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【独女通信】凶暴化する女たち

2008年02月18日18時00分 / 提供:独女通信

独女通信
【独女通信】凶暴化する女たち
「私が殴ったところで、男性は痛くもかゆくもないと思ってたんですよね」と、ハルミさん(38歳)は言う。大阪出身の彼女は恋人や男友だちと飲んでいるとき、相手の冗談にツッコミをいれるつもりで、相手の頬に拳を入れていた。「もちろん本気で殴ってはいないけど、ちょっと力はこめました。その方が面白いし相手も笑ってるし」。ただ、そのうち一度、恋人が額関節を歪めて大変なことになってから、顔を殴るのはやめたという。男性と喧嘩になっても暴力を振っていたのかと聞いたところ「私はしませんよ。男の人コワいですもん。でも、彼との喧嘩で殴る蹴るする友だちはいますね。そういう子の彼はぜったい彼女に手を出したりしませんけど。あれを暴力とは呼びますかね」と彼女は笑った。

「女の子が乱暴なことをしてはいけません」といわれた時代はもう遠く、テレビでは女性の暴力で笑いを取るようなシーンも多くみかける。笑えるうちはまだいいが、相手に深刻なダメージを与える事件も増えつつあるようだ。2005年内閣府による「男女間における暴力に関する調査」では、「これまでに“身体に対する暴行を受けた”ことが『あった』人は女性26.7%、男性13.8%だ。“精神的な嫌がらせを受けた、あるいは恐怖を感じるような脅迫を受けた”ことが『あった』人は女性16.1%、男性8.1%。“いやがっているのに性的な行為を強要された”に関しては、『あった』人は、女性15.2%、男性3.4%という結果で、差はあるものの男女共に被害の経験があることがわかった。

これまでに配偶者から何らかの被害を受けたことのある人に、その行為を初めて受けた頃、相手との関係をどうしたのかを聞いたところ、「別れたい(別れよう)と思ったが、別れなかった」(女性43.2%、男性21.4%)という人は男性より女性に、「別れたい(別れよう)とは思わなかった」(同38.5%、60.4%)という人は女性より男性にそれぞれ多くなっている。男性は暴力を受けても別れようとはしないようだ。

2006年に出版された「暴れる系の女たち」(衿野未矢著)には、さまざまな「暴力をふるってしまう女たち」がレポートされている。その中で「夫や恋人」に暴力を振るってしまう女性たちの行動は、「恋人に受けいれて欲しい」「夫に守って欲しい」という「弱さの発露」が原因であるように思われた。そして相手の男性は、暴力を振るうパートナーをかばい、それゆえにその女性を愛しているような発言をする。女性は「愛してくれ」と殴り、男性は「愛の証」として受け入れる。浮気などのパートナーに対する背信行為も「殴られていれば許してくれる」と、あえて「殴ってもらう方」を選んでいる場合もある。

「女を殴るなんて卑怯だ」という常識も、殴る女性を助長させている部分もある。そして上記ハルミさんのように「私が殴っても相手はダメージは受けない」という過信も手伝っているのだろう。実際に女性が全力で男性を殴っても、男性は立っていられるだろうが、男性が全力で殴ったら女性は壁に吹き飛ぶのである。それを知った上での女性から男性への「暴力」は「甘え」以外の何者でもない。

しかし「相手が許す」ことを前提に、「許されるから殴っていい」と認めてしまったら、「夫のDVが酷くなるのは、耐える妻の共依存のせいである」という図式をも認めることになり、「被害者の非」を肯定することになりかねない。

衿野氏は著作の中で「彼女達にとって暴力は悲鳴であり、すがりつくためのコミュニケーションツールであり、不安や絶望の果てのやぶれかぶれである」と記している。とはいえ、衿野氏も暴力を肯定しているわけではない。どんな理由があるにせよ、「暴力」を「暴力」だと認める必要があるということなのだ。
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