Photographs (C) 2007 by Annie Leibovitz

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ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリー、ヒラリー・クリントンら世界のセレブリティーの写真を撮り、今世界で最も有名な写真家、アニー・リーボヴィッツ。
そのアニーの仕事への姿勢、生き方を描いたドキュメンタリー映画が2月16日に公開となる。

そんなアニーの一番の理解者であり、実の妹、そして監督を務めたバーバラ・リーボヴィッツに、今回の作品について話を聞いた。


■本作で一番描きたかったことは?

アーチストが作品をつくる姿、そのプロセスを見せたかったんです。みんな知らないですから。最終的な作品は見るけれど、それがどうやってできたかは知らない。これはアメリカンマスターのためだったので、アメリカの歴史も入れなければいけませんでしたが、アーチストの作品をつくるプロセスを見せることが私にとっていちばん重要でした。


■撮影で気をつけたことはなんですか?また大変だったおエピソードなどがあれば教えてください。

撮影始めることが大変でした。初めてだったし、どうリズムを作ればいいかわからなかった。でも、だんだん時間がたつにつれて、これはアニーに限らず、ドキュメンタリー映画ではよくあることなんですが、誰かと時間を過ごせば過ごすほどお互いに心地よくなって、撮影も順調に進む。ですので、撮影開始時がいちばん大変でした。


■セレブリティたちが彼女の前で裸になる(彼女になら写真をとらせる、心を開く)のはなぜだと思いますか?

まずはアニーは相手をいい気分にさせられるということ。撮影される人が、現場に足を入れる時にはすべて準備が整っているんです。アニーは準備にものすごく時間をかけます。それを私がうまく描けたかどうかはわかりませんが、何週間もリサーチして、準備する。スタンドインを使って細かいところまでチェックします。ですので、本人が登場すると、ものの15分くらいの撮影で終わってしまう。それほど準備を入念にしますし、撮影自体もとても早い。それに彼女には説得力があるし、彼女は相手によく話しかけるし、彼女の創造性がすごく相手を触発するし、すべてがものすごく早く起こるので、相手は「ノー」というヒマがないんでしょう(笑)。
それに、アニーは人をすばらしく見せる写真を撮るんですね。撮られた人は、みんな喜びます。


■スーザン・ソンタグはアニーにとってどんな存在だったのでしょうか?スーザンを失ってから、アニーが大きく変わった点はありましたか?

もちろん、とっても辛いことでした。スーザンは、アニーが自分の作品の裏付けとして、また世界を広げるために欲していた知性でした。スーザンがいなければできなかった作品がたくさんあります。アニーはスーザンがいなくなってものすごく寂しがってると思います。スーザンはアニーにとってすばらしい影響を与えた、大切な友人でした。


■アニーのように仕事でトップを極める人には、どのような素養が必要だと思いますか?

ハードワークね。簡単にはできないことです。ものすごいハードワーク。彼女はものすごい長時間、休みなく1週間7日間、ずっと働き続けます。それも何年も。それにぜったいあきらめない。何か起こっても、自分が必要だと思ったことはぜったいあきらめない。多くの人は簡単にあきらめますよね。撮影セットを遠くに移動しなければならなくなったら、それがたとえ違う州だとしても、もしそれが自分のビジョンを実現するのに必要だとしたら、彼女はやります。それほどまでやる人はあまりいないし、それほどまでにやる人は成功してると思います。あきらめずに一生懸命働く人。それが成功を生むんだと思います。


■多忙を極めるアニーは、どのように子育てをしているのでしょうか?