デビューから8427日目となる16日のセリエA第23節アウエーのパルマ戦で、プロ通算1000試合目を向かえようとしているACミランの主将パオロ・マルディーニ(39)が、独占取材に応じた。マルディーニと記者の一問一答は以下の通り。

――どのようなスコアーが一番多かったかご存知ですか?
「1―1か0―0かな?」

――2番目と3番目です。1番多かったのは、1−0の勝利です。
「まぁ妥当な結果だね。ゴールを量産することは難しい。ACミランは1−0の辛勝がほとんどだった時期があった」

――もう1度その瞬間に戻りたい感動の試合は?
「平凡だけど、1985年1月20日のウディネーゼでのデビュー戦だね。あの日、ACミランの一員となったんだと実感した」

――VTRで見たい試合は?
「自分の初ゴール。コモ戦だった(1987年1月4日)。それからイタリア代表での初ゴール。フィレンツェで行なわれたメキシコ戦(1993年1月20日)。

――息子クリスチャン君に教えることは?
「サイドラインを割りそうなボールでも絶対に諦めるなということだ。諦めてはならないと教えることは重要だ。自分はフランコ・バレージからそのことを学んだ」

――再戦が可能だとしたら、結果を変えることができると確信できる試合は?
「イスタンブールでの欧州CL決勝戦(リバプール戦)。あれ程悔しい思いをした試合はない」

――あなたにとってベストゲーム、ワーストゲームは?
「最高の1戦を選ぶことは難しいが、イタリア対メキシコ戦かな?最悪もまた難しい。なぜなら不満を抱きながらピッチを後にすることが頻繁にあるから…」

――番影響力のあった監督は?
「リードホルムだ。彼の指導は素晴らしかった。それからビチーニ、サッキそしてカペッロ。彼らから多くを学んだ。そして経験を積み、ある程度の年齢に達してからは自分が若手に指導している」

――23年前と現在の審判のレベルは?
「難しい質問だ。現代の方が、はるかにプレーが早くなっている。審判はオフサイドを判断するのが精一杯になっているのでは…」

――イタリア代表でのキャップ数が126。あなたの最多記録にカンナバーロがあと14と迫っていますが、記録を塗り替えられたくはないですか?
「少しはそう思うかな。でも、一番残念なのは、W杯で優勝経験がないことだ」

――次に1000回達成したいことは?
「息子達の試合を1000試合見たいね。500試合ずつでもいいけど」

――あなたがこれからデビューする選手だと仮定して、23年間で1000試合出場を実現出来ると思いますか?
「はい。今の方が試合数は多いし、練習内容も改善されているからね」.

――あなたの引退表明で、あなたを見て育ったサポーター達も『もう自分も若くないんだ』と実感しているのでは?
「そうですね。我々の世代は過去の栄光にすがっているところがある。『今とは全く違う。昔は良かった。』とつい口に出てしまう。でも現実逃避してはいけない」

――後悔していることは?
「何もない」

――息子クリスチャン君にアドバイスは?
「自分も選手の息子だったので、何が嫌でどういうことなら受け入れられるかを理解してやれる。自分はクリスチャンからどうすれば良いか相談されたときに答えてやりたいと思っている。プレーについては、自分は口出しせずに優秀な監督に一任している」

――子供に受け継いでもらいたいことは?
「スポーツと対戦相手に対する敬意。自分はこれまで侮辱されたりブーイングされたりしたことがない。常に本当の自分の姿をさらしてきた。だから人々から愛される選手になれたんだと思う」