【トレビアン企業探訪】第1回 検索のプロ集団“未来検索ブラジル”（前編）
この会社は検索一筋で頑張る一方、少し変わったことにも手を出している面白い会社。
取締役に『２ちゃんねる』管理人の西村博之氏がいることでも知られている。
今回のインタビューに応じてくれたのは代表取締役社長の深水英一郎（ふかみえいいちろう）氏だ。
“未来検索ブラジル”とは何をやってる会社なのか、どういう人がいるのかなど、チクチク聞いてみたぞ。
記者 ブラジルって名前から想像つかないんですがどんな会社なんですか？
深水 いやいや、検索エンジンを作ってる会社ですよ。“未来検索”ってついてるじゃないですか。
記者 “未来検索”だと分かるんですけど“ブラジル”だけだとわからないですよ。
深水 ブラジルには意味はないんだよ。単に映画の『未来世紀ブラジル』のファンの人がいてそこから取った。テリーギリアム監督！
記者 その映画面白いんですか？
深水 結構マニアックなSF。それで、「未来検索ブラジルにしよう！」ってなった。そんだけなんで。
記者 社名なんてそんなもんですよ。
深水 ……。
記者 この質問って過去に何回もしたことあるんですが、みんなはブラジルには行ったことあるんですか？
深水 一回もないし誰一人として行ってない。
記者 ブラジル行くっていう企画があったらしいじゃないですか。
深水 あったよ。 でも飛行機の乗り継ぎが大変すぎるし、地球の裏側やん？
記者 そもそもパスポート持ってます？
深水 持ってるよ。ブラジルスタッフは全員持ってる。行こうと思えば全員行けるね。
記者 じゃあちょっと行ってきて下さいよ。
深水 用事ないもん。
記者 確かに用事つくらないと大変ですよね。合宿に行くとか。
深水 そうね、合宿ねえ。ブラジルで合宿したらいいかもねえ。
記者 「ブラジルがブラジルに合宿」みたいな。
深水 まあ、一回行かないと悪いかなとは思ってるんだけどね。
記者 もし海外に『JAPAN』っていう会社があったとして「日本に行ったことない！」とか言われたら嫌じゃないですか。
深水 日本のことも知らないで名前付けるなよと。
■ブラジルの社風は？ -会社にこない！
記者 ブラジルってどういった社風なんですか。
深水 “真面目チーム”と“不真面目チーム”があって、“真面目チーム”は凄い真面目。で、“不真面目チーム”は会社に来ない。
記者 あら、会社に来ないんですか。それいいですね。来なくていいとか。
深水 社風すら統一されてない感じですね。
記者 深水さんはどちらのチームですか？
深水 “不真面目チーム”です。 今日は久々に会社来たもん。「あけましておめでとう」とか言われかねない勢い。
記者 そんな久々に来たんですか？
深水 今年入って2回目くらい。
記者 本当に大丈夫なんですか？ この会社。深水さん社長ですよね。
深水 頑張ってますよ。みんな自宅で警備してます。
記者 なんかリアルに“自宅警備員”になりそうでいやですね。
■結局ブラジルってどんなことやってるの？
記者 まだこの会社がどんなことやってるのかハッキリわからないんですが。
深水 そう？
記者 検索を専門にやってることは分かりますが、それ以外に……。あ、『モリタポ』とか。
深水 検索周りの開発で手いっぱいだし、あとコミュニティサービス向けのコンサルティングとか。基本的に裏方ですね。結構忙しいですよ、自宅で。
記者 たまに名前見ますよね。“未来検索ブラジル”って。例えばニコニコ動画の検索担当は“未来検索ブラジル”みたいに。
深水 やってますよ。
記者 裏方が多い？
深水 ああ、そーですね。意外と表に出てる部分は儲からない。いわゆる会社っぽい動きは裏方ですね。「なんであの会社は儲かってるの？」って言われがちだけど……。
記者 携帯でいうと『2軸ヒンジ』作ってる会社みたいな。
深水 君はたとえが凄いな。
■『senna』（セナ）の実力
記者 でもそういうのって重要なんですよ。基礎がないと何も動かない。
深水 基礎力がある会社なんで。検索エンジンの『senna』（セナ）にしてもオープンソースにしてるから実際どのくらい使われてるか把握できないんですけど、いろんな所に行くと「『senna』使ってます」って言われたりする。意外とみんな使ってるんじゃないかな。
記者 個人でも勝手に使っちゃったり。
深水 そうそう。勝手に使われてる。
記者 『senna』は早いとか賢いとか言われてますけどね。
深水 めっちゃ賢いですよ。
記者 具体的にどう賢いんですか？
深水 日本語の検索に特化されて開発されてるんで、日本語の全文検索に対しては強い。そして早い！
記者 Googleに負けない？
深水 比較は難しいけど我々としては自信を持ってオススメしますし、僕もわからないくらい『senna』の開発が進んでるんで。かなり独自仕様になってきてるみたいです。その辺はこの『ウェブ国産力』（アスキー）というこの本を読んで頂ければ。
記者 これに“未来検索ブラジル”の事が書いてあるんですか？
深水 一章まるごと弊社のことが書いてあります。
記者 「未来検索ブラジルはGoogleにはならない」って書いてますが。
深水 方向性が違いますからね。そもそもなれない（笑）
記者 ウェブサービスではなく、裏方を続けたいと。
深水 そうですね、みんな引き籠もりなんで。
記者 それでみんな“自宅警備員”やってるんですか。
深水 この間『Perfume』（パフューム）のCDアルバムを買いに行って、「ポスター付き」って書いてあったんですよ。それを買って帰る途中にポスターもらい忘れるのに気づいたんですけど、恥ずかしくて取りに戻れなかったくらい恥ずかしがり屋。多分店員がパクってる。
……と、検索エンジン『senna』の話などを聞かせて頂いた。
話が長くなったので残りは後半にお届けしたい。
後半の内容は「モリタポ」、「他社には負けない所」、「変わってるところ」などだ。
▲『ウェブ国産力』を宣伝する深水氏。
（記者：高橋KEN）
参照1：有限会社未来検索ブラジル
参照2：２ちゃんねる検索
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