ウェブサイトでは、国旗を間違えて掲載している

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   殺虫剤入りの中国製ギョウザで10人が中毒症状を起こした問題で、原因の究明が急がれる中、製造元の中国メーカーは、いまだに日本の消費者に対して具体的な対応を見せていない。いったいどんな会社なのか、ウェブサイトを見てみた。

「品質を自分たちの誇りにする」

   渦中にあるのは、河北省にある「天洋食品」。日本企業であれば、会社に不祥事が発覚した際は速やかにお詫びのコメントをウェブサイトに掲載するなどの対応を取るが、1月31日18時現在、そのような様子はみられず、単なる「会社紹介サイト」としてアクセスが可能な状態だ。

   サイトによると、事業の主力は豚肉や鶏肉などを使った冷凍食品の製造・輸出で、00年の段階で3000万元(4億5000万円)以上を生産している。冷凍工場2棟、オフィスビル2棟を備えている。

   目を引くのが、同社が掲げるスローガンだ。「企業文化」の欄には、こんなフレーズが並んでいるのだ。

「一流の設備、一流の専門技術があります」
「仕事を真面目に行う」
「人民のために奉仕します」
「品質を自分たちの誇りにする」
「きちんと仕事をすることが、自分たちが正直に守るポリシー」

米国とオーストラリアの国旗を間違える

   一方で、このウェブサイトには、「一流」からはほど遠い、お粗末なミスもある。サイト内には、同社製品の輸出先を紹介するページがあるのだが、そこに日本が見あたらないばかりでなく、輸出先として紹介されている米国とオーストラリアの2か国についても、何故かアルゼンチンとブラジルの国旗が掲載されているのだ。

   J-CASTニュースでは同社に直接取材しようと、ウェブサイトに記載された電話番号に連絡を試みたが、つながらない状態だった。

   各紙が報じるところによると、1月30日夜には中国の国家品質監督検査検疫総局が調査チームを派遣、立ち入り検査を行っている。日本政府も、中国政府に対して正式に抗議を行う方針だ。

   その一方で、中国語のウェブサイトを見る限りでは、共同通信が配信したストレートニュースを各ポータルサイトが転載する程度で、あまり大きくは扱われていないというのが現状だ。

   1月31日になって、中国外務省のスポークスマンは定例会見で、同社工場の07年10月のサンプルからは農薬の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は検出されなかったことを明らかにした上で、

中国政府として、中毒になった日本の消費者の様態に関心を持っている。早期回復を願う」

とも語った。

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