昨年11月に転職サイト「イーキャリアプラス」が発表した「新社会人(2007年4月入社)の転職事情調査」でも、転職を考えたことのある新社会人は62.0%。このうち、すでに転職活動を始めている新社会人は16.9%という結果が出ている。
 つまり、社会で働き始めてから1年未満の新入社員のうち、2人に1人以上が転職を考えたことがあり、およそ10人に1〜2人は実際に転職活動を行っているということになる。


 なぜ、これほどまでに新社会人の転職希望者が多いのだろうか?


 「イーキャリアプラス」の調べによると、「現在の仕事に不満を持っている」と答えた新社会人は47.3%。その理由の第1位として挙げられたのは「年収」で50.3%。以下、「やりがい」32.8%、「社内の雰囲気」21.7%と続いている(複数回答可)。
 一方、現在働いている会社に入社を決めた理由については、「自分の好きな仕事だったから」47.3%、「職場環境が良いから(駅または自宅から近いから)」34.0%、「成長している会社だから」22.0%などを挙げている。


 この結果から、入社時にはこれが自分のやりたい仕事だ! と意気込んで働き始めるものの、現実の給与の低さや任される仕事の内容、仕事場の雰囲気が理想とかけ離れているため、転職を考えるに至る人が多いことが読み取れる。また、先の「仕事への不満」に「上司との人間関係」を挙げた人も約19%いるなど、会社選びにはどうしても予測不能な要素がつきまとう。新社会人であれば、なおさらだろう。


 そのため採用サイドも、新社会人の転職の場合、勤続年数についてはそれほど重視していないことも多いようだ。ただ、採用した際に3年程度働いてくれるかどうかは、一般的に判断の目安にはするもの。転職の希望理由を明確に話せるようにしておく準備は大切だろう。


 「3年勤務」から逆算すれば、大卒後すぐに社会に出た人なら、30歳までにおおむね2、3回の転職経験なら、その後のキャリアに響かないことになる。会社選びは一生ものと考え、不満を抱えた毎日を過ごすよりも、20代のうちに複数の会社で勤務経験をし、さまざまなスキルやモノの見方を養っておいたほうが、30歳以降、花開くことにつながるかもしれない。(提供:バウンド)

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