つまり、東アジアのクラブ対抗戦だ。Jリーグ、Kリーグ、Cリーグの上位何チームかで、覇権を争う東アジアスーパーリーグのようなモノを作れば、面白いんじゃないかと僕は思う。

 この3か国の中では、中国のCリーグの熱がひときわ高い。想像を絶する盛り上がりの中で、激しいリーグ戦が繰り広げられている。ラフプレイはその温床として生まれるような気がするが、それはさておき、それを巧いこと頂戴することができれば、東アジアスーパーリーグも盛り上がる。世界からそれなりに注目される存在になれば、必然パワーが生まれる。良い外国人選手が集まってくる可能性も高いわけで、レベルも自ずと上がるだろう。

 「飛車角」だけでなく「金銀」までいない代表の国際試合の「間」を持たす方策としては、当面これしかないんじゃないかと僕は思う。いまのやり方で迫っていっても、W杯でベスト16以上は望めない。岡田サンの言うところの「世界をアッと驚かすサッカー」は難しい。日本サッカーは、岐路に立たされている気がしてならないのだ。

杉山茂樹
1959年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、サッカーを中心とするスポーツのフリーライターとして多数の雑誌に寄稿するほか、サッカー解説者としても活躍。1年の半分以上をヨーロッパなどの海外で過ごし、精力的に取材を続けている。著書には、『史上最大サッカーランキング』 (廣済堂刊)『ワールドカップが夢だった』(ダイヤモンド社)など多数。
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