「頑張れば夢かなうは幻想、傲慢」 山田太一発言ネットで大反響
2008年02月17日18時35分 / 提供:J-CASTニュース
「頑張れば夢はかなう」とは良く聞く言葉だが、脚本家で作家の山田太一さんが雑誌のインタビューで「(これは)傲慢だと思っている」「頑張れば何でもできると思うのは幻想だ」などと発言したことが大反響を呼んでいる。インターネット上でも「その通り」という意見から「頑張らなければそこでおしまいだ」という意見まで様々だ。
「前向きに生きるには、可能性のよき断念こそ必要」
山田太一さんのインタビューが掲載されたのは2008年2月19日号の『日経ビジネス アソシエ』。「あれもこれもやろうとしているビジネスパーソン」にむけたメッセージとして、山田さんは記事の冒頭で、
「『あきらめるな』とよく言います。だから誰でもあきらめさえしなければ夢がかなうような気がしてきますが、そんなことはあまりない。頑張れば何でもできると思うのは幻想だと僕は思う。成功した人にインタビューするからそうなるのであって、失敗者には誰もインタビューしないじゃないですか」
と述べている。さらに、「人間は、生れ落ちた時からものすごく不平等なんです」として、国籍や容姿を選べないことなどを挙げて、「限界だらけで僕らは生きている」と指摘。
「そんなにうまくいかないのが普通なんです。その普通がいいんだと思わなければ、挫折感ばかり抱えて心を病んでしまう」
と説いている。そこで、山田さんは
「僕は一握りの成功者が『頑張れば夢はかなう』と言うのは傲慢だと思っています。多くの人が前向きに生きるには、可能性のよき断念こそ必要ではないでしょうか」
と主張しているのである。その後、山田さんはインタビューのなかで、「自己限定」を貫く生き方について語っている。
この山田さんの主張は、インターネット上でも大きな反響を呼んだ。
はてなブックマークでは、同誌発売後、このインタビューをめぐって150件以上のブックマークが付けられ、「成功者は皆努力している」「夢がかなうと言うのは幻想、と、おれも思う。努力と夢は別問題」「でも夢が未来への原動力なんだよね」と様々なコメントが寄せられた。
「2ちゃんねる」でも、賛否両論の議論
さらにネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」でも、山田さんの主張についての書き込みが相次いだ。
「まあ、普通にそのとおり、といったところだな」
「少なくとも『頑張れば夢は叶うお』的な嘘つき応援歌よりは説得力ある気がする」
「本当のことだな。失敗者がいるから成功が成り立つわけで」
といった賛成意見から
「言っている事はその通りだが頑張らないとまず叶わないから頑張ったほうが良いでしょ」
「意味不明。何でもすぐ諦めるヤツのが大半だから『諦めるな』と言う言葉が存在する。『諦めてもいいだんよ』と言ったところで、何のアドバイスにもならん」
「へぇ〜!数少ない成功者が一般人に夢を見るなって、、、それはまた傲慢な御言葉ですね」
「成功するとは限らくても、頑張らなければそこでお終いだろ」
といった意見まであって、賛否両論の議論が続いた。
その後、ブログなどでも山田さんの発言が話題にされ、「夢のために頑張る」ことが何なのかをめぐって、ネット上では様々な意見が飛び交った。
仕事情報誌『アントレ』(リクルート)の元編集長で人材コンサルティング・セレブレインの高城幸司社長はJ-CASTニュースに対し、山田さんの主張について「よく分かります」とした上で次のように話す。
「私は、『あれもこれも』という若者について否定はしませんが、生き急がないで人生を楽しんで欲しいと思いますね。頑張ることは大事ですが、死ぬ気で頑張っても、その後も人生は続きます。だから、頑張ってる自分に満足してはいけないと思います」
高城社長によれば、20代の経営者の中には夢のために頑張りすぎて、突然「ガス欠」してしまう、いわゆる「燃え尽き症候群」になってしまう人もいるという。経営者やビジネスマンとしてうまくやっていくには、失敗しても「また次があるさ」と切り替える能力が必要という。
「長い人生では、最初に思い描いた夢とは違う夢が自分の夢になったりします。子供の頃ハンバーグが一番好きでも、40代になったら寿司が好きになったりするでしょう?夢とか頑張りというのは瞬間的な出来事なんです。若い頃は俯瞰する能力がまだついていない。20代の頃の夢が全てではない。そこを勘違いしてはいけないと思います」
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