で受けていた。それを『CanCam』に限っては、ゲスト料10万円で特別に受けてくれることになった。「なぜかわかりませんが、気に入っていただいたようで、また奥様のY子さんの口添えもあったようです。さっそく林真理子さんにも打診をしてみたら、こちらも快諾で……」。
そう、当時のマスコミは皆、三浦和義元社長を追いかけてヒートアップしていた時代。直接話を聞けるチャンスはそうそうあるはずもなく、好奇心いっぱいの林真理子さんにとっても“最高のゲスト”だったのだ。そんな経緯で、女子大生雑誌『CanCam』で、世にも不思議な対談が成立。「今から考えれば、『CanCam』らしからぬ、かなり思い切った企画だったと思います。でも、ジャーナリストとしての好奇心には勝てませんでした。林さんも同じ気持ちだったのではないでしょうか」。
当時三浦元社長が赤坂に住んでいた関係で、対談場所は赤坂の料亭と決まり、対談当日、スタッフ、カメラマンもいささか緊張しながら待っていると、先に白いスーツを着た三浦元社長が登場。やがて対談が始まり、林さんは大胆にも服役経験のある三浦元社長に「刑務所の暮らし」について質問。「あの〜それで刑務所にいらしたときは、どんな生活だったんですか?」という林さんの言葉に、一瞬スタッフは凍りつく一幕が。だが三浦元社長は怒ることもごまかすこともせず、きちんと刑務所暮らしのあれこれを答えていたという。
「林さんは今でもそうですが、他人から話を引き出すのがうまかったですね。最高のホステスです。ふつうなら口に出せないような質問をサラリと言ってしまう。脱帽しました」と、金田さん。林真理子さんは、刑務所に関する話題だけでなく、三浦元社長にセックスに関する質問も連発。三浦元社長も「僕はSMもスワップもなんでも経験したことがある」と応酬。エビちゃんやモエちゃんが微笑む今の『CanCam』からは、とうてい想像できない出来事だった。
三浦元社長は当時から酒は飲まず、対談の時もお茶だったという。そして対談終了後、すっかり意気投合した三浦元社長と林真理子さんを慰労するため、金田さんは六本木に案内。当時評判だったゲイのショーパブに二人を連れていった。「六本木を歩いていると、三浦元社長は背が高くていケメンだからものすごく目立つんです。“疑惑の銃弾”で世間を騒がせていることもあり、ずいぶん人が集まってきました。サインをねだる人も、ひとりやふたりじゃありません。林真理子さんも“日本はどうなっているのかしら?”とおっしゃっていました」。
「ただ、そこまではよかったんですが……」と急に声を落とす金田さん。どうやらふたりを連れて行ったショーパブがまずかったようだ。ここはいわゆるオカマが踊ったり歌ったりする、当時は流行の最先端を行く店だった。店に入ると、三浦元社長と売れっ子作家林真理子さんが来たということで、オカマさんたちも大はしゃぎ。彼ら(?)一流のサービスなのか、聞くに耐えない言葉で林さんを集中口撃。まだ若かった林さんはこの口撃に激怒し、途中で席を立って帰ってしまった。
「あーあ、林さん怒って帰っちゃったよ。だめだよこんな店に女性を連れてきちゃあ」と三浦元社長に、金田さんは叱られたそうだ。女性にはマメだった三浦元社長らしいエピソードだ。
「林さんは怒って帰ってしまいましたが、対談は大成功でした。社内では“よくやった”という意見もあれば、“ファッション誌にはまったく合わない”という意見もありました。まあ、当然ですが……。“いったいなんで『CanCam』で三浦和義なんだよ!”と、当時の上司に叱られました」。
その後、林真理子さんの対談集『二枚目コレクション』は、単行本として1985年春に小学館から出版。林真理子さんの本では最も売れなかった単行本で、現在は絶版。林真理子さんの公式の著作物の記録にも記載されていない。林真理子さんとしては忘れたい過去かもしれないが、実は“幻のお宝本”とされ、ネットオークションでは数万円の値段がついている。
奇しくもこの『二枚目コレクション』が出版された1985年の秋、林真理子さんは『最終便に間に合えば』『京都まで』で、第94回直木賞を受賞。そして三浦和義元社長は、「一美さん殴打事件」の殺人未遂容疑で逮捕された。(取材/XIXOX倉持ケンジ)
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