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ストレス世代の『2ちゃんねる』利用法とは?

ストレス世代の『2ちゃんねる』利用法とは?

「千葉の女子小学生を殺しちゃいます」とインターネット掲示板『2ちゃんねる』に書き込んだ無職男を脅迫容疑で逮捕。相変わらず人騒がせな『2ちゃんねる』だが、この巨大掲示板にハマってる人は少なくない。ストレス世代の「読むだけ〜」派が語る『2ちゃんねる』有効利用法を聞いてみた。

大手電機メーカーに勤める加藤さん(仮名)は、46歳の中間管理職。上司と部下の板挟みで毎日が苦労の連続だ。そこへもってきて労使間の紛争が勃発、否応なく加藤さんも紛争に巻き込まれてしまった。そんな時に同僚に教えてもらったのが『2ちゃんねる』の存在だった。仕事がらコンピュータは毎日のように扱っていたが、インターネットにはほとんど興味がなく、当然『2ちゃんねる』のことも知らなかった。

「3年ほど前、同僚に“おまえ、『2ちゃんねる』も知らないのか”って言われて、初めて見たときは衝撃的でした。自分の会社名で検索をしたらものすごい数の書き込みが出てきて、ほんとにびっくりしました。うちの会社の労使紛争は有名ですから、それだけ世間の関心も高いということなのでしょうね。でも、読んでいると明らかにうちの社員が書いたんだな、という書き込みもあり、正直ゾッとしました」

加藤さんにとって、本音剥き出しの書き込みは、怖いと思う反面、読まずにはいられない「毒」の魅力があった。またメーカーとして、クレーマーが書き込んだと思える製品についての話も参考になることが多い。「どうしようもない書き込みも山ほどありますが、インテリジェンスを感じる書き込みもたくさんありますから。よくも悪くも刺激になっています」。

フリーライターのタケシさん(30歳)は、ある大手出版社の雑誌数誌に記事を書いているが、時にはライバル出版社の雑誌に別の名前で記事を書くこともある。「俺たちフリーランスのライターにとって、編集部の人事異動や人間関係ってすごく重要なんです。編集長やデスクが交代になると、クビになるのは珍しい話じゃありません。業界には常にアンテナを張りめぐらしておくことの一環に、『2ちゃんねる』チェックも入っています」。

出版関連の『2ちゃんねる』ネタは、かなりコアなものがあるとタケシさんは語る。特にメジャー雑誌の編集長交代にまつわること、あと誰それが不祥事を起こして懲戒処分をくったとか、病気入院とか、内部のものでないとわからないかなり詳細な情報が『2ちゃんねる』に流れる。「ある大手出版社のメジャー雑誌に、評判の美人編集長が就任したときは、あることないことが書き込まれて、それはもう大騒ぎでしたよ。彼女の後を尾けていったんじゃないと絶対にわからないような書き込みなんかもありました。仲間内で“あいつが書いたんじゃないか”って、犯人探しでけっこう盛り上がりました」。

『2ちゃんねる』が匿名だからといって、安心し切って乱暴な書き込みをするのは、かなりヤバいとタケシさんは言う。「コアなものだと、意外にわかってしまうこともあるんですよ。特に名指しで書かれたほうが犯人探しを始めると、けっこうキツいです。ほとんどが書き込みに対して腹立ててるケースが多いですからね。粘るなんてもんじゃありません」。

今回「小学生を殺す」と書き込んで捕まった男も、『2ちゃんねる』は匿名だから、絶対に特定されないと安心し切っていたという。だが意外に書き込んだ本人を特定されているケースは多いという。また狭い業界の中では、特定はされないまでも、「あいつが書き込んだんじゃないか」という噂に首を絞められることもあるという。

「今度のつかまった男の話、人ごとじゃありません」と話すのは、ある証券会社に勤める中島さん(32歳・仮名)。中島さんは会社の中では将来有望な証券マンとして上司の信任も厚く、女子社員からも人気が高い。実はそうした評価は中島さんの一面の顔で、もう一つ、かなり年季の入った2チャンネラーの顔もある。

「有能な証券マン、爽やかな先輩を演じるのは、すごい疲れるしストレスも相当たまるんです。で、そうした日々のストレスを発散させるのが『2ちゃんねる』なんです。僕は酒も飲まないしタバコも吸わないし、女遊びもしない。そんな日々のモヤモヤとかイライラを『2ちゃんねる』にぶつけるとスカッとします」。

『2ちゃんねる』にはいろいろなスレッドが立っているが、たいていの人は書き込みを読むだけで満足してしまうが、中には書き込まずにはいられない人も少なくない。「匿名だから何でも書けちゃう。もちろんテーマを選びますけど、掲示板上で見知らぬ相手と論争になると、それこそ日ごろのぼくからは想像もつかない汚い言葉を書きつけることもあります。それがすごく気分がいいんです。自分の生のセリフで書けるのが、こういった匿名掲示板の魅力ですね」。

ただ怖いのは、そういった感覚に麻痺して来ている自分に気付くことだと中島さんは言う。「今回逮捕された無職男も“他の人の反応が楽しみだった”って言ってたけど、彼の気持ち、よくわかるんです。だんだんエスカレートている自分に気付くと同時に、相手の反応を楽しみにしている自分がいる。今度捕まった男と何ら変わりはないですよね」と、中島さん。

インターネットの掲示板はどう使おうと、使う側の勝手だが、少なくとも人を傷つけたり、刑事事件になるような悪質な書き込みだけは許されない。ストレスをぶつける対象として利用するのもわかるが、自分の中にある悪意を増幅させるような使い方だけは、避けてほしいと願う。(取材/XIXOX江川)


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