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文学は災害と、どう向き合ってきたか。世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」の開催式=東京

2008年02月23日09時13分 / 提供:PJ

pj
文学は災害と、どう向き合ってきたか。世界P.E.N.フォーラム「災害と文化」の開催式=東京
「災害と文化、という独創的なフォーラムには、期待しています」と述べるユージン・ショールジン国際ペン事務局長(撮影:穂高健一、22日) 写真一覧(3件)
日本ペクラブ主催の世界PENフォーラム「災害と文化 叫ぶ、生きる、生きなおす」が2月22日、スペースゼロで開催された。総合司会は中村敦夫さん(作家、俳優)と宇野淑子(アナウンサー、朗読者)で、進められた。

 中村さんは冒頭、「むかしから突然、襲ってくる災害のことを地震、雷、火事、オヤジといわれました」と紹介したうえで、地震や雷は自然災害、火事は自然発生的や人為的なもの、オヤジに至っては戦争、環境破壊を意味する、と述べた。

 「人類の歴史はこうした災害との戦いでした。何億、何十億の人が犠牲になってきました。災害は防御策の観点だけで考えると、貧相な思考になる。平時に見られなかった世界や国家の紹介、人間の個々人の本質がにわかに立ち上がってくる、まれな機会です」。

 災害に遭遇はした人は、工夫を編みだし、教訓を引きだし、さらには新しい文化の創造にむかう。「人類の歴史はそういうものだと、私は思っています」。

 こうした観点から、世界PENフォーラム「災害と文化」は文学、ジャーナリスト、映像、美術、音楽、広い分野で活躍している表現者たちが一堂に会する、このテーマの考察を深めていくイベントだと紹介した。なお、中村敦夫さんは同クラブの環境委員会の委員長でもある。

 主催する同クラブの阿刀田高会長(小説家)が、世界PENフォーラムの開会を宣言した。「このごろ世界で、地球温暖化なのか、原因ははっきりしませんが、自然災害が多く発生しています。TVニュースなど映像的はすばやく実情を報告しています。当然ながら、文学はドキュメンタリー的手段にはとてもかなわない。しかし、文学は災害にかかわってきた。このフォーラムでは災害と文学、ひろく文化という視点でとらえてみたい」と述べた。

 「災害が起きたとき、逃げることが最も大切です。すぐあとには救助が必要。次はお金を中心とする経済的な援助。そのあとで今後二度と起きないような予防とか対策とかを考えねばならない。この辺りから、災害に遭った方々を慰めることが必要になってくる。ある意味で、それらが過ぎ去った後で、いったい災害と人間とはどうかかわっているのか、という文学の役割がジワリじわり出てくる」と、解析してみせた。

 阿刀田さんは13世紀に書かれた、日本の代表的な随筆文学である鴨長明『方丈記』を紹介する。それは災害の悲惨さを綴ったものである。『ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず』はひときわ有名だ。

 当時の京の都は大火、つむじ風、飢饉、大地震、さらには都が崩壊し、遷都までおこなわれた、という背景がある。個人の力ではいかんともしがたい苦難だった。文人の鴨長明がたどり着いたのは、浮世の喜怒哀楽から脱却し、財産を捨て、仏門だった。

 「方丈記は災害に遭ったら、諦観というか、あきらめて坊さんになれと、読めなくもない。しかし、災害への対応が、諦めではじまったら、さまにならない」と話す。

 「災害は、人間生活に大切なもの、かけがえのないものを失っていく。それも、くり返し、くり返しおこなわれていく。災害と人間の生き方。これは文学がいちばん適切に対応できるところです」と同フォーラムの意義を述べた。

 阿刀田高会長の開会挨拶のあと、国際ペンのユージン・ショールジン事務局長、特別協賛である「全労済」理事長の石川太茂津さんの挨拶があった。【了】

■関連情報
世界PENフォーラム「災害と文化」
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一

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温暖化  ドキュメンタリー  ジン  
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