■バンダム級/5分3R
マニー・タピア vs アントニオ・バヌエロス
○[3R終了/判定]×

マリアッチの演奏とメキシコ国旗、ソンブレロを被って入場したタピアは、WECの軽量+ヒスパニック路線に則した殴れる柔術ファイター。戦績はこれまで9勝1分けと、ほぼ完璧なもの。一方のバヌエロスは殴れるグレコローマンレスラーで15勝4敗、この階級の選手では経験が豊富なファイターといえる。

試合は距離の取り合いから、タピアの右フックでスタートを切った。非常に低い態勢で構えるバヌエロス。タピアはやや前傾姿勢から左右のフック、マバヌエロスは右を返していく。バヌエロスのタックルを切ったタピアの顔面にパンチが直撃、姿勢を崩す。低い低いタックルを仕掛けたバヌエロスだったが、勢いがない。タピアはスタンドをキープして亀の状態のバヌエロスにパンチを落とし、バックへ。パスに成功したが、バヌエロスが背中をあずけた時点で自ら立ち上がる。

続けて、タピアの右ストレートをかわして投げを狙ったバヌエロス。タピアはガードからのアームロックを仕掛け、バヌエロスの脇があいたところでバックに回るという見事な動きを見せる。その後、ニーを受け、ダメージをごまかすようにタックルをしかけタピアだったが、バヌエロスが直後にスイープ。ここで1Rが終了した。

2R、プレッシャーをかけるタピアはリーチの長さを活かして、パンチで攻める。打ち合いに応じたバヌエロスだったが、ここでタピアの右フックがヒットし、バヌエロスがキャンバスに崩れ落ちる。

バックをキープしたタピアは、スタンドへ戻る際にバック肘を受けてしまう。右アッパーから組み付くタピア、バヌエロスはボディへのニーで対抗し、反対にケージに押し込んでいく。続いて右脇を差して、左フックを見舞うバヌエロスがテイクダウに成功。ハーフガードからエルボーを落とすバヌエロス、下から蹴り上げたタピアがスタンドに戻る。

タピアの右ローに、バヌエロスが右ストレートを合わせる。ラウンド終了直縁にスピニングキックを見せたバヌエロス、バンタム級にしてはややスピードに欠けるが、互いに一歩も引かない一進一退の攻防は、最終ラウンドへ。

3R、前へ出るタピア、かわしながらカウンターのパンチ+テイクダウンを狙うバヌエロスという展開が続いた。バヌエロスが胴タックルからテイクダウを奪い、バックコントロールからパンチを顔面に見舞っていく。体を入れかえ、立ち上がったタピア。パンチで攻めたいが、なかなか距離を詰めることができない。レスリング・テクにペースを掴みつつあるバヌエロスは、タピアのパンチにしっかりカウンターを合わせていく。

決定機を演出したいタピアがジャンピングニー、バヌエロスがバックスピンキックを見舞ったところで試合終了。WECがプッシュするバンタム級トップコンテンダー対決は爆発力を欠いたまま判定の時を迎えた。ジャッジの裁定は30−27でタピア、29−28でバヌエロス、最後の一人は北米MMAでは非常に珍しい28−28のスコアで、スプリット・ドローに。

しかし、タピアが「ここには戦いに来たのに――」と語り、「家族、チーム、友人に謝りたい」とバヌエロスがコメントした直後、スコアの訂正がコミッションから告げられる。最後のジャッジは29−28をつけていたということで、タピアの勝利となった。

打撃にはさがっていたバヌエロスだが、テイクダウンとグラウンドでは制したシーンもあっただけに、北米MMAのボクシング優勢が実証された判定といえるだろう。

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