【コラム】ダイヤモンドS/ステイヤーの血が開花 マンハッタンスカイ
長距離戦は好きだ。
そこには様々な魅力があるからだが、何よりも『その道のスペシャリスト』を見出す楽しみがある。
ごまかしのきかない府中の長距離戦ダイヤモンドSは、これまでも例外なく見るものの期待を裏切らないスタミナ勝負が繰り広げられてきた。今回も“その道のスペシャリスト”つまり『ステイヤー』を見出したいものだ。
今回のメンバーでは長距離実績があるアドマイヤモナークが断然の支持を集めるだろうが、ぜひとも買ってみたいのがマンハッタンスカイだ。
血統論はその道のプロに任せるが、菊花賞馬の父に加え、母方がスタミナ血統の代名詞・プリンスキロの系統であるという血統表を見る限り、少なくともステイヤーとしての下地はあるはず。だがそれよりも重視したいのは前走・迎春S(1月20日 中山2500m)のレース内容だ。
迎春Sといえば勝ったコンラッド、そして2着エフティイカロスも今回の出走表に名を連ねている。しかしそれでも3着に終わったマンハッタンスカイを推す理由は……論より証拠、レースリプレイとラップタイムを見直していただくのが一番だろう。
スタートしてからスタンド前まではハナを争い、キングエクスプレスに絡まれた。ようやく振り切って先頭に立つが、今度は向こう正面で急にハミを取ったビッグベアシチーに競りかけられる。それでもなんとか先頭は死守し、直線に入るというレース展開だった。
このレース、後半1000mのラップタイムは[11秒4―11秒9―12秒3―11秒8―12秒2]でトータルは[59秒6]。ちなみに全く同じ条件で行われた昨年暮れの有馬記念、後半1000mが[60秒7]だから準オープンとしては破格のラップといってもいい。実際、道中絡んできた2頭の着順は12頭立ての10着、そしてシンガリ大差負けの12着に終わっている。
最後は上位2頭の“切れ味”に屈した格好も、本馬のラスト1ハロンは推定12秒4で大きくバテているわけではない。残り2ハロン目[11秒8]は本馬が踏んだタイムだが、この2段スパートともいうべき数字も「ステイヤー」としての高い資質を感じさせる。
今回が初騎乗となる柴田善騎手には、迷うことなく逃げの一手に出てもらいたい。4コーナー手前から後続を突き放すといった強気な騎乗ができれば、鞍上も驚くほどの粘り腰を見せてくれるはずだ。(佐藤恭壽)
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