【カオス通信】男塾か、ビーンか、俺フィギか?! 日英米ギャグ映画大決戦
■『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(イギリス映画)
監督:スティーヴ・ベンデラック
テレビCMで「カンヌで大・迷・惑!」というフレーズが耳に残ってたので、なんとなく観てみました。窓口でチケットを買う時に立ち見になるかも知れないと言われ、そんなに人気なのかと思ったら客席数が少なめの映画館だったというプチドッキリもありましたが、ガチで満席だったので自然と期待は高まりました。
「さすがに年食ったなあ」というのが久しぶりに見たビーンの第一印象。ちなみにビーン役のローワン・アトキンソンは、1955年生まれで今年53歳。ほとんどセリフのない身体を使ったギャグで頑張るには少々痛々しく見えるお年頃です。それでも映画の中盤辺りではすっかり慣れてくるので、それほど問題ありません。
ビーンのノリは、志村けんが「アイーン」や「だっふんだ」をひたすら頑張っているような感じ。そのせいか、特に子供達に大好評! 目玉をギョロギョロさせたり、ズッコケるベタなギャグシーンでは高確率で子供から爆笑を取ってました(大人はクスクス笑う)。普段はジェントルマンで知られるローワン・アトキンソンの新作映画ということで、もっと知的なジョークで笑わせる感じかと思ってましたが、全然違ってました。
内容は正直かなりくだらないんですが、次々にトラブルが発生するので退屈せず、ロケ地・フランスの風景を美しく切り取るカメラワークも秀逸で意外なほど楽しめてしまいました。何気に全世界32カ国で初登場No.1を取った作品だけはあります。
ビーン以外の出演者で気になったのがウィレム・デフォーです。ゴブリン役で出演した映画『スパイダーマン』(2002年作品)を観た時から絶対コメディ向きと思っていたので、このキャスティングは嬉しいサプライズでした。本作におけるナルシストで典型的なハリウッド映画の監督役は個人的に一番のお気に入りです。
本作はギャグ作品にありがちな下ネタがないのに面白く、見終わった後にほのぼのさせてしまうストーリーも後から考えると感心しきり。これはDVDで一人で観るよりも映画館で大勢で楽しむべき作品としてオススメしておきます。
総合評価:75点
作品寸評:意外に面白い。最高にくだらないのに、映像が美しいのが印象的。
■『俺たちフィギュアスケーター』(アメリカ映画)
監督:ウィル・スペック/ジョシュ・ゴードン
「あまりにも面白いので、劇場公開に踏み切った」という話を聞いていたので観る前からハードルが上がりまくりだったのが本作。こういう時は結果的に裏切られることも多いのですが、そんな心配は無用でした。これは文句なしに面白いです。
ただし下ネタが相当大盛りなので、その辺が苦手な人は引くかもしれないというのが難点と言えば難点。いい意味で最高に頭の悪い映画なので、下ネタが大丈夫で細かいことを気にしなければギャグ映画としてはほぼパーフェクトな作品といってもいいかと。
主人公は、スケートの才能を見込まれて養子として育ったジミーとセックス中毒でメタボな中年ボディのチャズの二人。最初はシングルでライバル同士だったのが、ささいなことでケンカをしてスケート界を追放。その後、起死回生の復帰をかけて男同士のペアでフィギュア界に乗り込むという内容です。おおまかなストーリーはオチまでなんとなく見抜けてしまうシンプルなものですが、途中の過程が練り込まれているので見応えは十分。
ギャグ漫画をそのまんま実写化したような感じで、ありえないアクションやシチュエーションが満載。もっと自然な感じにできるはずのSFXも、あからさまにバレバレに見せてるところも素晴らしいです。
スポ根の要素もあり、犬猿の仲だった二人が様々な葛藤を経てペアとして成長していく姿には、昭和のジャンプ作品的なテイストを感じてしまいました。全米で『オーシャンズ13』を超える興行成績(1億1800万ドル!)を記録したのは、こういう「熱い」部分の影響もあったと思われます。
パンフレットが制作されてなかったらしく劇場でチラシを入手するだけというのはちょっと寂しかったですが、それを除けば本作の劇場公開は本当に意義のある決断だったと思う次第。DVD発売の際は詳細なガイドブックを特典に付けてくれると嬉しいかも。これは買っちゃいそうです。
総合評価:88点
コメント:ギャグ映画の傑作。下品なギャグもあれだけ堂々と演じられたら文句なし。
■カオス通信バックナンバー
・毒ギョーザだけじゃない 漫画で読む「危険な中国」
・舘ひろしが挑む“あぶない『ゴルゴ13』”
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・ヤッターマンも不発!不評だったTVアニメの主題歌たち
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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。
Copyright 2008 livedoor. All rights reserved.
監督:スティーヴ・ベンデラック
テレビCMで「カンヌで大・迷・惑!」というフレーズが耳に残ってたので、なんとなく観てみました。窓口でチケットを買う時に立ち見になるかも知れないと言われ、そんなに人気なのかと思ったら客席数が少なめの映画館だったというプチドッキリもありましたが、ガチで満席だったので自然と期待は高まりました。
ビーンのノリは、志村けんが「アイーン」や「だっふんだ」をひたすら頑張っているような感じ。そのせいか、特に子供達に大好評! 目玉をギョロギョロさせたり、ズッコケるベタなギャグシーンでは高確率で子供から爆笑を取ってました(大人はクスクス笑う)。普段はジェントルマンで知られるローワン・アトキンソンの新作映画ということで、もっと知的なジョークで笑わせる感じかと思ってましたが、全然違ってました。
ビーンはあまりにも強烈なトラブルメーカーですが、なんだかんだ言ってピンチを自力で乗り切っていきます。ある意味見習いたい。 |
内容は正直かなりくだらないんですが、次々にトラブルが発生するので退屈せず、ロケ地・フランスの風景を美しく切り取るカメラワークも秀逸で意外なほど楽しめてしまいました。何気に全世界32カ国で初登場No.1を取った作品だけはあります。
ビーン以外の出演者で気になったのがウィレム・デフォーです。ゴブリン役で出演した映画『スパイダーマン』(2002年作品)を観た時から絶対コメディ向きと思っていたので、このキャスティングは嬉しいサプライズでした。本作におけるナルシストで典型的なハリウッド映画の監督役は個人的に一番のお気に入りです。
本作はギャグ作品にありがちな下ネタがないのに面白く、見終わった後にほのぼのさせてしまうストーリーも後から考えると感心しきり。これはDVDで一人で観るよりも映画館で大勢で楽しむべき作品としてオススメしておきます。
総合評価:75点
作品寸評:意外に面白い。最高にくだらないのに、映像が美しいのが印象的。
■『俺たちフィギュアスケーター』(アメリカ映画)
監督:ウィル・スペック/ジョシュ・ゴードン
「あまりにも面白いので、劇場公開に踏み切った」という話を聞いていたので観る前からハードルが上がりまくりだったのが本作。こういう時は結果的に裏切られることも多いのですが、そんな心配は無用でした。これは文句なしに面白いです。
ただし下ネタが相当大盛りなので、その辺が苦手な人は引くかもしれないというのが難点と言えば難点。いい意味で最高に頭の悪い映画なので、下ネタが大丈夫で細かいことを気にしなければギャグ映画としてはほぼパーフェクトな作品といってもいいかと。
渋谷シネマGAGA!の動員記録を作った『俺フィギ』。見れば見るほど悪趣味なデザインの看板であります(褒め言葉的な意味で)。 |
主人公は、スケートの才能を見込まれて養子として育ったジミーとセックス中毒でメタボな中年ボディのチャズの二人。最初はシングルでライバル同士だったのが、ささいなことでケンカをしてスケート界を追放。その後、起死回生の復帰をかけて男同士のペアでフィギュア界に乗り込むという内容です。おおまかなストーリーはオチまでなんとなく見抜けてしまうシンプルなものですが、途中の過程が練り込まれているので見応えは十分。
ギャグ漫画をそのまんま実写化したような感じで、ありえないアクションやシチュエーションが満載。もっと自然な感じにできるはずのSFXも、あからさまにバレバレに見せてるところも素晴らしいです。
スポ根の要素もあり、犬猿の仲だった二人が様々な葛藤を経てペアとして成長していく姿には、昭和のジャンプ作品的なテイストを感じてしまいました。全米で『オーシャンズ13』を超える興行成績(1億1800万ドル!)を記録したのは、こういう「熱い」部分の影響もあったと思われます。
パンフレットが制作されてなかったらしく劇場でチラシを入手するだけというのはちょっと寂しかったですが、それを除けば本作の劇場公開は本当に意義のある決断だったと思う次第。DVD発売の際は詳細なガイドブックを特典に付けてくれると嬉しいかも。これは買っちゃいそうです。
総合評価:88点
コメント:ギャグ映画の傑作。下品なギャグもあれだけ堂々と演じられたら文句なし。
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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。
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