【サムライ通信】ワールドカップ予選の厳しさ
2008年02月08日19時55分 / 提供:livedoor スポーツ
過去2大会ワールドカップアジア予選の初戦は、1−0と辛勝という記録があるだけに、4−1という結果には大きな安堵感があるのは事実だ。「内容よりもまずは勝ち点3」そのことが最も重要な1戦だったうえ、監督が代わりチーム始動してから3週間ということを考えてもこの結果は大きい。
しかし、タイと日本とのレベルの差、しかも主力選手を出場停止で欠き、退場者をひとり出している相手に対しての4−1というのは、当然と言えば当然なのかもしれない。日本は前後半で18本のシュートを放っているが、そのうち枠にいった本数はそう多くは無かった。パスを繋いで崩す意識やサイドへボールを散らすこと、パスのバリエーションも増えたが、パスや受け手の動きの精度の問題なのか、意思の疎通なのか、パスが繋がらない場面も数多く見られた。
「結果は4-1だけど、これからこういう難しい戦いが続くんだと実感した。(川口)能活さん、(中澤)佑二さん(中澤選手)が、独特だと言っていた意味がよくわかった。『初戦は勝たなきゃダメ』という空気だったのでプレッシャーはあったが、すべては自分たちの責任においてやることなので、あまり気にしないようにはしていたが、正直ホッとしている」 中村憲剛の試合後のコメントからもわかるとおり、、やはりワールドカップアジア予選初体験の選手たちは堅さがあったのだろう。
遠藤保仁の先制点直後に失点してしまったのも、「とにかく先制点」という意識が強く、それを達成したことで、スキが生まれた結果だったと想像する。あのミドルシュートがゴールネットを揺らすなど、そう何度もあることではない。
しかし、逆にこの失点があったからこそ、54分に大久保嘉人が勝ち越しゴールを決めても、「もっと点を奪おう」と果敢に攻めることができたのかもしれない。
そういう意味では、「ワールドカップ予選は何がおきるかわからない」ということを身をもって体験できたはずだ。
誰もが“ワールドカップ予選”を意識しているなか、「まずなによりワールドカップ予選ということを意識せず、勝つために全力を尽くすこと、サッカーを楽しもうという気持ちでやれたことがよかった」と語ったのが山瀬功治。彼の強引なドリブル突破から大久保のゴールが生まれている。相手に囲まれても「あそこで奪われてもリスクは少なかった」とドリブルをしかけた。
監督の意図するサッカーを理解しつつも「いくつかのプレーの選択肢中から、何を選ぶかは自分の判断。自分が最もいいと思ったプレーを選ぶだけ」と話す。そんな彼のアイデアがゴールを生んだ。ボスニア戦での活躍で、一躍注目を集め、連日新聞記者に囲まれたが、いつものように冷静に対応しているのが印象的だった。
公式戦であり、ワールドカップへの第一歩であっても、サッカーであることには違いはない。平常心でいつものプレーを行うことが難しいのがこういう試合だが、周囲の状況に惑わされず、対処できる力が求められる。頭で理解できても、ピッチでそれが表現できない……そんな新人選手のようなジレンマも、その舞台に立たなくては体験できない。
岡田ジャパンもそして、それを構成する選手たちの多くも年齢的には若くはなくとも、その経験値を考えれば若い。だからこそ、ひとつひとつの体験をうまく噛み砕き、価値ある経験へと消化していくことに期待したい。
試合後の会見で試合を振り返り「結果から見ると、流れの中からの得点は1点で、セットプレーで3点というのは、まだ課題の残るところがあるかなと」と語った岡田監督。連日の非公開練習でトレーニングを重ねたセットプレーから3得点。しかし、コーナーキック、フリーキックのチャンスが32回(3分に1回)あったことを思えば、もっと決めてもよかったのだと思わないでもない。
そんな風にひとつひとつを考えていくと、今日のゲームは“勝っただけ”であり、内容はあまり褒められたものではない。けれど、勝つことが最も重要だったのだから、結果オーライでもいいのかもしれない。
「内容は今までの予選とあまり変わらない。まずは結果を出さないと意味がない。内容は次の東アジア選手権で詰めたいと思う」
中澤の言葉どおり。まだまだ始まったばかりなのだから。
―― text by 寺野典子 ――
しかし、タイと日本とのレベルの差、しかも主力選手を出場停止で欠き、退場者をひとり出している相手に対しての4−1というのは、当然と言えば当然なのかもしれない。日本は前後半で18本のシュートを放っているが、そのうち枠にいった本数はそう多くは無かった。パスを繋いで崩す意識やサイドへボールを散らすこと、パスのバリエーションも増えたが、パスや受け手の動きの精度の問題なのか、意思の疎通なのか、パスが繋がらない場面も数多く見られた。
「結果は4-1だけど、これからこういう難しい戦いが続くんだと実感した。(川口)能活さん、(中澤)佑二さん(中澤選手)が、独特だと言っていた意味がよくわかった。『初戦は勝たなきゃダメ』という空気だったのでプレッシャーはあったが、すべては自分たちの責任においてやることなので、あまり気にしないようにはしていたが、正直ホッとしている」 中村憲剛の試合後のコメントからもわかるとおり、、やはりワールドカップアジア予選初体験の選手たちは堅さがあったのだろう。
遠藤保仁の先制点直後に失点してしまったのも、「とにかく先制点」という意識が強く、それを達成したことで、スキが生まれた結果だったと想像する。あのミドルシュートがゴールネットを揺らすなど、そう何度もあることではない。
しかし、逆にこの失点があったからこそ、54分に大久保嘉人が勝ち越しゴールを決めても、「もっと点を奪おう」と果敢に攻めることができたのかもしれない。
そういう意味では、「ワールドカップ予選は何がおきるかわからない」ということを身をもって体験できたはずだ。
誰もが“ワールドカップ予選”を意識しているなか、「まずなによりワールドカップ予選ということを意識せず、勝つために全力を尽くすこと、サッカーを楽しもうという気持ちでやれたことがよかった」と語ったのが山瀬功治。彼の強引なドリブル突破から大久保のゴールが生まれている。相手に囲まれても「あそこで奪われてもリスクは少なかった」とドリブルをしかけた。
監督の意図するサッカーを理解しつつも「いくつかのプレーの選択肢中から、何を選ぶかは自分の判断。自分が最もいいと思ったプレーを選ぶだけ」と話す。そんな彼のアイデアがゴールを生んだ。ボスニア戦での活躍で、一躍注目を集め、連日新聞記者に囲まれたが、いつものように冷静に対応しているのが印象的だった。
公式戦であり、ワールドカップへの第一歩であっても、サッカーであることには違いはない。平常心でいつものプレーを行うことが難しいのがこういう試合だが、周囲の状況に惑わされず、対処できる力が求められる。頭で理解できても、ピッチでそれが表現できない……そんな新人選手のようなジレンマも、その舞台に立たなくては体験できない。
岡田ジャパンもそして、それを構成する選手たちの多くも年齢的には若くはなくとも、その経験値を考えれば若い。だからこそ、ひとつひとつの体験をうまく噛み砕き、価値ある経験へと消化していくことに期待したい。
試合後の会見で試合を振り返り「結果から見ると、流れの中からの得点は1点で、セットプレーで3点というのは、まだ課題の残るところがあるかなと」と語った岡田監督。連日の非公開練習でトレーニングを重ねたセットプレーから3得点。しかし、コーナーキック、フリーキックのチャンスが32回(3分に1回)あったことを思えば、もっと決めてもよかったのだと思わないでもない。
そんな風にひとつひとつを考えていくと、今日のゲームは“勝っただけ”であり、内容はあまり褒められたものではない。けれど、勝つことが最も重要だったのだから、結果オーライでもいいのかもしれない。
「内容は今までの予選とあまり変わらない。まずは結果を出さないと意味がない。内容は次の東アジア選手権で詰めたいと思う」
中澤の言葉どおり。まだまだ始まったばかりなのだから。
―― text by 寺野典子 ――
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