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米女子ツアーは桃子に「追い風」

米女子ツアーは桃子に「追い風」
上田桃子=試合中は集中した表情であまり笑顔を見せることはない(写真/田辺安啓=JJ) 写真一覧(4件)

舩越園子の生ゴルUSA

米LPGAで開幕戦から優勝争いに絡んだ上田桃子を米メディアがこんなふうに評していた。「たとえ日本語が一言もわからなくても、ウエダがロープの内側でも外側でも並々ならぬ自信に溢れていることは伝わってくる。彼女はミヤザトのようなエレクトリックなスマイルは見せないが、ルーキーにして初戦で最終組に位置付け、ソレンスタムの前でさえも臆することなく戦う術を擁している」。

宮里藍に対する「エレクトリックなスマイル」という表現は、「スイッチを入れたらすぐに灯る電気のように即座に見られる笑顔」と取るべきか、それとも「電気器具や機械のようなオートマチックな笑顔」、あるいは「(機械的で)どこか冷たい笑顔」と取るべきか。米国人ならではの感覚ゆえ、そのあたりの真意はわからない。だが、上田に対する見方は、見事に的を射ている。

必ずしも言葉は要らない――これは、もしかしたら、これからの米LPGAの合言葉になるのかもしれない。というのも、昨今の米LPGAメンバーを見ると、国籍は多様化の一途をたどっており、韓国勢、スウエーデン勢などの外国人選手が「メジャー」で米国人選手が「マイナー」のごとき様相を呈している。

世界ランクを眺めても、トップ30の中に外国人選手が常に20人前後も位置しており、日本人も4〜5人がその中に入っている。これだけを取ってみても、女子ゴルフ界においては日本ツアーと米ツアーの格差が男子のそれより小さいことが明らかにわかる。だが、これは米女子ツアーのレベルが低いというわけではなく、日米の格差が縮まりつつあるという意味だ。

なぜ、女子ゴルフにおいては日米格差が縮まりつつあるのか。1つには、日本の女子選手のレベルアップが促進されつつあること。そして、もう1つは、米女子ツアーそのものが「世界化」し始めているためだ。

米男子ツアーは開催場所をできる限り米国本土内にすることに執着しているが、米女子ツアーはその逆で米本土外や海外へ広げつつある。今季は開幕2戦がハワイ、次はシンガポール。4月にはメキシコへ。秋以降は再びハワイに戻り、そこから韓国、日本、再びメキシコへ戻った後、最終戦にいたるというスケジュール。米本土以外の大会数は11試合で昨年より1つ増えている(開催地未定試合を除く)。こうなると、米本土では土地勘を活かせるアメリカ人やアメリカ育ちの選手たちも年間の3分の1の大会では「見知らぬ土地」での戦いを強いられるわけで、「ベテランだから」「アメリカ人だから」という優位性は薄まる。アメリカを熟知していない外国人選手やルーキー選手にとっては「朗報」だ。

「米LPGAをアメリカのみならず世界でナンバー1のゴルフツアーに成長させたい」とは、キャロリン・ビーベンス会長の言。今後、米ツアーの海外進出と世界化はますます進んでいくだろう。そんな状況下で米ツアー参戦を開始した宮里藍や上田桃子にとって、彼女たちを取り巻く「環境」は、きわめて「追い風」だ。日本で「米ツアー1勝」を挙げ、米女子ツアーの世界化を活用する形で世界の舞台にたどり着いた上田は、すでにその追い風に乗り始めている感がある。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)

米女子ツアーは桃子に「追い風」
LPGAロゴ=ロゴマークを一新して、世界に展開する米女子ツア
米女子ツアーは桃子に「追い風」
宮里藍=まだ調子はいまひとつ。試合中の笑顔は絶やさない(写真
米女子ツアーは桃子に「追い風」
キャロリン・ビーベンス(右)=韓国、スウェーデン、南米など、
 
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