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友人を饒舌にもさせず、無口にもさせない坂道=東京・高尾山

2008年02月27日06時47分 / 提供:PJ

pj
友人を饒舌にもさせず、無口にもさせない坂道=東京・高尾山
高尾山のケーブルカー山頂駅付近から眺める都心方面。(撮影:小田光康、2月26日) 写真一覧(3件)
26日、高校時代以来の友人の快気祝いをかねて、東京・高尾山にハイキングに向かった。友人は長い間、心の病で苦しんでいる。先日まで3カ月間も入院していた。家に戻ってから、外にも出歩かず、人とも話をしていないというので誘ってみた。

 電車から外の景色を眺めていると、都心から離れるにつれ、だんだんと小高い丘が見えてきた。その丘が車窓一杯に拡がり、山に変わったと思ったら、終着駅の高尾山口駅に着いた。中高年のハイカーや外国人観光客が目に付く以外、電車の中はがらりとしていた。都内から京王線で高尾山口駅まで約1時間。

 道中、先日あった高校の同窓会での話や、病院生活の話をしていた。対人恐怖症や神経症といった病らしいが、あまり詮索(せんさく)しないようにはしている。かれこれ27年間のつきあいがあるので、わたしは彼に対して特段病人扱いはしていない。高校時代と同じようにつきあっている。いや、そうするほうが友人にとっても気が楽で、落ち着くのだろう。

 去年の夏、一緒に谷川連峰を歩いた。当時は新薬のおかげで躁(そう)状態になってしまい、あまりのおしゃべりに閉口した。越後の山々の眺めや登山のほどよい疲れが友人の異常な興奮を和らげていた。それから半年、友人はその薬をやめ、もとの元気のない姿に戻っていた。そして体重も10キロほど増えていた。

 人恋しかったのかも知れない。友人は電車の中から話し続けていた。高尾山の登り始め、友人にはしんどかったようだ。30分もしないうちに休憩。高尾山程度の山歩きはいい。ちょうど良い勾配が友人を饒舌にさせず、かといって無口にもさせない。

 春一番が吹いた後とあって、歩いている最中は長袖のシャツ1枚でも寒さは感じなかった。約1時間半かけて山頂付近にある薬王院に到着した。このあたりからは都心方面が一望できる。心地よい疲労感と広々とした景色、そして穏やかな山並みが友人の心を落ち着かせたようだ。家を出るときよりも表情が明るくなっていた。

 「山に来るとなんだか元気が出るよ」「そうなんだ。じゃあ、また来よう」「夏までにお互い10キロダイエットでもするか」。こんな会話を交わして、山を下った。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康

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