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外国人登録法廃止は歓迎か?
2008年01月29日11時06分 / 提供:PJ
【PJ 2008年01月29日】−
PJ徳島は1月18日のPJオピニオンで生活者としての外国人」の管理強化がねらわれているを論じた。対策の遅れていた国がようやく動き出したというのに、早くも管理面の規制から始めようとしている。日本語のできない外国人は「問題」で、トラブルメーカーだときめつけているようだ。
「生活者としての外国人」と規定する以上、上記「連絡会議」がいうように「社会の一員として日本人と同様の公共サービスを享受し生活できるような環境を整備しなければならない」という施策が先行しなければ解決にならない。「外国人自身のインセンティブ不足」を一方的に強調することになれば、「多文化共生社会」を理解しないあまりにも後ろ向きな姿勢といわざるをえない。
今回、やはり外国人問題として、「外国人登録制度廃止について」西日本新聞(1月27日付)は、報じているが、見出しは次のようだ。『外国人、「住民」として 登録制度廃止、基本台帳と同様に データ把握へ自治体要求実る 管理強化の狙いも?』
リード文章はつぎのとおり。「日系ブラジル人など在日外国人が増加する中、六十年以上続いた外国人登録制度を廃止、日本人の住民基本台帳と同様の制度に再編する政府の方針が明らかになった。外国人を住民としてとらえ、教育、健康保険、徴税など行政でデータを生かしたい自治体側の強い要求が通った形だが、不法滞在対策など管理強化も見直しのきっかけとなっている。」
しかし、この問題について、各報道は総じて肯定的に報じている。
たとえば、中国新聞の記事「在留外国人 共生を柱に制度見直せ」では、『新たな制度では、名前や顔写真などが入った「在留カード」を入国管理局が発行することになる。外国人は受け取ったカードを滞在先の自治体に示し、自治体はカードの情報などを基に世帯単位の住民台帳を整備する。・・・外国人が多く住む自治体でつくる「外国人集住都市会議」が深刻に受け止めているのは、就学年齢に達しても学校に通っていない子どもたちの存在である。就学前ガイダンスを開こうにも、案内先が分かりにくいという。こうした事態も改善されるだろう』としている。
静岡新聞の記事「外国人登録制度廃止、自治体や住民歓迎」では、『昨年末の外国人登録者数が3万3000人を超えた浜松市の村木恵子国際課長は「享受できる行政サービスの継続がスムーズになる」とする一方で「納税などの義務もしっかり果たしてもらうことになる」と話し、定住を目指す外国人の安定につながるとみる。・・・多文化共生の観点から自治会関係者も前向きな反応を示す」と報じている。
この問題については、日弁連の意見書を再確認する必要がある。以下、概要を紹介する。
現在、政府においては、テロや外国人犯罪の未然防止、不法滞在者の減少を目的として、外国人の出入国・在留管理を強化する新しい体制の構築が検討されています。また、これに併せて、自由民主党も、新たな入国管理施策の提言を行っています。
日弁連では、このような体制の構築に対し、プライバシー権や自己情報コントロール権、外国人に対する差別的取扱いの禁止等の観点から、2005年12月15日の理事会で意見書をとりまとめ、12月26日に内閣総理大臣・法務大臣・外務大臣・厚生労働大臣・警察庁長官などに提出しました。
意見の概要は下記のとおりです。
1 出入国時に指紋情報・顔情報といった生体情報の提供を義務づけることについては、採否を含めて慎重に検討すべきであり、仮に導入するとしても、指紋情報の提供の義務化は採用すべきではない。
2 また、すでに入国審査を経て在留資格を取得している外国人が再入国する場合は、その対象から除外するべきである。
3 取得した生体情報を保管し、外国人の在留管理や犯罪捜査などに利用することについては、反対する。仮に生体情報の提供を義務づけるとしても、出入国審査における照合が完了した時点で、ただちに消去するべきである。
4 IC在留カード(仮称)を発行して、その取得・携帯を義務化すること、勤務先・学校等に外国人の受入れに関する報告義務を課すこと、外国人の情報を集中的・一元的に管理して情報の総合管理機能を充実・強化することについては、反対する。
5 旅館業者による外国人宿泊客の本人確認については、その目的・要件を法律で明確に定めるべきである。ただし、旅券の写しを旅館業者に保管させたり、取得した情報の警察等への提供を義務づけることなどはすべきではない。
6 関係省庁の協議により認定されたテロリストの上陸拒否・退去強制を行う制度の導入にあたっては、テロリストの定義を明確かつ厳格なものとしなければならず、また、十分に適正な手続が保障されるべきである。>
上記日弁連の意見書に見るように、「外国人の人権」については慎重に対処しなくてはならない。今回の政府の方針は、マイノリティーである「在留外国人」を管理の対象として、掌握しやすくする措置であるという側面はぬぐいがたい。「共生社会」という概念は、マジョリティーである日本人の側が持ち出した概念である。マイノリティーである「在留外国人」の要求は、「人権の保障」「学習権擁護」「労働権の確立」である。マイノリティーを管理の対象とする施策の実施は慎重さを要するだろう。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 徳島 達朗【 福岡県 】
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「生活者としての外国人」と規定する以上、上記「連絡会議」がいうように「社会の一員として日本人と同様の公共サービスを享受し生活できるような環境を整備しなければならない」という施策が先行しなければ解決にならない。「外国人自身のインセンティブ不足」を一方的に強調することになれば、「多文化共生社会」を理解しないあまりにも後ろ向きな姿勢といわざるをえない。
今回、やはり外国人問題として、「外国人登録制度廃止について」西日本新聞(1月27日付)は、報じているが、見出しは次のようだ。『外国人、「住民」として 登録制度廃止、基本台帳と同様に データ把握へ自治体要求実る 管理強化の狙いも?』
リード文章はつぎのとおり。「日系ブラジル人など在日外国人が増加する中、六十年以上続いた外国人登録制度を廃止、日本人の住民基本台帳と同様の制度に再編する政府の方針が明らかになった。外国人を住民としてとらえ、教育、健康保険、徴税など行政でデータを生かしたい自治体側の強い要求が通った形だが、不法滞在対策など管理強化も見直しのきっかけとなっている。」
しかし、この問題について、各報道は総じて肯定的に報じている。
たとえば、中国新聞の記事「在留外国人 共生を柱に制度見直せ」では、『新たな制度では、名前や顔写真などが入った「在留カード」を入国管理局が発行することになる。外国人は受け取ったカードを滞在先の自治体に示し、自治体はカードの情報などを基に世帯単位の住民台帳を整備する。・・・外国人が多く住む自治体でつくる「外国人集住都市会議」が深刻に受け止めているのは、就学年齢に達しても学校に通っていない子どもたちの存在である。就学前ガイダンスを開こうにも、案内先が分かりにくいという。こうした事態も改善されるだろう』としている。
静岡新聞の記事「外国人登録制度廃止、自治体や住民歓迎」では、『昨年末の外国人登録者数が3万3000人を超えた浜松市の村木恵子国際課長は「享受できる行政サービスの継続がスムーズになる」とする一方で「納税などの義務もしっかり果たしてもらうことになる」と話し、定住を目指す外国人の安定につながるとみる。・・・多文化共生の観点から自治会関係者も前向きな反応を示す」と報じている。
この問題については、日弁連の意見書を再確認する必要がある。以下、概要を紹介する。
現在、政府においては、テロや外国人犯罪の未然防止、不法滞在者の減少を目的として、外国人の出入国・在留管理を強化する新しい体制の構築が検討されています。また、これに併せて、自由民主党も、新たな入国管理施策の提言を行っています。
日弁連では、このような体制の構築に対し、プライバシー権や自己情報コントロール権、外国人に対する差別的取扱いの禁止等の観点から、2005年12月15日の理事会で意見書をとりまとめ、12月26日に内閣総理大臣・法務大臣・外務大臣・厚生労働大臣・警察庁長官などに提出しました。
意見の概要は下記のとおりです。
1 出入国時に指紋情報・顔情報といった生体情報の提供を義務づけることについては、採否を含めて慎重に検討すべきであり、仮に導入するとしても、指紋情報の提供の義務化は採用すべきではない。
2 また、すでに入国審査を経て在留資格を取得している外国人が再入国する場合は、その対象から除外するべきである。
3 取得した生体情報を保管し、外国人の在留管理や犯罪捜査などに利用することについては、反対する。仮に生体情報の提供を義務づけるとしても、出入国審査における照合が完了した時点で、ただちに消去するべきである。
4 IC在留カード(仮称)を発行して、その取得・携帯を義務化すること、勤務先・学校等に外国人の受入れに関する報告義務を課すこと、外国人の情報を集中的・一元的に管理して情報の総合管理機能を充実・強化することについては、反対する。
5 旅館業者による外国人宿泊客の本人確認については、その目的・要件を法律で明確に定めるべきである。ただし、旅券の写しを旅館業者に保管させたり、取得した情報の警察等への提供を義務づけることなどはすべきではない。
6 関係省庁の協議により認定されたテロリストの上陸拒否・退去強制を行う制度の導入にあたっては、テロリストの定義を明確かつ厳格なものとしなければならず、また、十分に適正な手続が保障されるべきである。>
上記日弁連の意見書に見るように、「外国人の人権」については慎重に対処しなくてはならない。今回の政府の方針は、マイノリティーである「在留外国人」を管理の対象として、掌握しやすくする措置であるという側面はぬぐいがたい。「共生社会」という概念は、マジョリティーである日本人の側が持ち出した概念である。マイノリティーである「在留外国人」の要求は、「人権の保障」「学習権擁護」「労働権の確立」である。マイノリティーを管理の対象とする施策の実施は慎重さを要するだろう。【了】
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