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生活習慣改善で「うつ・キレる」を治す=東邦大・石田秀穂教授の講演

【PJ 2008年02月27日】− 現代人の健康管理・心のケアについて、社会的に関心が高まっている。東京・大田区で地域企業の総務・人事関係者に向けた健康管理の勉強会が21日、プラザ・アペア(蒲田)で開催された。主催は(社)大田労働基準協会。東邦大学医学部の石田秀穂教授による「『脳と心を元気に』(うつ・キレルを治すトレーニング)」をテーマとする講演であった。

 現在、世間一般に見られる心の病として、(1)ささいな事で腹を立てたり、興奮したりする。(2)食欲のコントロールがきかない。(3)突然、窒息感に襲われる。(4)朝の目覚めが悪く、不定愁訴が続く。(5)小さな事で、くよくよする。(5)不安・恐怖にかられて落ち着かないーーなどがあるが、石田教授の研究によると、これらは、脳内のセロトニン神経が弱っていると、起きる症状なのだそうである。講演内容での特長は、なるべく薬を使わず、生活習慣を変えることで、症状を軽くすることができるという点である。安易に薬に頼らず、人間の自己回復能力を活かす石田教授の療法は、すでに知られているのかも知れないが、記者は初めて知ったことなので、その概要を記録してみた。

『うつ・キレる』を治すトレーニング=石田秀穂東邦大学医学部教授の講演
 現代社会には、うつとキレる状態の人たちが非常に増えました。何でこんなに増えたのか。昔は、このような症状には、遺伝的なものがあるとも考えられていましたが、現代における「うつ・キレる」症状は、そういうことにはあまり関係がないのです。この症状は、セロトニン神経が弱ることで、発生すると分かってきました。長年にわたるうつ症状や、重度の症状は別として、現代における軽度のうつは、心の風邪という判断がなされるものが多く、直りやすい。セロトニンの機能が回復すれば(すぐ職場復帰できるかどうかは、別問題として)適切な治療で、とにかく通常の生活ができるようになるのが早まります。若いころに何でもなかった人が、近年になって軽いうつ状態時代になったような事例は、生活習慣を直すことによって脳のセロトニン神経を活性化させると、治ることが多いのです。

 現代ではパソコンに向かって指先に神経を集中する時間が長い。何時間もそれを続ける。ゲームなどは面白いので昼も夜も続けてはまってしまう。このようなことを続けていると、セロトニン神経を知らずに弱らせてしまっていることになるのです。現象的には時差ぼけのようになる。本来、太陽の動きと同調することで活動している人間の体内リズムを狂わせてしまいます。

 セロトニン神経系は脳のど真ん中にあり、心と体の機能のバランスを取る。オーケストラに例えると、指揮者のような役割をするものです。脳には、心を支配する神経が大別して3つあり、私はそれを「心の3原色」と呼んでいます。1つは赤い神経。やる気などに関係する神経で、主に「ドーパミン」という神経伝達物質が作用します。2つ目は青い神経。ストレスに反応する神経で、主に「ノルアドレナリン」という神経伝達物質が作用します。どちらも生きていくうえで、なくてはならない神経ですが、なんらかの理由でそれぞれの伝達物質がふえすぎて暴走することがあります。

 例えば、ドーパミンは快感の刺激に慣れてしまうと、さらなる快感を求めてどんどんその分泌をふやしていきます。ドーパミンの過剰な状態は、やがては過食症や依存症といった心の病につながりかねません。ノルアドレナリンは、危険を感じたときにたくさん分泌される、いわば危機管理物質で、これがないと命にかかわる非常時でも、危機を感じないことになり、身を滅ぼしてしまします。しかし、過剰に分泌が続くと普通の状態でもパニック障害やうつなどを引き起こします。

 この両者の物質の暴走をおさえ、程よくバランスを取って心を安定させる働きをしているのが、3つ目の緑の神経で、そこに作用するのが「セロトニン」です。心の中の中庸を保ち、「心身ともにスッキリ爽快」の状態を作り出してくれるのです。このセロトニン神経を強くすることで、「うつ病、自殺傾向」、「パニック障害」、「過食症、拒食症」、「慢性疲労症候群」などを治したり防止したりできます。これには、薬もありますが、それに頼るよりも、セロトニン物質はもともと自分の体内にあるものですから、自分で作り出すようにした方がベターです。

 朝は早起きし、夜は早寝し、お日さまを浴びて活動する。「早寝・早起き・朝ごはん」です。そうするとセロトニンが強化され元気が出ます。スクワット、ウオーキング、ランニング、ゴルフなど、リズムカルなものを、お日さまを浴びてします。しかし、ダラダラするとセロトニンは強化されません。無心でその運動だけに集中するのです。坐禅もまた、心をリラックスさせ、心身の元気を生み出す。このメカニズムに、セロトニンという脳内の神経伝達物質の働きが深く関与していることが明らかになっています。

 自転車に乗ることや、フラダンスでも良いでしょう。このどれかを生活のなかに取り入れ、実施してみる。最初は5分でもいいでしょう。それを30分〜40分と伸ばしてみる。3カ月間続ければ、だいぶ改善します。心身がなんとなくスッキリしてきます。6カ月続ければもっと良くなっていることが、わかるでしょう。そうしたら一生続けることができます。もともと、人間は昔から汗水流して働き、夜は早寝をしてきました。自然にセロトニンを強化してきたわけです。皆さんには、このようなことを前提にして、生活習慣の改善に気配りされることをお勧めします。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 伊藤 昭一【 東京都 】
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