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【働くエンジニア サイトーくん】どうしても苦手な顧客とのやり取り

【働くエンジニア サイトーくん】どうしても苦手な顧客とのやり取り
 TAIHENソフトウェアのSEであるサイトーくん。実は社内的に正式にSEという肩書きとなったのはつい3ヶ月前のことだ。名刺も「システムエンジニア」と書かれたものが手渡されたのだが、実はこれが現在のサイトーくんにとって憂鬱のタネとなっている。そう、一般でいうプログラマからSEへと昇進したことで、サイトーくんには大きな課題が課せられたのである。

「ポンポコ商事の多抜部長。あのおじさんだけはとにかく苦手。何でいつも、無理難題ばかり吹っかけるんだよ。先週のシステムダウンだって、元はといえば多抜課長が、めちゃくちゃな仕様変更を要求してきたことが原因なのに……。あぁ、明日も休んじゃおうかなぁ……」

 そう、多抜部長に限ったことではないけれど、サイトーくんは顧客との折衝というのが苦手なのだ。実質的な仕事は、これまでのプログラマ時代と大差ないけど、SEになると開発だけでなく、顧客とのやりとりが必須なのだ。最初の頃こそ、サイトーくんの上司である出任課長も同席してくれていたが、最近は一人で月曜・水曜の午前11時からのミーティングに出席しなくてはならないのだ。

「サイトーくん、今度の水曜日までにこの前のミーティングで出た話を入れた仕様書を作っておいてよ。それからさぁ、当然だけど今後は1分たりともシステムダウンは許さないよ。昨日のダウン、損害賠償とか請求できないもんかね。こんなことじゃ、次回はもうオタクには頼めないねぇ……」

 嫌味な口調の多抜部長とのミーティングには、いつもゲッソリとしてしまうサイトーくん。もともと口数が少ないこともあって、ミーティング中も「はぁ」とか、「すいません」といった言葉しか出てこないから、余計に叩かれてしまうのだ。とにかく気が重くなって、常に頭の片隅から多抜部長のことがあり、最近は夢にも出てうなされる日々。ついに昨日の朝は頭が痛い気がしてきて、休んでしまったのだ。

「でも、このままズルズルしていても、うまく進まないし……。3月いっぱいでポンポコ商事のプロジェクトは終わる予定だから、それまでなんとか辛抱するしかないんだよなぁ。やっぱりプログラマ時代のほうがずっとよかったなぁ」

 明日のミーティングが何事もなく終わることを祈っているサイトーくんであった。

■ポイント
SEの採用条件として「技術力とコミュニケーション力」の2つを挙げる企業は多く、その中でコミュニケーション力に比重を置く企業もかなりある。

なぜなら、システム開発は、顧客のニーズを引き出し、その要望に応えることが最大の任務だからだ。一方でエンジニアには、口下手でコミュニケーションに自信がないという人が多いことも事実だが、口下手だったり口数の少ないことがコミュニケーション力がないということにはならない。

お互いでの情報共有ができ、顧客との信頼が築ければ、口下手であっても、しっかりとしたコミュニケーションは可能なのだ。苦手意識を持っている人も多いが、ちょっとした工夫やテクニックでコミュニケーション力が飛躍的に上達することもある。コミュニケーション力アップのための書籍なども数多く出ているので、そうした知識を身につけておくことはこれからのエンジニアの処世術としても重要だと考えるべきだろう。

もちろん、トラブルなどが起こった際は、自分で抱え込まず上司や同僚への報告・相談をすることも、エンジニアとして大切な仕事だ。

1人で抱え込まずにまずは相談。DODAエンジニア

イラスト:ふくた伊佐央-デイリー4コマ

■バックナンバー
ホントは残業代、キッチリもらいたいところだけど……

■働くエンジニア サイトーくんとは
32歳、TAIHENソフトウェアのSE。某私立大学工学部を1浪1留で卒業。
人より半歩先行く技術を持っていると自負しているが結構から回りが多い。入社3年後に大学時代の彼女と別れて以来、彼女なし。仕事も私生活も、一歩進めたいけど、ほとんど変わらないまま早5年が経過。そんなサイトーくんの日常を描いたストーリーを全8回に渡ってお送りします。
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